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ニュースグランツーリスモの各マシンには、総合的な性能を示すパフォーマンスポイント(以下PP)という指標がある。
数値が高いほど高性能ということなのだが、レースによっては上限値が決められているため注意が必要だ。
そこで今回は、上限PPに合わせてチューニングをする際に設定を詰めていくコツをご紹介しよう。
ただし、人によってアプローチは異なるため、最終的には自分がしっくりくる調整方法を見つけてほしい。
PPを意識してチューニングを始める前に、大きな方向性を検討しておくと細かな調整をしやすくなる。
いきなり個別の項目を変更すると、最適解をみつけにくくなってしまうためだ。
まずは、大まかな方向性を決める際に、検討すべきポイントをお伝えしよう。
グランツーリスモ7には、架空のものも含めて世界中のさまざまなサーキットが収録されている。
サーキットによって求められる車両特性が異なるため、コースの特徴を掴んでおくことが大切だ。
例えば、全開区間の長さやコーナーの数や形状によって、クルマの作り方が変わってくる。
また、車種ごとの特性や長所、短所も考慮しておきたいポイントだ。
ストレートスピードが伸びるのか、旋回性能が高いのかといった形でマシンごとに得意分野は異なる。
いくらチューニングを突き詰めても、本来の特性を劇的に変えることはできない。
コースとマシンの特徴を把握することで、チューニングの方向性が決まってくるはずだ。
PPの制限が無ければ、単純にすべての性能を最大化するチューニングをすれば良い。
しかし、PPの上限に合わせてチューニングをする際は、ある程度の妥協も必要だ。
制限のなかでのチューニングをしていく際の考え方として、大きく2つの方向性がある。
1つは、マシンやコース特性にマッチする、いわゆる長所となる性能を最大化する方向だ。
苦手とする部分はある程度切り捨て、得意な部分を伸ばすことでライバルと差をつける。
もう1つの方向性は、ウィークポイントをできるだけ補って総合力で勝負できるマシンを作ることだ。
ライバルとの差を埋めることで、隙のないレース展開に持ち込める。
もちろん、どちらかに完全に偏ったチューニングにならないことのほうが多いが、大まかな方向性を決めておくことで変更すべきポイントの目安をつけやすくなるだろう。
チューニングの手順については実際のところ十人十色だが、グランツーリスモやクルマの知識があまりない初心者の場合、どこから手を付けていいのか迷うかもしれない。
そこで、どういった順番でチューニングを詰めていくのか、1つのアプローチ法を紹介しよう。
ただし、紹介する手順は、いくつかある方法論の1つとして参考程度にしていただきたい。
まずは、PP制限に縛られず、可能な限りすべてのパーツを装着して最大限のマシンパワーを引き出そう。
ただし、ワイドボディや軽量化など、不可逆的なチューニングはある程度セッティングとPPの目処が立ってからおこなったほうが良い。
最大限スピードが出る状態でコースを走ってみると、コーナリング時の挙動が気になるはずだ。
次に、足回りのセッティングを詰めていく。
コーナリング時に思ったよりも外側に行くのか、内側に巻き込むのかをまずは見極める。
できるだけ思い通りにマシンが動く方向に、足回りのセッティングを変えていく。
足回りのセッティングについては、以前公開した以下の記事を参考にしていただきたい。
>>グランツーリスモ初心者必見!楽しさと速さに繋がるサスペンションセッティングのコツ
>>グランツーリスモ初心者必見! 固有振動数と減衰力の役割と車高も含めたセッティングのコツ
ある程度乗りやすいセッティングが決まったら、次にコース全体を走ってみてマシン性能が活かされているかを確認する作業に移る。
例えば、パワー最大でギア比上の最高速度が300km/hなのに、最長のストレートで200km/hまでしか加速できないのであれば100km/h分のパワーが無駄ということだ。
ほかにも、コーナー出口でアクセルを思い切って踏み込めない場合は、足回りのセッティングもあるがトルクが出すぎている可能性もある。
コースを攻略するうえでオーバースペックになっている部分の性能を落とすことで、規定のPPに近づけていく。
>>グランツーリスモ初心者のためのターボ講座! 過給器全般の仕組みからセッティングのポイントまで詳しく解説
最終的に規定のPPに合わせる際は、コース攻略への影響の少ないパーツから削っていこう。
例えば、レーシングクラッチはノーマルクラッチよりもレスポンスが良く、加速時のラグが少なく走りやすい。
しかし、コース1周のタイムということになると、ほとんどのケースでそれほど大きくは影響しないはずだ。
ほかにも、ブレーキやエアクリーナー、アンチラグシステムといった周辺パーツや走らせ方でカバーできるパーツからグレードを落として試してみよう。
どうしても狙ったPPに収まらない場合は、タイムに影響しないギリギリまでエンジン出力を絞るしかない。
パワーを絞った場合は加速力も低下するため、ギア比を調整して少しでも影響を小さくしておくことが大切だ。
ただし、レースではコンマ1秒を争うため、エンジン出力を絞るのは最終手段にしておこう。
>>グランツーリスモ7初心者のためのクラッチとブレーキ講座! 基本的な仕組みと性能アップのポイントまで詳しく解説
マシンのセッティングを煮詰める際は、変更を加えたら実際に走ってみることが重要だ。
いくら数値上でスペックが上がっても、または逆に下がってもタイムに影響するとは限らない。
最終的にはドライバーのフィーリングといった部分も大きく影響するため、ほんのわずかな変更でも納得がいくまで走り込もう。
また、何度も走行することで、そもそもコースの攻略も進む。
より効率の良い走り方を見つけることで、マシンセッティングの方向性がはっきりすることもあるだろう。
実車でセッティングを変えながら走行テストをするのは、そもそも現実的ではない。
しかし、バーチャルのグランツーリスモ7だからこそ、時間の許す限り突き詰められる。
一度突き詰めてセッティングをすれば、クルマの挙動や走らせ方への理解も深まるはずだ。
最初の取っ掛かりは難しいかもしれないが、ぜひオリジナルのマシンセッティングに挑戦してみてほしい。
Text:渡邉 篤
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