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ニュースグランツーリスモ7を使用した国内最大規模のリーグ戦を開催するJEGTは、2024年シーズンの開幕に先立ってドラフト会議をおこなった。
今季から新たにチャレンジリーグを設けたこともあり、参加チーム数、指名選手数ともに史上最大規模で開催。
ますます厳しい戦いが予想されるため、新戦力の補強はチームにとって重要な戦略の1つだ。
緊張のなか実施された、JEGT2024年ドラフト会議の模様をお伝えしよう。
プロ野球をはじめとする他のプロスポーツと同様に、JEGTは毎年ドラフト会議を開催している。
一部のチームに戦力が集中してしまうことを防ぎ、チーム間の競争を生むためだ。
また、eモータースポーツは成長過程にあるため、より多くの選手に出場機会を与える目的もある。
まずは、JEGTのドラフト会議のルールと流れを紹介しよう。
トップリーグと今年からスタートするチャレンジリーグの各10チームには、最低1名以上の指名が義務付けられている。
一方で、企業対抗戦の参加チームは、ドラフト会議自体への出席義務はない。
ただし、ドラフト会議に出席した場合には、トップリーグと同様に1名以上の指名義務が課される。
トップリーグに参加する選手が固定化されてしまうと、毎年同じチームが優勝するといったことになりかねない。
また、JEGTをご覧いただくファンの方にとっても、同じチーム、選手同士の戦いばかりでは新鮮味が失われてしまう。
ドラフト会議で毎年必ず1名以上の選手が新たにチームに加わることで、リーグとしてのレベルの維持とさらなる魅力の向上を目指している。
JEGTのドラフト会議は、不公平が生じないよう細かくルールが定められている。
基本的な流れは、各エントラントの代表者がJEGTの運営のみに宛てたチャットで希望選手を指名。
競合した場合には、画面共有で抽選をおこなう。
抽選で外れた場合は再度指名をおこない、全エントラントの指名が確定したら2巡目以降の指名に移る。
指名するエントラントも選手も緊張する、日本のプロ野球と同じ形式だ。
なお、トップリーグ、チャレンジリーグ、企業対抗戦(ドラフト参加希望チームのみ)のすべてが同時にドラフト会議に参加するが、1巡目の指名はトップリーグのみに限られている。
国内最高峰を誇るJEGTのレベルを維持するために、トップリーグには優先的に指名権が与えられている形だ。
2024年9月13日にオンライン形式で開催されたドラフト会議には、3リーグ制になったことから合計27チームが参加。
総勢33名という指名選手数も含めて、昨年を上回るJEGT史上最大規模となった。
複数の指名競合も起こり、大いに盛り上がったドラフト会議の模様と結果一覧を紹介しよう。
なお、ドラフト会議でエントラントが獲得するのは優先交渉権のため、現時点で指名選手の加入が決定しているわけでない。
トップリーグのみが指名できる1巡目では、2名の選手で競合が発生。
特に辻村 亮介選手には3チームが競合し、注目の高さをうかがわせた。
抽選の結果、辻村選手はARTA、2チームが競合した高橋選手はKANTOモータースクールSCARZが指名権を獲得した。
さらに、第1希望の抽選に漏れたKOSHIDO RACINGとeM福岡 エンタテ!区 LEGENDSは、第2希望でも鎌田 智暉選手の指名で競合。
再度の抽選の結果、KOSHIDO RACINGが指名権を獲得した。
1巡目の指名をトップリーグが終え、チャレンジリーグ、企業対抗戦の参加チームも加えての2巡目がスタート。
なお、トップリーグからは、KANTOモータースクール SCARZのみが2巡目に参加した。
2巡目の指名でも、菊池 快選手と岩見 瞭太朗選手にそれぞれ2チームが競合。
トップリーグのKANTOモータースクール SCARZも指名した菊池選手は、抽選の結果チャレンジリーグのDRPPが指名権を獲得した。
チーム名 | 1巡目 |
Sengoku Gaming | 太田 健 (おおた けん) |
MAZDA SPIRIT RACING with TC CORSE | 草野 貴哉 (くさの たかや) |
EVANGELION e-RACING×ウエインズトヨタ神奈川 | 加藤 陸 (かとう りく) |
SPK e-SPORT Racing with TC CORSE | 佐藤 真太朗 (さとうしんたろう) |
KOSHIDO RACING Ⅻ | 鎌田 智暉 (かまた ともき) |
ARTA | 辻村 亮介 (つじむら りょうすけ) |
NISSAN×TRUST RACING | 角間 光起 (かくま こうき) |
eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 大原 悠暉 (おおはら ゆうき) |
KANTOモータースクールSCARZ | 高橋 拓也 (たかはし たくや) |
