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ニュースJEGTも先日4年目のシーズンを終えたが、近年eモータースポーツ、特にグランツーリスモへの関心が高まっている。
JEGTのラウンドファイナルが行われた東京オートサロンでも、eスポーツエクスペリエンス(e SPORT EXPERIENCE)として常設の展示スペースを確保し、グランツーリスモ7の体験コーナーが設けられていた。
そこで、これまでゲームに触れたことのない方やクルマやレースに詳しくない方がグランツーリスモ7を楽しめるよう、必要なアイテムを価格の目安とともに紹介しよう。
なお、紹介する各種機器のモデルや価格、在庫状況などは2024年1月執筆当時のものであることをご了承いただきたい。
また、価格はすべて税込金額を表示している。
JEGTを始めとするグランツーリスモの大会を見ていると、ハンコンやコックピットなど多くの機器が必要そうなイメージだが、PlayStation®5とソフトウェアさえあれば自宅のテレビですぐにプレイできる。
PlayStation®5には性能の高い純正のコントローラーが付属しているため、初めて遊ぶならハンドルコントローラー(ハンコン)がなくても十分楽しめるはずだ。
実際、全国大会に出場する選手のなかには、純正コントローラーでプレイする選手もいる。
そこで、まずはグランツーリスモ7を始めるために欠かせない最小構成をご紹介しよう。
グランツーリスモ7を楽しむために欠かせないのが、PlayStation®5。
発売開始後から生産が追いつかず常時抽選販売となっていたPlayStation®5だが、現在では家電量販店や通信販売で手軽に入手可能だ。
PlayStation®5には、ディスクドライブ搭載モデルと非搭載モデルの2種類ある。
ある程度速度の出るインターネット回線があれば、グランツーリスモ7をはじめ、ゲームをするにはディスクドライブ非搭載のデジタルエディションで問題ない。
ただし、グランツーリスモ7を始めとするゲームデータは100GB前後あるものも少なくないため、データ通信容量に制限のある回線を使用している場合はゲームディスクを使用できるディスクドライブ搭載モデルのほうが良いだろう。
また、ディスクドライブ搭載モデルなら、Blu-rayやDVDも再生できる。
価格は、ディスクドライブ搭載モデルが66,980円、ディスクドライブ非搭載のデジタルエディションが59,980円だ。
なお、グランツーリスモ7自体の価格は、ディスク版が実売7,000円前後、ダウンロード版が8,690円となっている。
PlayStation®5で遊ぶには、HDMI入力のついたテレビが必要になる。
フルハイビジョン放送が始まって久しいため、一般的な家庭にあるテレビでほぼ問題ないだろう。
サイズは23インチ程度あればゲームのプレイには支障はないが、可能なら27インチ以上のものを用意したいところ。
大手価格情報サイトによると、32インチ程度のテレビでも2万円台で購入できるようだ。
ただし、画像の美しさや使い勝手の良さなど性能や機能にこだわり始めると一気に金額は上がってくるため、まずは自宅のテレビで遊んでみて、不満があるなら買い替えや買い増しを検討すれば良い。
より本格的にグランツーリスモ7をプレイしたくなったら、無理のない範囲でぜひ専用の環境を構築していってほしい。
こだわりのアイテムを用意すればそれだけ熱も入るし、何よりも上達が早くなる。
そこで、グランツーリスモ7をプレイするうえで、可能なら揃えておきたいアイテムを3つ紹介しよう。
>>グランツーリスモ7初心者にもおすすめするハンコンが知りたい方はこちら
グランツーリスモ7をプレイするうえで、ぜひ入手したいのがハンコンだ。
実車を忠実にシミュレートしているだけに、操作機器も実車同様にすることでよりリアリティが高まる。
また、ゲームという意味でもアクセルやブレーキ、ステアリングの微妙な調整ができるようになるため、格段に細かいコントロールをしやすくなるだろう。
PlayStation®5公式ライセンスを取得しているハンコンで最も安いのは、16,980円で購入できるHORI製のレーシングホイールエイペックス。
ただし、あくまでもハンドル「型」コントローラーという位置づけのため、ハンドルを切った際の重さや路面状況を伝えるFFB(フォースフィードバック)は搭載されていない点に注意してほしい。
グランツーリスモ公式を取得し多くのトッププレイヤーからも支持されているのが、Fanatec製のGT DD PROだ。
ハイパワーモーターで直接駆動するため、力強いFFBと繊細なコントロールが可能。
品質、機能性ともに申し分ないが、価格は92,900円とやや高めの設定となっている。
JEGTの公式コックピットに使われているのは、ロジクール製のG923。
