RACE REPORT
レースレポートついに開幕を迎えた、グランツーリスモ国内最高峰の大会JEGT2023シリーズ。
選手の入れ替えやチーム名など昨年から大幅な体制に変更のあったチームも多く、今季の戦いに注目が集まる。
JEGT公式YouTubeを通じて多くのファンが見守るなか開催された、JEGT2023シリーズトップリーグRd.1の様子をお伝えしよう。
昨シリーズは、最終戦に大逆転でチャンピオンチームが決まるという劇的な幕切れとなったJEGT。
ディフェンディングチャンピオンの#1 Sengoku Gamingがどういった戦いをみせるのか、チーム体制を刷新した#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川が巻き返すのか、はたまた新興勢力の台頭はあるのか、今シーズンの行方に注目が集まる。
まずは、開幕戦にあたってJEGTの体制や各チームの状況を整理してみよう。
実施形態 | オンライン |
使用コース | 鈴鹿サーキット |
コースコンディション | S01 乾燥した 雲のない 快晴 午後 |
レース形式 | 予選スーパーラップ → レース第1ヒート → レース第2ヒート |
周回数 | 【ヒート1】8周 【ヒート2】12周 |
出場チーム数 | 10チーム |
>>JEGT2023シーズンの詳しいレースフォーマットはこちら
JEGT2023シーズンは、昨シーズン同様に鈴鹿サーキットで開幕した。
F1ドライバーも絶賛する世界屈指のテクニカルコースだけに、日本最高峰を誇るJEGTの開幕戦にふさわしい舞台といえる。
鈴鹿サーキットは低速から高速までバリエーション豊かなコーナーを有し、ドライバーやマシンの差も出やすい。
各チーム、選手がどんなバトルを見せてくれるのか、開催前から期待が高まる。
実況に鈴木学氏、ゲスト解説に谷口信輝氏、解説に西澤健太氏という安定したレース実況陣。
さらに、MCにスポーツDJのAlee氏、アシスタントには沢すみれさんとJEGTを支える豪華メンバーが顔を揃えた。
特に沢すみれさんは、特別企画で山中選手(#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川)とグランツーリスモ7に挑戦するなど、例年以上に深くJEGTと関わってきただけに独自視点のコメントにも注目が集まる。
>>【JEGT公式YouTube企画】沢すみれの挑戦!目指せJEGT認定ドライバー
また、決勝レース間には、谷口信輝氏と沢すみれさんによるエキシビションマッチも行われた。
鈴鹿サーキットを疾走する、谷口氏ドライブのアルファードの勇姿にも注目してほしい。
今シーズンの注目ポイントの1つは、各チームの選択したマシンだ。
毎年比較的選択するチームの多い、マツダ RX-VISIONはわずか2チーム。
また、国産メーカーを選択するチームが多かったが、今年は3チームが海外メーカーを選んだ。
特に、韓国の自動車メーカーヒョンデの高級車ブランド“ジェネシス”のX GR3を選んだ、#12 KOSHIDO RACINGに注目が集まった。
ほかの海外メーカー車は、#55 AUTOBACSがポルシェ 911 RSR、#127 eM福岡 エンタテ!区 LEGENDSがマクラーレン 650S GT3をそれぞれ選択。
定番車種の日産 GT-R ニスモ GT3、トヨタ GRスープラ レーシングコンセプトも含めて例年以上にバラエティ豊かな顔ぶれになった。
開幕戦を終えてみると、ディフェンディングチャンピオン#1 Sengoku Gamingが予選スーパーラップから決勝ヒート2まで一度もトップを明け渡すことなく開幕戦を勝ち取った。
一方で、意外なチームがヒート1まで善戦するなど、昨シーズンとは様相が異なる面も垣間見えた。
各セッションのレース結果を振り返ってみよう。
予選スーパーラップで注目を集めたのは、2番手を獲得した山本選手(#12 KOSHIDO RACING)。
トップの川上選手(#1 Sengoku Gaming)と1000分の1秒まで同タイムという、驚異の走りをみせた。
チャンピオン奪還を目指す鈴木選手(#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川)は、わずか0.054秒及ばず3番手。
順位 | No. | エントラント名 | ドライバー | タイム |
1 | 1 | Sengoku Gaming | 川上 奏 | 1’58″179 |
2 | 12 | KOSHIDO RACING | 山本 英弥 | 1’58″179 |
3 | 02 | EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 鈴木 聖弥 | 1’58″233 |
4 | 54 | TC CORSE Esports MAZDA | 坪井 俊介 | 1’58″373 |
5 | 127 | eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 堤口 直斗 | 1’58″519 |
6 | 35 | NISSAN × TRUST RACING | 五木 隆太郎 | 1’58″687 |
7 | 777 | ZIMA RACERS | 橋間 隼 | 1’58″869 |
8 | 55 | AUTOBACS | 須賀 崇 | 1’58″048 |
9 | 105 | TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRES | 草野 貴哉 | 1’58″297 |
10 | 11 | KOSHIDO Jr.RACING | 柏倉 和弥 | NO TIME |
決勝レースヒート1でも、#12 KOSHIDO RACINGが注目を集めた。
