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ニュースJEGT2024シリーズも、残すところ東京オートサロン2025でのラウンドファイナルのみとなった。
毎年ドラマの生まれるオフライン大会の最終戦だが、今シーズンはポイントランキング上位6チームが拮抗しており、勝負の行方は例年以上に混迷を極める。
そこで、緊急企画として、現実的にチャンピオン獲得の可能性の高い上位6チームに最終戦に臨む意気込みをアンケート形式で聞いた。
アンケートの回答者は以下のとおり。(Rd.2終了時ポイントランキング順/敬称略)
チーム名 | 回答者 |
#1 Sengoku Gaming | 川上 奏(選手) |
#52 KANTOモータースクール SCARZ | 後藤 優介(選手兼マネージャー) |
#12 KOSHIDO RACING Ⅻ | 山本 英弥(選手) |
#02 EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 浜本 翔(チームマネージャー) |
#8 ARTA | 杉守 翔平(選手) |
#127 eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 菊地 涼介(マネージャー) |
JEGTに限らずF1やスーパーGTなどポイント制のシリーズ戦では、実現性がほとんどなくても「数字上は◯位までチャンピオンの可能性があります」といった表現を使用する。
しかし、今シーズンのJEGTは、「現実的なライン」に絞っても6チームに十分な可能性を残して最終戦を迎えることとなった。
まずは、現時点でのポイントランキングと、過去のJEGTで実際に起った大逆転劇を紹介しよう。
Pos | No. | Team | Total |
---|---|---|---|
1 | 1 | Sengoku Gaming | 52pt |
2 | 52 | KANTOモータースクール SCARZ | 44pt |
3 | 11 | KOSHIDO RACING Ⅻ | 44pt |
4 | 8 | ARTA | 37pt |
5 | 02 | EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 29pt |
6 | 127 | eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 27pt |
7 | 54 | MAZDA SPIRIT RACING with TC CORSE | 19pt |
8 | 523 | 日産サティオ佐賀 | 12pt |
9 | 105 | SPK e-SPORT Racing with TC CORSE | 8pt |
10 | 35 | NISSAN × TRUST RACING | 4pt |
数字上に僅差ということもあるが、オフラインレースという点がチャンピオンシップ争いの行方を予想しにくいものにしている。
そもそもレースにはアクシデントがつきもので、実力以外の部分が結果に影響することは多い。
さらに実際のドライバー交代を伴うオフラインレースとなると、不確定要素の幅が格段に広がる。
実際、JEGT2022シリーズの最終戦では、ポイントランキングトップの#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダ(当時)のピットミスにより、#888 Sengoku Gaming(当時)が大逆転で初優勝を飾った。
#1 Sengoku Gamingは翌2023シリーズでJEGT史上初の2連覇を成し遂げるわけだが、2022シリーズ最終戦で#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダがミスをしなければ達成されてなかったかも知れない。
今シーズンも、東京オートサロン2025でオフライン大会として開催される最終戦。
当日の展開次第では、さらに下位のチームにチャンスが生まれる可能性も決して否定できない。
まずは、今シーズンここまでの戦いを振り返ってもらった。
印象的だったのは、どのチームも冷静に現状を把握していることだ。
良かった点だけでなく反省点もみえており、各チームは万全の体制で最終戦に臨むだろう。
チームごとにカラーの異なる、ここまでの振り返りをみていこう。
Rd.1、2ともに予選で上位を取り、レースでも安定してポイントを重ねることができたという点でここまでは想定通りです。
欲をいえば、Rd.1の決勝レースで優勝、Rd.2でも総合優勝ができれば100点満点でした。
全体的なペースをさらに上げたいという点です。
トップリーグに出ている以上、絶対的なスピードが必要だと感じています。
スタッフも含め、各々が責任を持って役割を果たしています。
また、各自の得意・不得意も考えながらうまく担当を割り振れている点も、今のランキングにつながっていると思います。
各自がベストを尽くしていることから「全員」と書きたいところですが、”あえて”ということで副監督の堤口 直斗選手を挙げます。
チームの母体であるクラブで子供達を指導する傍ら、副監督として練習を積極的にリードしてくれています。
チーム全体が足並みを揃えて同じ方向を向くために、欠かせない存在です。
ライバルチームやラウンドファイナルへの展望を聞いた項目では、どのチームも言葉の端々に闘志がみなぎっていた。