日産サティオ佐賀 | 荒木 祐樹 (あらきゆうき) |
チーム名 | 2巡目 | 3巡目 | 4巡目 |
ZIMA RACERS | 松山 雄大 (まつやま ゆうた) |
高浪 翔 (たかなみ かける) |
辻 竜彦 (つじ たつひこ) |
KOSHIDO RACING Ⅺ | 岩見 瞭太朗 (いわみ りょうたろう) |
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WEINS CLUB TEAM | 深川 英寿 (ふかがわ ひでとし) |
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i EU KOH Racing | 岡田 衛 (おかだ まもる) |
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DRPP | 菊池 快 (きくち かい) |
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GracesBlaze | 石井 大雅 (いしい たいが) |
藤田 龍馬 (ふじた りょうま) |
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広島 TEAM iXA | 松坂 康永 (まつざか こうえい) |
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VERSUS e-motorsports team | 谷藤 亮 (たにふじ りょう) |
坂原 優太 (さかはら ゆうた) |
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465Garage | 大根 祐哉 (おおね ゆうや) |
清水 裕生 (しみず ひろき) |
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WEINS MOTORSPORTS TEAM TaG | 甲斐 陽翔 (かい はると) |
※企業対抗戦のチーム名は、ドラフト会議に参加した7チームのみを記載。
チーム名 | 2巡目 | 3巡目 |
team G-7AUTOSERVICE | 原 俊司 (はら たかし) |
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ニノンeモータースポーツ新潟 | 森下 結友 (もりした ゆいと) |
井関 優心 (いせき ゆうと) |
TEAM SATIO SAGA | 福永 龍我 (ふくなが りゅうが) |
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Mazda E&T e-MS:B | 井上 貴正 (いのうえ たかまさ) |
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Mazda E&T e-MS:C | 福島 涼太 (ふくしま りょうた) |
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TECHNO eRACING | 前林 勇輝 (まえばやし ゆうき) |
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Laseek | 岡村 拓海 (おかむら たくみ) |
渡邉 勇輔 (わたなべ ゆうすけ) |
複数の競合が発生するなど、各エントラントの思惑がぶつかったドラフト会議。
しかし、各チームの編成は、ドラフトの指名選手だけで決まるわけではない。
すでにX上で公表されている情報もあるが、チーム間での選手の移籍もシーズンの行方に大きく影響する。
従来のトップリーグと企業対抗戦に加えて、新たにチャレンジリーグが創設されたJEGT。
参加チーム数は合計42チーム(トップリーグ・チャレンジリーグ:10チーム、企業対抗戦:22チーム)にも及ぶため、大幅な体制変更も予想される。
今回新加入した選手たちが活躍する姿が見られるJEGT2024シリーズは、いよいよ2024年11月9日(土)に開幕。
3リーグ制という大きな変革を迎える今季、各チームの陣容も含めてぜひ注目していただきたい。
開幕戦も含め、シリーズの全試合はJEGT公式YouTubeチャンネルで生放送される予定だ。
昨年までのシリーズ戦の模様や、スピンオフレース、沢すみれさんによる特別企画もアップされているため、ぜひチャンネル登録をして開幕に備えよう。
Text: 渡邉 篤
■eモータースポーツの大会として国内最大規模にまで成長したJEGTの歴史を振り返る 〜前編〜
■国内最大のグランツーリスモの大会にまで成長したJEGTの歴史を振り返る 〜後編〜