RACE REPORT
レースレポートJEGT2022シリーズ企業対抗戦のRound 2が、2022年12月3日にオートポリスを舞台におこなわれた。
今シーズンから開催となる企業対抗戦だが、開幕戦の盛り上がりを受け2戦目となる今戦から2チームが新たに参戦。
トップリーグと同様の合計10チームにスケールアップした、JEGT2022シリーズ企業対抗戦Rd.2の模様を詳しくお伝えする。
企業対抗戦Rd.2に使用されたのは、九州にある国際規格サーキット「オートポリス」。
予選スーパーラップ、決勝ヒート1、決勝ヒート2の合計3セッションを各ドライバーが担当し順位を決定する。
>>Rd.2の舞台となったオートポリスのコース攻略法はこちら
使用サーキットは大分県にあるオートポリスインターナショナルレーシングコース。
山を切り開いて作られたコースで、高低差とさまざまな種類のコーナーが特徴のテクニカルコースだ。
抜きどころのないコースと言われる中、コース上でのバトルに注目が集まる。
また、タイヤに厳しいコースとしても有名で、決勝ヒート2でのタイヤ交換戦略も順位を左右する重要なポイントだ。
実施形式 | オンライン形式 |
使用コース | オートポリスインターナショナルレーシングコース |
予選形式 | スーパーラップ形式(アウトラップ1周/アタックラップ1周) ※審議制度あり |
決勝周回数 | 【ヒート1】7周 【ヒート2】14周 |
タイヤ摩耗 | 【ヒート1】3倍 【ヒート2】3倍 |
燃料消費 | 【ヒート1】2倍 【ヒート2】2倍 |
使用可能タイヤ | 【予選】レーシングミディアム 【ヒート1】レーシングミディアム 【ヒート2】レーシングミディアム/ レーシングソフト※使用義務あり |
Rd.2から参戦の#7 中河西選手(eスポーツスタジアム郡山)がトップバッターで1:50.369を記録。
続く#8 福室選手(AUTOBACS)が1:43.815を記録しターゲットタイムを更新。
後続チームは1:45前後のタイムという水準のなか、#87 中井選手(HKS e-MotorSport)が1:43.792でトップタイムを塗り替える。
しかし、#103 甲斐選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)がさらに上回る1:43.608を記録。
予選スーパーラップの結果、ポールポジンションは#103 甲斐選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)で、2番手にはRd.1優勝チームの#571 大原選手(Team EMC x sti)が入りフロントローを確保。
3番手に#87 中井選手(HKS e-MotorSport)、4番手#8 福室選手(AUTOBACS)となった。
なお、#43 山原選手(Garaiya)はトラックリミット違反によりノータイム。
Pos | Num | Team | Driver | Time | Gap |
PP | 103 | GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING | 甲斐 陽翔 | 1:43.608 | – |
2nd | 571 | Team EMC x sti | 大原 悠暉 | 1:43.786 | +0.178 |
3rd | 87 | HKS e-MotorSport | 中井 宏彰 | 1:43.792 | +0.184 |
4th | 8 | AUTOBACS | 福室 力 | 1:43.815 | +0.207 |
5th | 84 | TOMEI POWERED | 岩本 智樹 | 1:45.228 | +1.620 |
6th | 557 | Team G-7AUTOSERVICE | 河崎 峰 | 1:45.653 | +2.045 |
7th | 23 | NISSAN × TRUST Racing Jr. | 奥崎 玲 | 1:46.675 | +3.067 |
8th | 90 | WEB OPTION RACING | 深田 一希 | 1:47.335 | +3.727 |
9th | 7 | eスポーツスタジアム郡山 | 中河西 宏樹 | 1:50.363 | +6.755 |
10th | 43 | Garaiya | 山原 翔太 | NO TIME | – |
#43: トラックリミット違反
予選スーパーラップの結果、3番手までは順位こそ異なるものの前回のトップ3チームと同じ顔ぶれ。
企業対抗戦での初優勝を狙う2チームと、2戦連続勝利を目指す1チームの激しい攻防が予想される。
レースは予想通りポールスタートの#103 橋本選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)から、3番手スタートの#87 尾形選手(HKS e-MotorSport)までの3台がオープニングラップから後続を引き離しつつ激しいトップ争いを展開。
