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ニュース東京オートサロン2024で開催されたJEGT2023シリーズトップリーグラウンドファイナルで、#02 EVANGELION e-RACING × ウエインズトヨタ神奈川が今季初勝利。
優勝候補の一角にあげられながらも苦しい戦いが続いていた同チームだが、唯一のオフライン大会という大一番で前評判どおりの強さをみせた。
そこで、グランツーリスモの大会出場経験が豊富な山中 智瑛選手に、まさかの事態が発生した予選スーパーラップの真相とともに、アンケートという形で今季を振り返ってもらった。
JEGT全体への想いも寄せてくれたので、たっぷりとお届けしよう。
今シーズン思うような結果を残せなかった#02 だが、ラウンドファイナルでも想定外のアクシデントに見舞われていた。
エースドライバーの欠場、まさかのスピン、今季未勝利に対する大きなプレッシャー。
さまざまな悪条件が重なるなか、チームワークの強さで勝利をたぐりよせたことがわかる。
まずは、ラウンドファイナルの率直な感想と、当時のチーム状況について答えてもらった。
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分といった感じでしょうか。これまでの大会であのようなミス(予選スーパーラップでのスピン)をしたのは初めてだったので、レースが終わった後に実は結構落ち込みました(笑)。
チームとしては開幕戦から思うようなレースができず、かなり歯がゆいシーズンとなっていました。作戦、レースペース、チームワーク全てが上手くいって最後をいい形で締めくくることが出来ました。チームメイトのおかげです。本当に。
チームとしてファイナルだから何かを変えるとか、そういったことは考えていませんでした。ただし、チーム内で色々テストをしながら、いつも以上にバトルの練習をしたと思います。
個人的には、時間的に直前練習が全くできなかったので、イメージトレーニングはいつも以上におこないました。
今年のチームは彼がエースでしたから、彼の欠場はチームとして非常に痛手でした。チームメイトは夜中まで練習をおこなうなど、鈴木選手に迫るタイムを出すべく努力しました。チームワークはいつも以上に良かったなと感じています。
私自身は、彼の分も頑張らないといけないと予選に自ら立候補しましたが・・・空回りしてしまいましたね。
#02は、2年続けて最終戦でまさかの事態に見舞われた。
昨シーズンはピット作業でのタイヤ交換ミス、そして今シーズンは予選スーパーラップでのスピン。
絶体絶命のあの場面の真相と大逆転の勝利を掴んだ作戦面について、詳しく回答してくれた。
「ミス」について誰しもあまり振り返りたくはないものだが、山中選手は高いプロ意識からファンのためにコメントをしてくれたのでぜひご覧いただきたい。
何が起こったのか、正直自分が一番知りたいです(笑)。本来あのようなスピンの仕方は起こり得ないものなんです。ただ1つ言えることは、スピン手前までは今までで一番いいアタックができていたことです。速すぎたのかもしれません(笑)。
私の感覚では、勝算は5%くらいしかありませんでした。しかし、ハードやミディアムを選択しても勝算は無いので、ソフトタイヤスタートを選びました。直前の練習走行でいいタイムが出ていたこと、他チームは誰もソフトタイヤを選んでいなかったため、わずかな可能性を感じてはいました。
後を走る二人には辛いシチュエーションを与えることになってしまいましたが、完璧な走りができてよかったです。
国内外の大会で経験豊富な山中選手は、JEGTのみならずグランツーリスモを代表するドライバーの1人だ。
多くの選手から頼られる存在でもあるため、自身のことだけでなく広い視野をもってJEGTに参戦している。
今季はチームの牽引役に加えて、JEGT選手会の初代会長にも就任。
今の立場と今後の展望について熱く語ってくれた。
和気あいあいとした雰囲気づくりを意識しています。練習時は真面目に走りますが、速く走る以外にもお互いを知ることや、ふざけあうことも重要だと考えているためです。本音を話しあえる仲になってチームを作っていかないと、速いドライバーばかりをそろえても勝てません。
JEGTが持っているポテンシャルは無限大だと思っています。認定ドライバーに求められる速さについては問題ありませんが、SNSの発信をはじめ、プロとしての意識が足りていないところがあるのも事実です。
今シーズンは意見交換会を主として行い、選手間の交流や運営側とのコミュニケーションを積極的に図ってきました。今後は、ハイパースプリントのように選手から発案する新しいイベントや認定ドライバー招致活動などもおこなっていきたいです。
2023シーズンも応援いただき、ありがとうございました。個人的には、選手会の立ち上げなどレース以外の部分でも新しいことにチャレンジできたシーズンになりました。
来季は、2023シーズンで獲得できなかったチャンピオン奪還を第一目標に、さらにJEGTを盛り上げていきます。選手会の活動を始め、レース以外の部分でも頑張っていきますのでさらに応援していただけたら嬉しいです。
JEGT草創期から参戦し、リーグの盛り上げを第一に考える山中選手らしい回答だった。
また、あまり振り返りたくはないはずの予選でのスピンについてあえてコメントをお願いしたのだが、悔しさをにじませながらも正面から回答してくれたのはプロ意識の高さだろう。
一方で、勝利の理由は結束の強いチームワークとしながらも、選手として「勝ちたい」という執念が感じられた回答内容だったことも印象的だ。
数々の実績を残しながらも1勝にこだわる姿は、やはりアスリートということなのだろう。
選手としてはもちろん、牽引役としても山中選手の来季のますますの活躍に期待したい。
Text: 渡邉 篤
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