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ニュース東京オートサロン2024で例年通りオフラインレースの大会として開催された、JEGT2023シリーズラウンドファイナル。
立ち見が出るほどの大盛況のなか、#1 Sengoku GamingがJEGT史上初の2連覇を達成して幕を閉じた。
今回は、例年以上の盛り上がりをみせた会場の様子を、来場者の方の声も交えてレポートしたい。
また、本格的なコックピットを使用したグランツーリスモ7の体験コーナーを設けるなど、3日間を通じて開催されたe-SPORT EXPERIENCEについてもご紹介しよう。
東京オートサロン2024では、e-SPORT EXPERIENCEとしてeスポーツとeモータースポーツの体験型イベントが開催された。
まずは、e-SPORT EXPERIENCEの内容と会場の様子についてご紹介しよう。
eモータースポーツの認知度は上がってきているものの、クルマ好きでさえまだ深く理解している人は少ない。
今回のe-SPORT EXPERIENCEを通じて、より多くの方に魅力や楽しさが伝わればさらにeモータースポーツは盛り上がりをみせるだろう。
期間中には、東京オートサロンのイメージガール「A-class」とJEGT認定ドライバーのタッグによるレースや、プロレーシングドライバーとのトークセッションなどさまざまなイベントを開催。
リアルとバーチャルの垣根を超えた、まさにJEGTが目指す形のイベントとなった。
「クルマの展示を見るためにオートサロンに来た」と話す地元千葉県の40代男性は、「eモータースポーツに少し興味はあったが、触れる機会はなかった。今回展示会場があるということで寄ってみた」と、e-SPORT EXPERIENCEが開催されていたからこそeモータースポーツ触れる機会に恵まれたことを喜んでいた様子。
少しでも多くの方に知っていただくことが、eモータースポーツの今後の発展には不可欠だろう。
e-SPORT EXPERIENCEでは、幕張メッセ国際会議場の広大なスペースにグランツーリスモ7とストリートファイターの体験コーナーも開設されていた。
特に、グランツーリスモ7の体験コーナーには、大人用、子ども用それぞれのコックピットを設置。
より多くの人が楽しめるようかなりの台数を用意していたものの、来場者が増えるにつれプレイを待つ人の行列が伸びていくほどの盛況ぶりだった。
eスポーツは見ているだけでなく自分でも手軽に楽しめることを、こういった体験の機会を通じてぜひ肌で感じてほしい。
e-SPORT EXPERIENCEの最後を締めくくったのは、シリーズチャンピオンの決定がかかるJEGT2023シリーズトップリーグのラウンドファイナル。
また、昨年同様に豪華ゲスト陣によるエキシビションレースも会場を大いに盛り上げた。
超満員のなかで行われた、JEGT2023シリーズラウンドファイナルの会場の模様をお伝えしよう。
>>JEGT2023シリーズ ラウンドファイナルのレースレポートはこちら
今年のラウンドファイナルはe-SPORT EXPERIENCE内のオープンステージでの開催ということで、JEGTやeモータースポーツそのものが初観戦という観客の方も目立った。
JEGT開催に先立って行われたトークショーを観覧していた20代のカップルは、「大湯選手が出るトークショーということで見に来た。JEGTのことはプログラムを見て知ったが、せっかくなのでこの後のレースも見る予定」とのことで、JEGT初観戦を楽しみにしていた様子だった。
また、福岡県から来場していた40代ご夫婦の奥様にレース後の感想を聞くと、「クルマやレースに詳しくはなかったけど、選手が近くて想像以上に緊張感のあるレースに興奮した。あとは、沢すみれさんと西澤さん(NiShiKen)が大好きになりました」と笑顔で答えてくれた。