黒畑選手が百戦錬磨の山中選手(#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川)の猛追をしのいで2番手をキープ。
山中選手は追い上げ届かず3番手となった。
順位 | No. | エントラント名 | ドライバー | タイム | ポイント |
1 | 1 | Sengoku Gaming | 井芹 颯真 | 15’53″492 | 8pt |
2 | 12 | KOSHIDO RACING | 黒畑 蓉 | 15’55″279 | 6pt |
3 | 02 | EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 山中 智瑛 | 15’56″257 | 4pt |
4 | 54 | TC CORSE Esports MAZDA | 佐藤 真太朗 | 15’56″596 | 2pt |
5 | 105 | TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRES | 久万田 崚 | 15’58″816 | 1pt |
6 | 127 | eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 田代 寛朋 | 16’03″089 | 0pt |
7 | 777 | ZIMA RACERS | 橋間 隼 | 16’03″509 | 0pt |
8 | 11 | KOSHIDO Jr.RACING | 須賀 崇 | 16’10″357 | 0pt |
9 | 35 | NISSAN × TRUST RACING | 草野 貴哉 | 16’14″930 | 0pt |
10 | 55 | AUTOBACS | 柏倉 和弥 | 16’23″163 | 0pt |
ポールスタートの奥本選手(#1 Sengoku Gaming)が、でポジションを明け渡すことなく順当にトップチェッカー。
2位を獲得した#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRESは、今季チームを移籍した宮園選手が5番手スタートから脅威の追い上げをみせる。
4番手スタートだった佐々木選手(#54 TC CORSE Esports MAZDA)がポジションを1つ上げて3位。
なお、決勝レースヒート2では、ペナルティの裁定も下された。
#12【競技規則第Ⅱ条 ③ 走路外への押し出し・弾き出し】 #127に対して(L12 / T16-17)+2秒
#54【競技規則第Ⅱ条 ③ 走路外への押し出し・弾き出し】 #02に対して(L12 / T16-17)レーシングアクシデント
順位 | No. | エントラント名 | ドライバー | タイム | ペナルティ | ポイント |
1 | 1 | Sengoku Gaming | 奥本 博志 | 24’04″182 | – | 25pt |
2 | 105 | TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRES | 宮園 拓真 | 24’05″738 | – | 18pt |
3 | 54 | TC CORSE Esports MAZDA | 佐々木 唯人 | 24’08″060 | – | 15pt |
4 | 02 | EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 森本 健太 | 24’08″751 | – | 12pt |
5 | 55 | AUTOBACS | 杉守 翔平 | 24’12″474 | – | 1pt |
6 | 127 | eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 岩田 和歩 | 24’12″912 | – | 0pt |
7 | 12 | KOSHIDO RACING | 長 和樹 | 24’14″043 | 2″00 | 0pt |
8 | 35 | NISSAN × TRUST RACING | 植木 俊輔 | 24’14″097 | – | 0pt |
9 | 777 | ZIMA RACERS | 石水 優夢 | 24’14″220 | – | 0pt |
10 | 11 | KOSHIDO Jr.RACING | 岡村 康平 | 24’17″045 | – | 0pt |
#1 Sengoku Gamingが勝利という最終結果だけを見ると、2023シリーズの勢力図は昨年とあまり変わりなくみえる。
しかし、予選やヒート1も含めて改めて確認すると、昨年までの上位チームも決して安泰ではないようだ。
例えば、昨年シーズン8位だった#12 KOSHIDO RACINGは、予選とヒート1ともに2番手を獲得、決勝ヒート2でこそ順位を落としたが2戦目以降の台風の目になる可能性も十分秘めている。
一方で、最終戦以外では昨季無類の強さを見せていた#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川が4位、#55 AUTOBACSも下位に沈むなど、常勝チームと思われたチームの苦戦も見られた。
ただし、開幕戦で結果の出なかったチームも、決して実力に大きな差がわけではない。
新勢力の台頭と常勝チームの巻き返し、開幕戦を終えて2023シーズンのJEGTからますます目が離せなくなった。
気になるRd.2は2023年11月18日(土)にオンライン方式で開催。
JEGT公式YouTubeチャンネルで観戦できるので、忘れずにチャンネル登録をしておこう。
Text: 渡邉 篤
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