グランツーリスモ7公式戦GTWS東京大会でJEGT認定ドライバーが躍動！

東京オートサロン2024での川上 奏選手

グランツーリスモ7としては初、シリーズ全体を通じても久々の日本開催となったグランツーリスモ ワールドシリーズ ラウンド3。
2024年9月28日に東京都新宿の「THEATER MILANO-Za」で、満員の観客を集めて盛大に開催された。

日本開催ということで、マニュファクチャラーズカップを中心に多くの日本人選手が出場。
JEGT認定ドライバーの活躍も目立った、GTWSラウンド3 東京大会の模様を詳しくお伝えしよう。

JEGT選手が表彰台を独占したマニュファクチャラーズカップ

レクサスから出場した川上 奏選手のピットストップ

マニュファクチャラーズカップは3名1組のチーム戦で、ラウンド1～3は各チーム1名の選手のみが出走する。
今回は東京開催ということもあり、12チーム中10チームが日本人ドライバーというラインナップ。
また、JEGT認定ドライバーは8名にものぼった。
JEGTシリーズ戦のような様相を呈した、マニュファクチャラーズカップの模様をお伝えしよう。

＞＞グランツーリスモ・ワールドシリーズ東京大会について詳しくはコチラ

熾烈な予選でポールポジションは川上選手が獲得

まずは、決勝レースのグリッド順を決める、予選タイムアタックがおこなわれた。
アタックできるのは1ラップのみという、いわゆるスーパーラップ方式で、JEGTの予選でも採用されている方式だ。

予選3番目でアタックをした宮園 拓真選手（スバル）が、2分台を切る1分59秒612でトップタイムを記録。

山中 智瑛選手（トヨタ）も、同じく2分台を切る1分59秒906で続いた。

その後、ブラジルのボネリ選手（AMG）らが、1分59秒台を出すものの宮園選手のトップタイムには及ばず。
しかし、予選11番目に出走した川上 奏選手（レクサス）が0.133上回る1分59秒479を叩き出し、ポールポジションを獲得した。

完璧なピット戦略でポールトゥウィン

グランドファイナル（決勝レース）は、選手が1人ずつの名前を呼び上げて格闘技のように入場。

東京開催なので当然ではあるものの、「世界戦」という位置付けの大会でこれだけの日本人選手が揃うのは誇らしい。

日本国歌「君が代」が流れ、会場全体が厳粛な雰囲気に包まれるなかレースはスタートを迎えた。

スタート時の各チームのタイヤ選択は、ポールポジションの川上選手はソフト、2番手の宮園選手を筆頭に多くのチームがハードを選択。
一方で、ミディアムを選択したのは、鍋谷 奏輝選手（ホンダ）、山中選手、佐藤 真太朗選手（アウディ）の3名だった。

序盤は、ソフトタイヤを選択した川上選手が後続を引き離して独走。

ハードタイヤスタートの宮園選手と鈴木聖弥選手は3ラップ目という早めのピット戦略をとり、レースが動き始める。
各チームのピット戦略が異なることから、コース上の順位は激しく変動。
しかし、全チームが最後のピット作業を終えた段階でトップに立っていたのは、ポールスタートの川上選手。
後方から宮園選手が必死に追い上げたものの、川上選手がポジションを守りきり見事なポールトゥウィンを決めた。
唯一のソフトタイヤスタートで逃げ切りを図った作戦が見事に的中し、終始前方がクリアな状態をキープし続けたことが勝因だろう。

後続では、4位を走行していた鈴木選手（BMW）が、先行する国分選手（マツダ）を2コーナーアウト側からオーバーテイク。
最終盤20ラップ目でみせた見事なテクニックで、3位表彰台を掴んだ。

W”タクマ”の活躍が光ったネイションズカップ

フィニッシュライン直前のデッドヒート

各国を代表する12名の選手で争われるネイションズカップには、宮園“拓真”選手と佐々木“拓眞”選手という2人の“タクマ”が出場。
いずれもJEGT認定ドライバーということで、世界を舞台にどう戦うのか注目が集まる。

2人の日本人選手が見せ場を作ってくれた、ネイションズカップの模様をみていこう。

予選スプリントレースは白熱のデッドヒート

ネイションズカップの予選は、東京エクスプレスウェイでスプリントレースとしておこなわれた。
あくまでも架空のサーキットという位置づけだが、東京開催ということで臨場感あふれる心にくいコース選定だ。
レースの使用マシンは、主催側が用意した1000馬力前後にチューニングされた市販車。
日本人選手は、タイムトライアルトップの宮園選手はガヤルド、2番手の佐々木選手はアウディを選択した。