レースだけでなく、イベントそのものを存分に楽しんでいただけたようだ。
eモータースポーツの良いところは、一般的なスポーツイベントよりも選手や出演者との距離感が圧倒的に近い点にある。
特にモータースポーツは安全性の問題からピットやコースはもちろん、実況ブースも観客から遠く、ドライバーや出演者の顔はほとんど見えない。
しかし、eモータースポーツならレース中のドライバーや出演者の表情まで見えるため、より一体感をもって楽しめる。
今回のラウンドファイナルでは、コックピットが観客席とほぼ同じ高さに設置され、トップドライバーのハンドル捌きや、モニターを見つめる表情を間近に感じられる。
会場に響く鈴木学氏の緊迫感ある実況と谷口信輝氏と西澤健太氏(NiShiKen)のダブル解説を聞きながら、選手と同じ目線で観客はレースに引き込まれていた。
そしてハイライトは、レース中各チーム2回行うオフラインレースならではのドライバー交代。
交代を待つ選手の緊張した様子、必死に交代位置まで走る表情を目の前で見られる。
コンマ1秒でもタイムを削ろうとスーパーGTのように慌ただしく繰り広げられるドライバー交代は、国内のeモータースポーツではJEGTでしか見られない。
ラウンドファイナルでは、豪華ゲスト陣を迎えてエキシビションレースも行われた。
緊張感のあるレースのトップリーグとは異なり、笑いに包まれたなごやかな雰囲気のなかで行われたエキシビションレース。
誰でも参加できるという、eモータースポーツの魅力を存分に届けられたはずだ。
また、国内最高峰を誇るJEGTだから実現した、豪華ゲスト陣の顔ぶれもファンを魅了した要因の1つだろう。
ゲストとしてチームリーダーを務めたのは、プロレーシングドライバーの大湯都史樹氏と小山美樹さん、プロゲーマー、ストリーマーからはSPYGEA氏、どぐら氏、ボドカ氏、ta1yo氏、鈴木ノリアキ氏、そしてJEGTでおなじみの谷口信輝氏と沢すみれさんを加えた総勢9名。
さらに今シーズンの企業対抗戦に参加した選手も加わり、トップリーグと同じくチーム戦として行われた。
レースは、認定ドライバーがステアリングを握る序盤からトップから最下位までが激しく順位が入れ替わる荒れた展開に会場は大盛りあがり。
そして会場の盛り上がりが最高潮に達したのが、最終ドライバーのゲスト陣に交代した最終スティントだった。
ゲームの扱いに慣れていて優利と思われた上位を走るゲーマー、ストリーマー陣だったが、最終的には大湯氏、小山さん、谷口氏がトップ3。
ゲスト陣の個性がそれぞれ発揮し、見ている人全てが笑顔になる楽しいレースとなった。
東京オートサロンは、実際のクルマやレースが好きな方が来場者のほとんどを占める。
しかし、今回e-SPORT EXPERIENCEとして3日間を通した展示を行ったことで、クルマの新しい楽しみ方を提案できたのではないだろうか。
e-SPORT EXPERIENCEの締めくくりとなるJEGTのラウンドファイナルは、会場後方に人員整理のスタッフが出るほど大盛況。
これまで興味はあるものの垣根を感じていた方も、今回の東京オートサロンをきっかけにeスポーツやeモータースポーツを身近に感じていただけたのではないだろうか。
JEGT2023シリーズは、東京オートサロン2024最終日のレースで幕を閉じた。
一旦シーズンオフとなるものの、JEGTとしては今後もeモータースポーツの素晴らしさや楽しさ、選手の凄さを広めていきたいと考えている。
昨年はグランツーリスモを題材にしたハリウッド映画が公開されるなど、eモータースポーツに対する関心は今後さらに高まっていくはずだ。
JEGT2024シリーズがどんな展開になるのか、今から楽しみに待ちたいと思う。
Text: 渡邉 篤
■国内最高峰のグランツーリスモリーグJEGTラウンドファイナル! 大会初の2連覇を飾った#1 Sengoku Gaming