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ニュース前編で大会創設の2019年と初のシリーズ戦2020年の様子をお伝えした、JEGTの歴史を振り返る本企画。
後編の今回は、2021シリーズから昨シーズンまでを一気にご紹介しよう。
グランツーリスモの大会として、名実ともに国内最大級の規模を誇るJEGT。
改めて歴史を紐解いてみると、毎年進化し続けてきたことがわかる。
チーム戦という発足当初からのフォーマットを踏襲しつつ、新たな取り組みにもチャレンジし続けた2021~2023シリーズを振り返ってみよう。
JEGTが初開催となった「ROUND ZERO(2019年9月)」の翌年、東京オートサロンでのオフライン大会を成功させている。
しかし、初のシリーズ戦となった2020シリーズでは、新型コロナウィルス流行の影響で東京オートサロン自体が中止。
東京オートサロンでのシリーズ戦開催は、翌年に持ち込まれた。
シリーズ戦としてのフォーマットが整った2021シリーズを振り返ってみよう。
>>東京オートサロンで開催された2023シリーズ最終戦の模様はコチラ
社会情勢の影響もありスケジュールがずれこんだ2020シリーズは、2021年6月に最終戦を迎えた。
すでに2021年も半ばに入っていたことから、2020シリーズ終了後すぐに2021シリーズを始動。
2021年10月には、JEGT2シーズン目の開幕戦が開催された。
2021シリーズでは、前年に続きチーム戦と個人戦を実施。
チーム戦には合計19チームが参戦し、まずは東京オートサロンで行われるグランドファイナルに進む10チームの生き残りをかけた戦いが繰り広げられた。
チーム戦部門は全4戦で争われ、東京オートサロン2022において2021シリーズの最終戦がオフラインで開催された。
JEGT発足直後に単発のレースとしての開催実績はあったものの、シリーズ戦としては念願だった同イベントでの開催となる。
「グランドファイナル」と位置づけられた最終戦は、過去3戦のポイントランキング上位10チームによって争われた。
注目されたのは、ピットタイミングでのドライバー交代。
チーム戦をオフラインで開催するJEGTにしか実現できない見どころとして、以降の東京オートサロン大会でも恒例となった。
2022シリーズでは、それまでの2シーズンで開催していた個人戦を見合わせ、チーム戦のみの展開に。
JEGTの魅力を最大限発揮するチーム戦の新たな取り組みとして、トップリーグと企業対抗戦に分け、リーグの規模を大幅に拡大した。
一般参加イベントの開催なども含め、進化し続けた2022~2023シリーズのトピックスを再確認してみよう。
2022シリーズ最大のトピックスは、企業対抗戦が追加されたことだ。
企業単位でのエントリーで、認定ドライバー以外もレースに参加できる。
一方で、従来「チームバトル」と称されたいた認定ドライバーによるリーグ戦は「トップリーグ」と改称。
世界トップクラスの選手がしのぎを削るトップリーグと、幅広い層が参加できる企業対抗戦の2リーグ体制になった。
競技レベル自体は当然トップリーグのほうが高いが、各ドライバーが楽しみながらも必死にステアリングを握る企業対抗戦は違った楽しさが魅力だ。
F1やスーパーGTに対して、市販車によるワンメークレースがあるように、トップ選手だけに限らない下位カテゴリがあることで裾野が広がり、結果的に競技全体のレベルが向上する。
2023シリーズでは、企業対抗戦の上位2チームとトップリーグ下位2チームとの入れ替え制度を導入。
大きな目標ができたことで、より一層熱いレースが展開された。
2023シリーズでは、JEGTとして初となった一般参加が可能なスピンオフ企画「ハイパースプリント」を開催。
公募によるオープン部門と認定ドライバー部門がオンライン方式で実施された。
特に注目を集めたのは、わずか2周のレースを1対1で争うという、他に類をみないレースフォーマットだ。
世界を知る山中 智瑛選手や宮園 拓真選手をして、「初めてのレギュレーション!面白い!」と言わしめた。
レース本戦当日には、各部門の優勝者、さらに宮園選手を加えた3名によるエキシビションマッチも実施。
結果的には認定ドライバー部門を制した川上 奏選手の勝利となったものの、オープン部門優勝者も一時は先頭を走るなど素晴らしい戦いをみせた。
オープン部門への参加希望者の多さとレベルの高さは、eモータースポーツの裾野が広がっている証といえる。
発足時から、単なるeスポーツの大会ではなく、実車のレースや他のプロスポーツさながらの興奮を伝えることをコンセプトにしてきたJEGT。
さらなる競技の普及と選手の地位向上のため、2023シリーズ開幕前には選手会が発足した。
多くのプロスポーツには選手会があり、運営側だけでなく選手も競技の普及を考えている。
また、大会を盛り上げる選手自身の地位を向上し、守ることも、リーグとして存続していくためには重要なことだ。
運営と選手会が一体となって、今後さらに楽しめるJEGTを作り上げていってくれることに期待したい。
あらゆるイベントが大きな影響を受けた2020年以降の社会情勢のなか、JEGTはあるべき形を模索しながら進化を続けてきた。
一方で、「リアルレースと変わらない興奮をファンの方に味わっていただく」というコンセプトで作り上げたチーム戦というフォーマットは、2019年のROUND ZEROから一貫している。
競技そのものはバーチャルの世界で展開されるものの、チームとしての「人」が見えてくることで実際のレースやプロスポーツと変わらない魅力を感じていただけるはずだ。
節目の5シーズン目を迎えるJEGT2024シリーズは、11月9日(土)の開幕がすでにアナウンスされている。
新たにチャレンジリーグの創設も発表されており、過去最大の3リーグ体制に拡大される予定だ。
今年はどのチームがどんな戦いをみせてくれるのか、今から開幕が待ち遠しい。
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