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2023年に公開された、映画「グランツーリスモ」に、JEGT認定ドライバーの山中 智瑛選手が日本語吹替で出演しているのはご存知だろうか?映画ではヤン・マーデンボロー選手がeモータースポーツの枠を飛び出すというストーリーだが、活躍の場を広げたという意味では吹替に挑戦した山中選手も同様といえる。
そこで今回は、吹替に初挑戦した山中選手に、アンケートという形で改めて当時の感想や裏話を聞いてみた。
ファンの方へのメッセージも寄せてくれたので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
映画「グランツーリスモ」は、eモータースポーツという限られた世界が題材で、決して万人受けするテーマとはいえない。
しかし、映画専門の口コミサイトでの評価は比較的高く、現在でも感想の投稿が寄せられている。
公開終了から日数が経っていることもあるため、まずは映画「グランツーリスモ」の概要を簡単に振り返ってみよう。
本作のストーリー自体は、主人公がただのゲームプレイヤーからレーサーになるというシンプルなサクセスストーリーだ。
しかも驚くべきことに、ストーリーも主人公も「ヤン・マーデンボロー」という実在の人物をモデルに描かれている。
映画ということで多少は脚色されている部分もあるが、実話のうえに構築された展開には芯がとおっていて心に響く。
ネタばれになるため詳細は伏せておくが、サクセスストーリーとしての爽快感だけでなく、実際にあった挫折や葛藤がしっかりと描かれていることもこの映画の魅力だ。
題材としてはゲームという「バーチャル世界」だが、ストーリー自体は実話に基づいた「リアル」だからこそ、見ごたえのある映画に仕上がっている。
主人公として描かれているヤン・マーデンボロー選手は、JEGTの記念すべき初開催大会「ラウンド・ゼロ」に招待選手として参加。
また、ヤン・マーデンボロー選手はリアルレーサーとして、スーパーGTなどの日本のレースでも活躍している。
日本と、そしてJEGTとも関わりの深いヤン・マーデンボロー選手について、ぜひ映画を通じて深く知ってほしい。
JEGT認定ドライバーとしても活躍する山中選手に、改めて吹替を担当した当時を振り返ってもらった。
意外だったのは、吹替の収録はほぼぶっつけ本番だったことだ。
演技経験のないなかでもしっかりとこなすあたりは、eモータースポーツで培った集中力があればこそなのだろうか。
収録時の模様も含めて、山中選手からの回答を一挙に公開しよう。
私でいいのですか!?というのが正直な気持ちです。
吹替は未知の世界で作品には沢山の人が携わられているので、「私が関わっていいのか?」と最初は恐縮しました。
演技の経験はありません。強いて言うなら幼稚園のお遊戯会くらい(笑)
当日は主役のヤン・マーデンボロー役の松岡禎丞さんもいらっしゃり、松岡さんの収録風景も見学させていただきながら吹替をさせていただきました。
最初は緊張していて全然上手くいかなかったのですが、三間監督からも細かく演技指導もしていただいて、途中からは普段参加するグランツーリスモの大会と同じように自然に演技ができたんじゃないかなと思っています。
実はぶっつけ本番でした(笑)
当日スタジオに入ってからセリフの確認をさせていただき、まずはセリフを覚えるだけで精一杯。
ただ、いただいた役を考えると、バーチャルもリアルも知っている人間ではないと務まらないのかな?と考えて、GTアカデミーの動画や実際に参加したことのある日本人選手に現場での話を聞いてイメージを膨らませてはいました。
映画でのキャラクター像は当然決まっているなかで、感情を乗せて演技をするのは難しかったです。
さらに、吹替ということはすでに映像はできあがっているので、話すタイミングや長さは決まっています。適切なタイミングかつ的確なスピードで映像に言葉を乗せていくのも大変でした。
悪役です!できるかは分かりません(笑)
自分の声がスクリーン越しに聞こえてきたり、エンディングで自分の名前を見つけたりしたときは、「改めてこの映画に関わらせていただいたんだな…」と改めて実感が湧きました。
「実話」を基にしたストーリーということを、ぜひ知ってからご覧いただきたいです。映画を見た後でさえ、「実話なの!?」って思う方は多いと思います。
夢の可能性は無限大。
ヤンは皆さんに沢山の大切なことを教えてくれると思います。
映画「グランツーリスモ」で描かれるのは、グランツーリスモプレイヤーだったヤン・マーデンボロー選手がリアルレースで夢を叶える姿。
eモータースポーツからリアルレーサーという道は、ヤン・マーデンボロー選手の活躍をきっかけに、スーパーGTに出場する冨林 勇佑選手や小林 利徠斗選手など、リアルとヴァーチャルを股にかけて活躍する選手も増えてきた。
一方現在では、JEGTをはじめ、eモータースポーツ選手そのものを目指す人も少なくない。
つまり、きっかけに過ぎなかったeモータースポーツが、夢を与える存在に変化してきているということだ。
さらに、今回吹替を担当した山中選手のように、eモータースポーツ選手の活躍の場が広がっていくことも期待される。
より実車レースに近づけることをテーマに掲げるJEGTの役割は、今後ますます重要になっていくだろう。
映画「グランツーリスモ」は、動画配信サービス各社で視聴できるほか、レンタル店にも並んでいる。
JEGTで活躍する山中選手の登場シーンを探しながら、ぜひ1度は吹替版でご覧いただきたい。
Text: 渡邉 篤
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