テールトゥノーズのまま突入した3ラップ目の第2ヘアピンでは、#87 尾形選手が#571 松本選手のインに飛び込み2番手にポジションアップした。
#87 尾形選手は、さらに続く4ラップ目でトップを走る#103 橋本選手に追いつき、ホームストレートではスリップストリームから果敢にオーバーテイクを図る。
#87 尾形選手の仕掛けを絶妙なライン取りでかわしていた#103 橋本選手だったが、ついに5ラップ目の後半、ターン15のコーナー立ち上がりで#87 尾形選手に鼻先を入れられるとそのままオーバーテイクを許してしまう。
レースはこのままチェッカーを迎え、見事なオーバーテイクを決めた#87 尾形選手(HKS e-MotorSport)がトップ、1つポジションを落としたものの粘りの走りを見せた#103 橋本選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)が2番手、Rd.1で優勝を決めた#571 松本選手(Team EMC x sti)が3番手となった。
今回から参戦した#43 山原選手(Garaiya)は予選ノータイムで最後尾スタートとなったものの、4つポジションをあげる大躍進を見せ6番手を獲得した。
なお、レース後の審議により、#23 長原選手(NISSAN × TRUST Racing Jr.)、#557 大西選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#84 山中選手(TOMEI POWERED)の3選手にそれぞれ妨害行為がとられペナルティが加算されている。
Pos | Num | Team | Driver | Time | Gap |
1st | 87 | HKS e-MotorSport | 尾形 莉欧 | 12:18.535 | – |
2nd | 103 | GR_TRESSA×AIRBUSTER RACING | 橋本 理 | 12:21.814 | +3.279 |
3rd | 571 | Team EMC x sti | 松本 優一郎 | 12:22.023 | +3.488 |
4th | 8 | AUTOBACS | 上野 哲 | 12:34.343 | +15.808 |
5th | 23 | NISSAN × TRUST Racing Jr. | 長原 叶志郎 | 12:35.117 (+2.000) |
+16.582 |
6th | 43 | Garaiya | 檀野 興佑 | 12:35.847 | +17.312 |
7th | 90 | WEB OPTION RACING | 齋藤 龍之介 | 12:37.719 | +17.312 |
8th | 557 | Team G-7AUTOSERVICE | 大西 隆生 | 12:47.554 (+5.000) |
+29.019 |
9th | 7 | eスポーツスタジアム郡山 | 前林 勇騎 | 12:52.342 | +33.807 |
10th | 84 | TOMEI POWERED | 山中 真生 | 12:52.705 (+4.000) |
+34.170 |
※()内の数字はペナルティの秒数になります。
#23: コーナー進入時の他車への妨害行為 (L6 / T11 #8に対して)
#84: 直線で後続車両に対する妨害行為 (L3 / T1 #43に対して)
#557: コーナー進入時の他車への妨害行為 (L3 / T15 #84に対して)
タイヤに厳しいと言われるオートポリスで、タイヤ交換が義務付けられた決勝ヒート2は各チームのピット戦略が気になるところだ。
また、決勝ヒート1で上位3チームが混戦の様相を呈しているなか、4番手以下のチームの巻き返しがあるのかといった点にも注目したい。
スタート時のタイヤは、上位2チームがソフトタイヤ、3番手以下のチームがミディアムタイヤを選択。
#87 尾田選手(HKS e-MotorSport)、#103 鷲尾選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)はソフトタイヤでレース前半にマージンを築く戦略だ。
レースは、スタート直後からヒート1と同じくトップ3チームが後続を引き離しながらトップ争いを繰り広げる。
ミディアムタイヤスタートの#571 大石選手(Team EMC x sti)もトップグループに食らいつくものの、ソフトタイヤでラップを重ねるトップ2チームとの差が徐々に離れていく。
一方、後方からのスタートとなったチームは、早めのピットイン戦略をとる。
8番手スタートの#84 上野選手(TOMEI POWERED)は、一発逆転を狙った作戦で1ラップ目にピットインしソフトタイヤに交換。
3ラップ目には#43 岡村選手(Garaiya)、#8 今里選手(AUTOBACS)、#557 鎌田選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#7 小倉選手(eスポーツスタジアム郡山)が相次いでピットインし、ソフトタイヤに交換する。
続く4ラップ目に#571 大石選手がセオリー通りの周回でピットインしたタイミングで、#43 岡村選手が3番手に浮上。