ダイレクトドライブほどの強いFFBはないものの、緻密な表現力とコントロール性の高さに優れている。
価格は58,190円で、質感や機能性とのバランスが取れたモデルといえるだろう。
PlayStation®5の映像出力は最大で4K、120Hzまで対応しているため、最高の環境でグランツーリスモ7をプレイするのであれば4Kテレビの購入を検討したい。
4Kとは解像度のことで、一般に普及しているフルハイビジョンと呼ばれる2K画面よりも4倍高精細になるため、グランツーリスモ7の美しいグラフィックスを心ゆくまで楽しめるはずだ。
一方、120Hzとはリフレッシュレートと呼ばれる数値で、1秒間に何回画面を更新するかを表す。
パラパラ漫画をイメージしてもらえるとわかりやすいが、地上波テレビ放送は1秒間の画面の動きに30枚の画像が流れる。
120Hzであれば、1秒間に120枚の画像が流れることになるため、地上波テレビ放送の4倍滑らかな動きになるということだ。
なお、グランツーリスモ7をプレイする前提で4Kテレビを購入する際は、「低遅延」モードのあるモデルを選びたい。
PlayStation®5から映像データが出力されテレビ画面に映し出されるまでには、ごくわずかながら遅れが生じる。
特に大画面テレビになると描画の遅れが目立つようになるため、わずかな遅延が気になりやすくなるためだ。
また、せっかくの高画質を活かすためにも、サイズは50インチ以上をおすすめする。
40インチ台でももちろんきれいな画面ではあるのだが、元々表示する画素同士の間隔が詰まっているため、テレビによっては4Kになったことの恩恵をあまり感じられないかも知れない。
4Kテレビはメーカーやモデルによって大きな価格差があるが、チューナーレスで安いものはゲームモード搭載機種を4万円台から購入できる。
コックピットを導入すると、レーシングカーを運転している雰囲気が高まりぐっとモチベーションが上がる。
しかし、コックピットはより速く走るためにも、可能ならぜひ導入したいアイテムだ。
コックピットを導入するメリットは、ドライビングポジションが安定すること。
ハンコンをリビングテーブルなどに固定している場合、座っている椅子と設置場所の高さや距離にどうしても無理が生じてしまう。
専用のコックピットがあればハンコンをしっかり固定でき、実車同様の距離感で運転姿勢を保持できる。
また、最近では折りたたみ式のコックピットも販売されているため、スペースに限りのある環境の方も一度検討してみてはいかがだろうか。
コックピットの価格は実に幅広いが、大手通販サイトで調べたところシート一体モデルが2万円台から購入できるようだ。
中心価格帯は5~10万円程度になり、一般的に価格が高いほど安定性や質感が増す。
グランツーリスモ7で遊ぶにテレビは家にあるものを利用すれば、PlayStation®5とソフトウェアがあれば十分楽しめる。
一方で、こだわりや予算に応じて自分好みの環境を構築して楽しめる点も、グランツーリスモ7の奥深さだ。
最後に、よりこだわりの強い方のためのアイテムを2つ紹介しよう。
1つ目は、立体音響、サラウンド環境の構築だ。
グランツーリスモシリーズは、当初から音にこだわって制作されている。
実車の音を細かく収録していることはもちろん、グランツーリスモ7では物理演算モデルによる精密なエンジン音のシミュレートまで行われている。
そして、こだわり抜いたクルマの音は、小鳥のさえずりなどの環境音とあわせて立体的に再生され、よりリアルなドライビング体験の源泉だ。
サラウンド環境は、本格的なシアターシステムなら申し分ないものの、PlayStation®5なら2ch環境やヘッドホン1つでも立体音響を再生する機能を備えているので少し音質にこだわったスピーカーやヘッドホンを入手すれば十分楽しめる。
2つ目のこだわりアイテムは、2023年2月に発売されたPSVR2だ。
グランツーリスモシリーズのプロデューサー山内一典氏によると、グランツーリスモ7はVRでの表現を念頭に開発されたそうで、PSVR2による没入感は格別なものに仕上がっている。
PSVR2に映し出されるリアルなグラフィックスは、手を伸ばせば各種スイッチを直接操作できそうな錯覚に陥るほどだ。
そして、PSVR2の本当のメリットは、見た目や体験ではない。
実車同様の間隔を得られることで、ドライビングテクニックのさらなる向上が見込める。
コーナーの先を見通しやすくなったりクルマの姿勢やタイヤの滑り出しまでも直感的に感じられたりするためだ。
最初から大掛かりな設備や予算を用意することなく楽しめるのが、eモータースポーツの最大のメリット。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ気軽にグランツーリスモ7を始めてみてほしい。
Text: 渡邉 篤
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