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ニュースグランツーリスモ7は、2024年10月3日にバージョン1.52へのアップデートを実施した。
アップデートに含まれていた追加3車種のうち、異彩を放っていたのがトヨタ ハイエースだ。
スポーツカーやレースとは対極にある車種だが、クルマ好きのなかではこだわる人も多い。
JEGTの解説でおなじみの谷口信輝氏も所有する、ハイエースの歴史と魅力を詳しく紹介しよう。
大人数でも乗れる広い車内空間に積み下ろしのしやすい大きな開口部、シンプルな内装(一部グレード除く)と、実用性を追求したハイエースはまさに質実剛健を地でいく車種だ。
一方で、ホイールやエアロパーツといった外装や、インテリアのカスタマイズにこだわるファンも少なくない。
単なる実用車ではなく、今やクルマとして多くのひとに愛されているハイエースの歴史と魅力をみていこう。
1967年に初代が発売されたハイエースは、50年以上も実用車として現場の絶大な支持を集めている車種だ。
エンジン上に運転席(キャブ)がある、キャビンオーバーレイアウトにスライドドアという基本的な構造は初代からまったく変わっていない。
荷物の積み下ろしのしやすさや用途に応じたシートレイアウトといった実用性を重視した設計から、さまざまな現場仕事で重宝されている。
現在販売されているモデルは200系と呼ばれる5代目で、2004年発売からすでに20年が経過。
毎年のように一部改良は施されているものの、1つのモデルが20年も販売されていることはニーズが多様化する現代では驚異的なことだ。
モデルライフが長いことからも、ハイエースが実用車として完成の域に達していることがわかる。
実用車という性格上カスタマイズとは無縁に思われるハイエースだが、実は個性的な改造を楽しむユーザーも少なくない。
シンプルに作られている分、無地のキャンバスのようにユーザーの個性を発揮しやすいということだろう。
谷口信輝氏も、スタッフに「走る応接室」と称されるほどの豪華なカスタマイズを施したハイエースを所有している。
外観面では、ブリスターフェンダーとツライチに装着された社外ホイールが他車とは圧倒的に異なる存在感を放つ。
さらに、ボンネットやエアロパーツ、テールランプやドアミラーに至るまで社外品を装備という徹底ぶりだ。
そして、圧巻なのがインテリアの質感を含めた車内空間。
本来10人乗りのグランドキャビン(ハイエースの最上位グレード)の乗車定員を4名に変更し、ラゲッジスペースも含めた後席部分を快適な空間に変更している。
ドライバーがゆっくりと休む場所を確保できないサーキットもあるため、控室としても使えるようにしているそうだ。
谷口氏の輝かしい実績は、ハイエースでリラックスして高められた集中力によるものかもしれない。
グランツーリスモ7にはハイエースをベース車両とする、救急車「トヨタ救急車 ハイメディック ’21」がすでに以前のアップデートで追加されていた。
今回2024年10月3日のアップデートで追加されたのは、オリジナルの「ハイエース Van DX ’16」だ。
グランツーリスモ7のハイエースも、実車と同じようにカスタマイズを楽しめる。
カスタマイズポイントを詳しくみていこう。
>>グランツーリスモ7でのスタイリングのカスタマイズ項目についてはコチラ
今回追加されたハイエースは、現在日本国内で販売されている5代目の2016年モデルだ。
グレードはDXというエントリーモデルで、谷口氏のグランドキャビンよりも全高、全長ともにひと回り小さい。
しかし、ホイールやエアロ類、足回りのカスタマイズはグランツーリスモに登場する他車種と同様におこなえるため、実車と同様に個性的なスタイリングに仕上げられる。
グランツーリスモ7でカスタマイズするからには、やはり走行性能は外せない。
ハイエースでも、フルカスタマイズコンピュータやターボを導入してパワーアップできる。
実車だと数百万円クラスのチューニングを簡単に楽しめる点は、バーチャルであるグランツーリスモならではのメリットといえるだろう。
オリジナルエンジンのチューンアップだけでも、500psをゆうに超える出力を叩き出せる。
さらに、実車ではシボレー コルベットに搭載されていたLS7型エンジン(グランツーリスモ7上ではドリフト仕様のBRZに搭載)にスワップをすれば、1,000psオーバーというモンスターマシンに仕上げることも可能だ。
ハイエース自体は、決してレースに向いている車種とはいえない。
しかし、好みのパーツを装着したり、街で見かける企業のロゴを入れてみたりと楽しみ方は無限大だ。
また、レースとしても、ハイエースばかりを集めてサーキットを走るのも楽しいだろう。
さらに、グランツーリスモ7には、ハイエースベースの救急車や同じバンタイプのアルファード、フォルクスワーゲンのサンバーバスも収録されている。
現実世界ではありえないバンタイプだけでのレースなら、リプレイも含めて存分に楽しめるはずだ。
レーシングカーでのタイムアタックに疲れたら、ハイエースで遊んでみるのも気分手感になるのではないだろうか。
Text: 渡邉 篤
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