アンダーカットを狙った早めのピットイン作戦が見事に的中した。
コース上での大きな順位変動もないまま、レース中盤に差し掛かった6ラップ目。
先頭を快走していた、#87 尾田選手が立体交差手前でまさかのスピンしてしまい、#103 鷲尾選手が思わぬ形でトップに浮上した。
#43 岡村選手を先頭とする見かけ上の3番手集団は順調にペースをあげ、スピンを喫した2番手#87 尾田選手との差を徐々に詰める展開。
ピット作業後のポジションに注目が集まる。
そして迎えた10ラップ目、まずはトップの#103 鷲尾選手がピット作業をおこないそのままのポジションでコースに復帰する。
続いてのピットインした2番手を走行中の#87 尾田選手は、#43 岡村選手を先頭とする3番手集団にピット作業中にかわされてしまう。
レースはこのまま、1位#103 鷲尾選手、2位#43 岡村選手、3位#557 鎌田選手の順でフィニッシュ。
しかし、レース後審議となり最終的な順位は以下の通りとなった。
優勝はコース上の順位と変わらず#103 鷲尾選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)。
2位には審議による逆転で#571 大石選手(Team EMC x sti)、3位はRd.2からの参戦となった#43 岡村選手(Garaiya)。
レース後の審議により、#43 岡村選手(Garaiya)、#557 鎌田選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#8 福室選手(AUTOBACS)にそれぞれペナルティが課せられている。
Pos | Num | Team | Driver | Time | Gap |
1st | 103 | GR_TRESSA×AIRBUSTER RACING | 鷲尾 拓未 | 24:41.203 | – |
2nd | 571 | Team EMC x sti | 大石 澄海 | 24:47.335 | +6.132 |
3rd | 43 | Garaiya | 岡村 康平 | 24:48.576 (+3.000) |
+7.373 |
4th | 87 | HKS e-MotorSport | 尾田 結都 | 24:50.308 | +9.105 |
5th | 557 | Team G-7AUTOSERVICE | 鎌田 智暉 | 24:51.983 (+6.000) |
+10.780 |
6th | 8 | AUTOBACS | 今里 駿斗 | 24:52.950 (+3.000) |
+11.747 |
7th | 7 | eスポーツスタジアム郡山 | 小倉 祥太 | 24:57.131 | +15.928 |
8th | 84 | TOMEI POWERED | 上野 柊斗 | 24:58.828 | +17.625 |
9th | 23 | NISSAN × TRUST Racing Jr. | 新川 真也 | 25:00.016 | +18.813 |
10th | 90 | WEB OPTION RACING | 高橋 一樹 | 25:00.130 | +18.927 |
※()内の数字はペナルティの秒数になります。
#8: ピットレーン ホワイトラインカット
#43: ピットレーン ホワイトラインカット
#557: ピットレーン ホワイトラインカット
#557: コーナー中、後続車へ衝突狙いの減速・幅寄せ(L11 / T1 #571に対して)
企業対抗戦には、JEGT認定ドライバー以外の社員ドライバーの参加が義務付けられておりドライバー間の実力差が大きい。
しかし、見事に隙をついたコース上でのオーバーテイクやピット戦略の違いによる逆転劇など、手に汗握るレース展開観る者を飽きさせない。
しかも、1位#103 GR-TRESSA×AIRBUSTER RACINGと2位#571 Team EMC x stiは、予選から決勝3セッションを通じてまったくペナルティを受けないクリーンなレースを展開し、JEGTが重視しているルール遵守の意識も高かった。
トップリーグに比べると荒い部分もあるが、その分順位変動も激しい。
今回も、#43 Garaiyaが初参戦で3位表彰台を獲得するなど、見応えのあるレースだった。
JEGT2022シリーズの企業対抗戦はRd.2で終了となるが、来季以降の開催にも大いに期待したい。
なお、JEGT2022シリーズトップリーグは、最終戦となるRd.3が2023年1月14日(土)にオンラインとオフラインで同時開催される予定だ。
しかも、会場は日本最大のカスタムカーイベント“東京オートサロン 2023”。
今回のレースでJEGTに興味を持った方はぜひ会場に足を運び、生でおこなわれるレースの迫力と興奮を体感してほしい。
Text: 渡邉 篤
>>JEGT2022シリーズトップリーグ最終戦Rd.3の詳しい情報はこちら
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