レースは、10周のスプリントレースということもあって、スタート直後から激しいバトルが繰り広げられた。
スタート直後には、2番手の佐々木選手がスリップストリームから1度はトップに立つものの、1コーナーで再度宮園選手がトップを奪い返すという白熱した展開。
東京エクスプレスウェイ特有の2kmにも及ぶストレートを利用したスリップストリーム合戦で、周回ごとに順位が変動する。

激しいレース展開のなかトップを守り続けていた宮園選手だったが、ファイナルラップのホームストレートでガッロ選手（イタリア）にポジションを奪われてしまう。
しかし、レースの最後にドラマが待っていた。
ガッロ選手と0.5秒ほどのタイム差を維持し続けた宮園選手は、最終コーナーで立ち上がり重視のラインから猛追してフィニッシュライン直前で逆転。
わずか0.003秒差という僅差で、ポールポジションを獲得した。

一方、後続の追い上げに苦しんでいた佐々木選手だったが、混戦を制して3番手フィニッシュ。

大混戦のなか宮園選手が3位表彰台を獲得

グランドファイナル（決勝レース）は、オリジナルコースのグランバレー・ハイウェイ 1でおこなわれた。
予選スプリントレースを制した宮園選手がポールポジション、佐々木選手は3番手スタート。

レース序盤は、4ラップ目に3番手スタートの佐々木選手がガッロ選手のオーバーテイクに成功して2番手へのポジションアップを果たす。
一方、ソフトタイヤスタートの宮園選手は、戦略通り後続を引き離してマージンを築き上げていく展開。
しかし、後続との差が5秒以上に開いた6ラップ目、壁接触という痛恨のミスで1秒ペナルティを課せられてしまう。
ペナルティはバックストレート区間の減速で消化するため、再加速を考えると2秒近いロス。
実際にタイミングモニターを確認すると、最大で5.3秒まで開いた2番手との差が、3.5秒台にまで縮まっていた。

ピットストップによる見かけ上の順位変動はあったものの、宮園選手は常にトップをキープ。
2度目のピット作業を終えてあとはコース上でのバトルとなった24周目、ついにレースが動く。
ハードタイヤの宮園選手に対して、ソフトタイヤのドルーモン選手（フランス）が猛追からオーバーテイク。
トップのポジションを明け渡してしまう。
さらに後続のセラーノ選手（スペイン）にもポジションを奪われ、宮園選手は最終的に3位フィニッシュ。
スタートからポジションを落としたものの、最後まで粘り強く走りきった佐々木選手が4位に続いた。

なお、宮園選手のトップとのタイム差はわずか1.8秒弱。
レースに“たられば”は禁物だが、タイム差だけをみると序盤のペナルティが最終順位にそのまま影響したといえるだろう。

JEGTの開幕を経てのワールドファイナルに期待

JEGT2023シリーズでチャンピオンを獲得した#1 Sengoku Gaming

グランツーリスモ・ワールドシリーズを締めくくる最終戦、ワールドファイナルは12月6～8日の日程でオランダのアムステルダムで開催される。
日本人選手が多く出場するマニュファクチャラーズカップとともに、トップとわずか1pt差でネイションズカップチャンピオンの期待が高まる宮園選手にも注目したい。
そして、世界一を決めるワールドファイナル開催前にぜひ見ておきたいのが、2024年11月9日に開幕するJEGT2024だ。

マニュファクチャラーズカップのレポートを読んでいただければおわかりいただけると思うが、登場する選手名だけをみるとJEGTのレースレポートとほとんど変わらない。
つまり、JEGTのシリーズ戦は、世界レベルの戦いと言っても過言ではないだろう。

ワールドシリーズ東京大会で圧倒的な存在感をみせつけた選手たちが、今度は国内最高峰のJEGTでどんな戦いをみせてくれるのか期待したい。
JEGTのレースは、公式Youtubeチャンネル（https://www.youtube.com/@JEGT_GP_Official）で生中継される。（※詳細な配信スケジュールは未定）

チャンネル登録をして、今回のワールドシリーズにも劣らない興奮をぜひ味わっていただきたい。

Text： 渡邉　篤

マニュファクチャラーズカップを制した川上選手所属チームが優勝したJEGTラウンドファイナル

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