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ニュース第3世代GT-Rと呼ばれるR35型GT-R。日本のモータースポーツはもちろん、世界のレースシーン、そしてe-sportsの世界でも人気の高い1台だ。
今回は、市販車でありながら、600馬力もの高出力エンジンを搭載したモンスターマシン「日産 R35型GT-R」と、グランツーリスモシリーズで登場する、「日産 GT-R ニスモ GT3 N24 Schulze Motorsport ’13」の魅力に迫る。
第3世代GT-Rと呼ばれるR35型GT-Rは、スカイラインと切り離されて開発され、日産 R35型GT-Rは、2002年に生産が終了した第2世代GT-R(R34型)の後継車種として2007年に登場。
それまでスカイラインにラインナップされたグレードの1つだったのだが、R35型は初めて独立した車種としてラインナップされ、純粋に速さを求めるピュアスポーツカーとして生まれ変わった。
世界初となる独立型トランスアクスルをはじめ、日産の持つ技術をふんだんに取り入れた意欲的な1台だ。
スカイラインから独立して開発されたR35型GT-R最大の特徴であり強みは、新開発されたパッケージングにある。
前方にエンジン、後方にクラッチやトランスミッションを配置する「プレミアムミッドシップパッケージ」を採用。
前後の重量配分を改善すると共に、リア側にも重量物を配置したことで、4WDの特徴を最大限活かしつつ前後に最適な接地荷重を実現した。
さらに、エンジン後方にトランスミッションがないことで、フロントのエアフロー設計を最適化し強力なダウンフォースを稼ぐことにも成功している。
「プレミアムミッドシップパッケージ」によって、あらゆる環境で安定した高速走行を実現したR35型GT-Rは、スポーツカーとしての性能を最大限高めたマシンに仕上がった。
搭載されるVR38DETT型 3.8L V6 ツインターボエンジンは、現行型のノーマルモデルで570馬力、NISMOモデルで600馬力を発生する高出力エンジンだ。
こういった高出力エンジンは、高い組み立て精度が要求されるため、日産では1基ずつ職人のハンドメイドによって実現。
R35型GT-Rの常識破りのパワーは、熟練工の技術によって支えられている。
デザインも日産のデザイン力を結集して決定。
エクステリアデザインは、日産史上最大規模の社内公募で行われ、世界中に散らばる日産のデザイナー約80名による応募から選ばれた。
一方で、これまで日産が築き上げてきた遺産へのリスペクトを感じられるデザイン要素にも注目したい。
特徴的なのは、スカイラインシリーズではお馴染みの丸型4灯テールを継承したテールライト周りのデザインだ。
ちなみに、内装のマルチファンクションディスプレイの画面デザインは、グランツーリスモシリーズの開発をおこなうポリフォニーデジタルが担当している。
「グランツーリスモSPORT」では、セーフティカーまで入れると実に9車種が登場し、R35型GT-Rが高い人気であることが伺える。
市販されているモデルでは最高峰の“NISMO”ももちろん収録。
中にはラリーカーもラインナップされており、GT-Rのさまざまなバリエーションを楽しめる。
JEGTのレースで主に採用されているGr.3対応のR35型GT-Rは1車種で、「日産 GT-R ニスモ GT3 N24 Schulze Motorsport’13」だ。
Gr.3は実車の世界で言うところのFIA GT3に相当し、R35型GT-Rは、最初にFIA-GT3に適合した国産車である。
日産 GT-R ニスモ GT3 N24 Schulze Motorsport’13は、2012年に登場したGT-R NISMO GT3をベースに、グランツーリスモシリーズのプロデューサー山内一典氏とドイツのプライベートチーム シュルツモータースポーツが協力して開発。
ニュルブルクリンク24時間レースに挑戦すべく、グランツーリスモのシミュレーション技術を用いてセットアップされ、ニュルブルクリンク専用のマシンに仕上げられている。
また、4WDが禁止というGT3のレギュレーション上FR化されたことに加え、運動性能を重視し市販車から300kg以上軽量化され車重はわずか1,300kgだ。(BoPによる変動あり)
「グランツーリスモSPORT」に収録されている2013年式では、リアウィング位置の変更やフロントカナードの装着など、空力バランスの調整も実施。
同じく外観上では、夜間走行を考慮した、補助ライトの増設されている。
「グランツーリスモSPORT」内のデータによれば、日産 GT-R ニスモ GT3 N24 Schulze Motorsport’13は、ブレーキング4.1pt、コーナリング4.0pt、そして、安定性は6.7ptとGr.3のなかでもトップクラス。
最高速こそ6.1ptだが、ストレートスピードは伸びる特性があり、中高速サーキットで力を発揮しやすい。
しかし、コーナー立ち上がりでのトラクションにやや不安があるため、いかにコーナーでのボトムスピードを維持し、スムーズに立ち上がれるかが速く走るポイントだ。
JEGT 2021シリーズ中で多くのドライバーやチームが採用していることからも、日産 GT-R ニスモ GT3 N24 Schulze Motorsport’13の評価の高さがうかがえる。
安定して速く走るために開発されたR35型GT-Rは、ただ速いだけでなく車としてのバランスが完成されている。
極端なことをいうと、誰がドライバーでもどんなシチュエーションでも速く走らせられるのだ。
R35型GT-Rが、どれだけバランスを重視して開発したのかがよくわかる開発エピソードを1つ紹介しよう。
通常のスポーツカー開発では、エンジンを選定(もしくは開発)してから全体のパッケージを設計する。
しかし、R35型GT-Rの開発では、エンジンは最後に決定された。「プレミアムミッドシップパッケージ」による前後の重量配分の設計を何より優先したのだ。
すぐにでも販売店に向かいたくなるほど魅力あふれるR35型GT-Rだが、実車を購入するには、価格のハードルがネックになる人も多いだろう。
エントリーグレードでも、車両本体価格は1,000万円以上。
確かに性能を考えれば妥当かもしれないが、簡単に動かせる金額ではない。
憧れのR35型GT-Rに、今すぐ乗りたくなった人は、ぜひグランツーリスモシリーズでドライブしてみてほしい。
全長×全幅×全高 (mm) | 4,832×2,036×- |
ホイールベース (mm) | 2,817 |
前後トレッド幅(mm) | 1,690 / 1,700 |
車両重量 (kg) | 1,285(BoP前の数値) |
エンジン | VR38DETT |
排気量 (cc) | 3,799 |
最高出力 (PS/rpm) | 550ps以上/6,500rpm |
最大トルク (Nm/rpm) | 65.0kgf・m以上/5,000rpm |
駆動方式 | FR |
前後タイヤ/ホイール | 310 / 710-18 |