そして、オフライン開催される最終戦では、メンバーが集合する貴重な機会と捉えているチームも少なくない。
決起集会を開いて普段会わないメンバー間の親ぼくを深めつつ、士気を高めるチームもあるようだ。
大混戦のなかで迎えるラウンドファイナルに向けて、各チームがどのような準備をしているのかみていこう。
#52 KANTOモータースクール SCARZです。
同じプロeスポーツチームですし、チャンピオン争いをするうえでも絶対に負けられないチームです。
#1 Sengoku Gaming様です。
同じ車を使用している#8 ARTAです。
#52 KANTOモータースクール SCARZです。
同じ神奈川県を本拠地とするチームとして負けたくないと、いつも意識しています。
同じNSXを使う、#12 KOSHIDO RACING Ⅻさんです。
正直なところ、特定のチームを意識するだけの余裕がありませんでした。
自チームのパフォーマンスを上げることに全ての余裕が持ってかれてしまっていたというのが本音です。
基本的には、オンラインで一緒に練習しています。
今回も天候が変わるとのことなので、さまざまなコンディションを試しながら戦略を決める予定です。
また、大会前日には毎年、スタッフも含めたチームメンバーで夕食を食べるので、今シーズンも食事会をしたいと思っています。
個々の能力は、どのチームにも劣らないと思っています。
レギュレーションが発表され次第、コースやクルマ、レース展開に対するアジャストをチームで話し合いながら進めていきます。
当日と同一の機材で、天候の読みも含めて練習をします。
また、社長・スタッフ・11号車メンバー含めた前日の決起集会でチームワークを高めます!(予定)
前日も含めて全員が集まる機会が無いため、オンラインでの練習を開催直前は毎晩行う予定です。
ファイナルも天候が変わるという事なので、全てのコンディションに対応できるように徹底的に走りこみます。
各ドライバーの居住地が散らばっているため、これまで通りオンラインでの練習を積み重ねていきます。
思いつく限りのシミュレーションを、納得いくまで突き詰める予定です。
ファイナルラウンドの前夜は、チームで集まっての食事会を考えています。
先行逃げ切り作戦が、今考えている理想です。
また、走りだけではなく、ドライバー交代もポイントだと思っています。
予選アタッカーを、佐々木 拓眞選手に変えて挑みます!
泥臭く戦いますよ〜!
鈴木選手がスーパーラップの上位を獲得。
山中選手が経験を活かしたオーバーテイクでトップに出て、鷲尾選手、森本選手がそのポジションをキープする。
山中選手以降は、昨年度最終戦で勝利したパターンを目指します。
全員全力疾走です!
詳しいところはいえませんが、「正解がわからなくなった時の引き出しを可能な限り増やしておく」というのが、最終戦に向けた戦略の核になると考えています。
ラウンドファイナルでの優勝、かつ3連覇に向けて全力を尽くします!
応援のほどよろしくお願いします!
熱いレースをお見逃しなく!
SCARZが日本一速いeモータースポーツチームということを、JEGTの場をお借りして世間に知ってもらいます!
チーム史上1番良いシーズンを送れていると思いますし、我々なりに全力で取り組めば自ずと結果はついてくると信じています。
12号車にご注目ください!頑張ります!
ここまで上位争いに食い込めていませんが、チームのポテンシャルはこんなものではありません。
昨シーズンの最終戦で優勝したように、慣れない環境と、注目を浴びるオフラインのステージでこそ本領を発揮します。
今年もオートサロンのステージで一番輝くのは、EVANGELION e-RACING × ウエインズトヨタ神奈川です!
応援よろしくお願いします!
今年こそシリーズチャンピオンを取ります!
新体制発足時に掲げた目標まで、あと僅かというところまでたどり着くことができました。ここまでこれたのが実力なのか運なのかはまだ分かりませんが、皆様の応援のお陰であるということは紛れもない事実です。
これまでと同様、やり残しや心残りがない状態で本番を迎えたいと思います。
最後まで引き続き、応援をよろしくお願いします。
今回アンケートを実施した6チームは、是が非でもチャンピオン獲得を狙いたいところだろう。
互いをライバル視する回答内容からも、各チームが強く意識し合っているはずだ。
一方で、チャンピオンシップ争いの行方を握るのは、上位チームだけとは限らない。
ポイント差が僅差のため、展開によっては残り4チームの結果が影響する可能性もある。
チャンピオン獲得に数字上の可能性が残るチームはもちろん、入れ替え戦を避けるために1つでも上のポジションを必死で狙ってくるはずだ。
ポイントランキングの数字だけで上位チームのみを紹介したが、最高峰のトップリーグだけあって実力は拮抗している。
ファイナルラウンドでは、各ポジションで激しいバトルが展開されそうだ。
史上最大規模で開催されたJEGT2024シリーズのラウンドファイナルは、東京オートサロン2025の特設会場でオフライン開催される。
威信をかけて戦う各チームの勇姿を、ぜひ生でご覧いただきたい。
また、いつもどおりJEGT公式YouTubeチャンネルで生中継もされるため、会場に来られない方は自宅でも最終戦の模様を楽しめる。
Text:渡邉 篤
■【レースレポート】JEGT2024シリーズ開幕戦は初陣の#52 KANTOモータースクール SCARZが優勝