NEWS
ニュース先日発表された2024シーズンで節目の5シーズン目を迎えるJEGTは、従来のトップリーグと企業対抗戦に加えて、新たにチャレンジリーグが新設される。
リーグ発足以来、大会を最大限盛り上げるべく毎シーズン進化してきた。
そこで、節目のシーズンを迎えるにあたって、大会発足から現在までの変遷を改めて振り返ってみよう。
「JEGT」が誕生したのは2019年。
参加選手が一堂に会する、オフライン大会という形で開催された。
会場や参加者の日程調整といった難しさもあるが、より多くのファンにeモータースポーツの面白さを伝えるため、あえてオフラインという形式を選択。
映画「グランツーリスモ」のモデルになった選手も出場するなど、大いに盛り上がったROUND ZEROの詳細をご紹介しよう。
>>JEGT ROUND ZEROに参加したヤン・マーデンボロー選手がモデルの映画「グランツーリスモ」についてはコチラ
JEGT初の大会は2019年9月29日に神戸で、ZERO ROUNDと銘打って開催。
当初予定の12チームを上回る14チームが参戦したところから、初開催から注目度が高かったことがわかる。
参加選手は、その後にグランツーリスモの公式大会で3冠を達成する宮園 拓真選手のほか、ヤン・マーデンボロー選手、JPオリベイラ選手という2人の外国人選手も参戦。
ヤン・マーデンボロー選手は、2023年公開の映画「グランツーリスモ」のモデルになった人物だ。
レーシングドライバーの出場も含めて、実車のレースさながらの興奮を観客の方に伝えることがオフライン開催にこだわった理由だ。
JEGT初めての大会であるZERO ROUNDは、チーム戦で争われた。
先日発表された2024シリーズでも採用されているJEGT最大の特徴ともいえるチーム戦は、初回大会から続いているということになる。
グランツーリスモを中心とするeモータースポーツは個人で競う大会が多いなかで、「チーム」で争う大会フォーマットは画期的だった。
また、今やJEGTの実況としておなじみの鈴木 学氏も、初回大会から実況に迎えている。
リアルモータースポーツでの実績が豊富な鈴木氏を実況に迎えられたことは、単なるゲーム大会ではなく実車ファンの方も惹きつける大会に成長した一因だろう。
神戸でのZERO ROUNDを成功させたJEGTは、早くも翌年2020年1月の東京オートサロンでの第2回大会の開催を決定。
日本国内のみならず、世界最大規模のカスタムカーショーともいえる東京オートサロンは、JEGTの地位を確立するためにも絶好の舞台だ。
一方で、来場者のほとんどは、実車のファンばかり。
バーチャル世界のeモータースポーツが、どれだけ受け入れられるのかは未知数だった。
しかし、選手たちの熱い走りは多くの来場者にも伝わり、第2回大会も成功のうちに終了。
ついに、グランツーリスモの大会として、国内最大規模のシリーズ戦開催へとつながった。
2020年1月の東京オートサロン大会の成功を受け、公式シリーズ戦の開催を決定したJEGT。
しかし、開催を決めた直後に新型コロナウィルスの世界的蔓延という、大きな苦難に見舞われる。
多くの制約のあるなかでの厳しい船出となったが、一方で結果的にeモータースポーツの将来性を感じるシーズンにもなった。
JEGTの継続に直接つながった初のシリーズ戦、2020シーズンを振り返ってみよう。
2020年からのシリーズ戦開催を決定したJEGTだったが、不透明な社会情勢を睨んでの調整となった。
有志だけが集うレースであればともかく、スポンサー、エントラント、選手と多方面の調整を図るのは容易ではなかったはずだ。
一方で、2019年に始まり、ファンや選手が期待を寄せるJEGTの灯火を消すわけにはいかない。
そこで、ROUND EXTRAとして、合計2戦の前哨戦を実施。
2020年5月に開催した初戦は緊急事態宣言が一部地域で続くなか開催されたが、結果的にJEGTのみならずeスポーツの可能性を感じた1戦となった。
選手は自宅を始めとする安全な場所から参加、YouTubeでの配信も最低限の人員で配信。
先に開催されたオフライン大会も含めて、状況に応じて開催形式を変更できるというeモータースポーツ利点を最大限活すことができた。
JEGT初のシリーズ戦は、社会情勢を見極めつつ2020年12月に開幕を迎えることになる。
「2020」と掲げていたシリーズを、なんとかスタートできた形だ。
シリーズ初年度は、翌2021年7月まで全5戦で争われた。
日程や形式の変更は余儀なくされたものの、レースはチーム戦、個人戦という当初の予定どおり開催。
あらゆる面で調整が難しいなか、参加者が18チーム(チーム戦)29名(個人戦)にものぼったことは、JEGTに対する期待の表れだったといえるだろう。
残念ながら2021年開催の東京オートサロンが中止になり、2年連続のオフライン開催は実現しなかったものの、今後につながる素晴らしいシーズンとなった。
JEGTがチーム戦という形式で行なわれている理由は、eモータースポーツとして単に珍しかったからではない。
実際のレースに近づけることで、世間的にはまだあまり認知されていなかったeモータースポーツの裾野を広げる目的もある。
eスポーツは自宅で誰でも簡単にできる反面、直接レースを走ったドライバー以外の人と喜びや悔しさを分かち合うことは少ない。
実車でのレースでは、ドライバーが複数いることはもちろん、メカニックやエンジニア、戦略を考えるチーム監督に至るまで実にさまざまな人が関わるものだ。
ドライバーやチーム関係者が一体となって同じ目標に向かう姿は、リアルでもバーチャルでも見ている者に感動を与える。
実際、JEGTが今年5シーズン目を迎えられたのは、少なからずファンに伝えられるものがあったからこそだろう。
続く後編では、シリーズ戦として初のオフライン開催が実現した2021シリーズやリーグとしてのこれまでの成長をたっぷりとお届けする予定だ。
TEXT: 渡邉 篤
■グランツーリスモの日本最高峰リーグJEGTで2連覇を飾った#1 Sengoku Gamingの本音に迫る!
■国内最高峰のグランツーリスモリーグJEGTラウンドファイナル! 大会初の2連覇を飾った#1 Sengoku Gaming