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ニュース発売直後から、画面の美しさや機能性の高さが評価されてきたPSVR2。一方で、Playstation®5での対応タイトルの少なさや、汎用性の低さがデメリットではあった。
しかし、SIE(Sony Interactive Entertainment)から2024年8月7日に発売される専用アダプターによって、ついにPCへの対応が実現する。
そこで今回は、専用アダプターの詳細とPSVR2の魅力について詳しくご紹介しよう。
Playstation®5の周辺機器として2023年2月に発売されたPlayStation®VR2(以下PSVR2)。
VRゴーグルに映し出されるリアルな映像に注目が集まる一方、Playstation®5でしか使えないという点に不満の声もあった。
今回のPC対応によってどんなメリットがあるのか、Playstation®5との違いも含めて紹介しよう。
グランツーリスモ7を始めとするさまざまなソフトで感動的ともいえる体験ができるPSVR2だが、Playstation®5専用のデバイスというだけでなく単純にVRゴーグルとして他社製品と比較してみても、かなりハイスペックな部類に入る。
4K(両目合わせて)を誇る高解像度と有機ELパネルによって、高精細で美しい映像が最大の魅力だ。
さらに、120HzとHDRにも対応し、ワンランク上のゲーム体験ができる。
ゴーグル部分に備えたカメラによる、シースルービュー機能も評価の高い機能だ。
プレイ中や合間に周囲を確認したい場合はゴーグルを一度外す手間がかかるが、ボタン1つで装着したままで周囲の様子を確認できる。
また、電子デバイスとしての性能面だけでなく、細かい点までこだわった質感の高さもPSVR2の魅力だ。
脱着に手間のかかるVRゴーグルだが、締付けとリリースが片手でできる機構をヘッドバンドに装備。
直接頭に触れる部分のクッション性やゴーグル部分の遮光性も高く、ストレスなくゲームに没頭できる。
Playstation®5でPSVR2に対応しているレーシングシミュレーター(以下レーシングSim)は、JEGTでも使用しているグランツーリスモ7しか今のところない。
しかし、PCに対応することで、Steam上で展開されている幅広いソフトウェアで遊べるようになる。
iRacing(アイレーシング)やタイのeモータースポーツ事情で紹介したAssetCorsa(セットコルサ)といった、世界的にプレイ人口の多いレーシングSimをPC用のVRデバイスを用意することなく遊べる。(VRでのプレイには個別の設定は必要)
逆に、PC甩のVRゴーグルはPlaystation®5に対応していないため、1つのゴーグルで両方に対応できるPSVR2のメリットは大きい。
もちろん、レーシングSim以外の、さまざまなVR対応人気タイトルも楽しめる。
グラフィックボードのDisplayPortに専用アダプターを介して接続するだけで、PSVR2をPCで利用できる。
一方で、接続するPCのスペックには、いくつかの要件がある点に注意が必要だ。
まず、対応OSはWindows10と11の64ビット版のみで、CPUはIntel Core i5-7600/AMD Ryzen 3 3100(Zen 2以降のアーキテクチャが必要)となっている。
グラフィックボードには、NVIDIA GeForce GTX 1650以降(Turing以降のアーキテクチャが必要)、AMD Radeon RX 5500XT以上などさらに細かい要求スペックが記載されていた。
また、Playstation®5に接続した際と比べて、機能面で制限がある点にも注意してほしい。
原稿執筆時点ではリリース前のため、機能制限がプレイ体験にどの程度影響するのかは不明だ。
細かい要求スペックや機能については、Playstation®公式サイトの商品ページを御覧いただきたい。
PSVR2は、PCに対応する以前から十分魅力的なデバイスだった。
特にグランツーリスモでは、平面画面では体験できないさまざまなメリットが享受できる。
発売時のレポートでもご紹介したが、グランツーリスモ7でPSVR2を使用して向上するプレイ体験について改めて確認してみよう。
>>グランツーリスモ7でPSVR2を使ったレースの詳細はコチラ
グランツーリスモ7でPSVR2を使用する最大のメリットは、距離と細かい挙動の変化を掴みやすくなることだ。
グランツーリスモを含めてレーシングSimの描画や挙動はリアルになっているものの、平面画面では物理的に実サイズを再現できない。
VRであれば実車に近いサイズ感で描写されるため、直感的に掴みやすくなる。
ブレーキングポイントまでの距離、クルマが挙動を乱すわずかなきっかけに気が付きやすくなることで、より繊細なコントロールが可能になるはずだ。
また、単純に楽しむという観点でも、リアルな体験による満足度の向上は大きい。
普段は見られない希少なクルマを、まるでショールームに訪れたかのように隅々まで眺められる点もPSVR2のメリットだ。
正確かつ高精細に描かれるスイッチ類やシートからは、限りなく実車に近い質感が再現されている。
また、一般に販売されている車種であっても、購入もしないのにディーラーで見せてもらうのは気が引けるし、各社を訪問をする時間や手間もかかってしまう。
PSVR2ならその場でさまざまなメーカーの車種に切り替えられるため、自分だけの空間で心ゆくまで堪能できる。
Playstation®5にしか対応していなかった当初でも、PSVR2で得られる体験に大きな価値を感じていたユーザーは多かったはずだ。
しかし、グランツーリスモ7のためだけに、と考えると購入に踏み切れなかった方もいることだろう。
今回、PCに対応したことで、レーシングSimしかプレイしない人にとってもPSVR2を幅広く活用できることになった。
また、Playstation®5甩、PC甩と使い分けなくてよくなった点も、関連機器への投資が抑えられる歓迎すべきポイントだ。
PCでの実際の使用感や可能性はまだまだ未知数であるものの、PSVR2購入のハードルが下がったことだけは間違いないだろう。
TEXT: 渡邉 篤
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