NEWS
ニュース2024年1月14日(日)に、東京オートサロン2024のオフラインレースをもって、ついにラウンドファイナルを迎えるJEGT2023シリーズトップリーグ。
シリーズチャンピオンのかかる大切な一戦を前に、JEGTの解説を務めるNiShiKenこと西澤健太氏(以下一部NiShiKenと表記)に今シーズンを振り返りつつ最終戦の展望と見どころを聞いてみた。
西澤氏はグランツーリスモなどを自らプレイする傍ら、大会やチームの運営に携わっている。
eモータースポーツソフトウェア全般に精通しており、グランツーリスモ独特の挙動や仕組みを的確に解説。
また、実況陣や一般視聴者が見逃しがちな、細かい順位やラップタイムの変化も冷静に分析してわかりやすく伝えてくれる。
実況の鈴木学氏、解説の谷口信輝氏からの信頼も厚い。
JEGT2023シリーズトップリーグここまでの戦いは、予想通りだった面もあった一方で、予想外の展開に驚いた場面もあったようだ。
また、注目選手として上位チーム以外の選手を挙げているのは、細かいところまで見逃さないNiShiKenらしい。
まずは、Rd.1、Rd.2を通じてNiShiKenの印象に残ったことを紹介しよう。
まず、チャンピオン争いの中心となるであろうと考えていた、ディフェンディングチャンピオンの#1 Sengoku Gamingが好位置につけているのは予想通りです。
また、#54 TC CORSE Esports MAZDAと#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRESの2チームは、ドライバーラインナップを踏まえてチャンピオン争いをするだろうと予想していました。
昨シーズン最終戦で惜しくもチャンピオンを逃した#02 EVANGELION e-RACING × ウエインズトヨタ神奈川(昨シーズンはEVANGELION e-RACING with 広島マツダ)が、この位置にいることは予想外でした。
山中 智瑛選手と鈴木 聖弥選手という日本をけん引するプレイヤーを引き続き擁し、リベンジに燃えているはずです。
戦略と戦況の影響が大きかったとはいえ、チャンピオン争いが難しい展開になっているのは意外でした。
開幕戦の鈴鹿サーキットの予選スーパーラップで、#1 Sengoku Gamingと#12 KOSHIDO RACINGのタイムが千分の一秒まで同じだったことです。
昨年までの成績を考えると、前年チャンピオンの#1 Sengoku Gamingとまさか開幕戦の予選スーパーラップでポールポジション争いを繰り広げるとは思っていませんでした。
昨年チャンピオンの#1 Sengoku Gamingが、前評判通り高いポテンシャルを示しているのが印象的です。
昨シーズン逆転チャンピオンを果たした時のような練習量に裏付けされたチーム力で、2連覇を獲得すべく最終戦に臨んでくると思うので非常に楽しみです。
Rd.2のヒート2で、#1 Sengoku Gamingから出走した小林 利徠斗選手です。
リアルとバーチャルのまさに二刀流を体現しているドライバーで、今年国内F4選手権のチャンピオンに輝いたうえ、グランツーリスモの世界大会にまで出場しています。
Rd.3にも出走するのでれば、ぜひそのポテンシャルの高さに注目していただきたいです。
また、Rd.2のスーパーラップでポールポジションを獲得した、#777 ZIMA RACERSの石水 優夢選手も印象に残っています。
まだ10代なのに才能を開花させ始めているので、今後の活躍にも注目していきたいです。
西澤氏は、順当にいけば上位3チームがシリーズチャンピオンを獲得すると予想。
ただし、オフラインレースの難しさや、今シーズンから採用された下位チームの入れ替えルールによって波乱の展開になることも考えられるとのことだ。
注目のラウンドファイナルの見どころをたっぷりと語ってもらった。
ランキング1位と2位の2チームは、優勝すれば無条件でチャンピオンになれます。
一方、3位以下のチームも逆転チャンピオンの可能性があるため、少しでも望みをつなぐべく全チームが今まで以上に優勝にこだわった戦略・順位争いが繰り広げられると考えています。
昨年チャンピオンの#1 Sengoku Gaming、#54 TC CORSE Esports MAZDA、#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRESら上位陣は、最終戦でも安定したパフォーマンスを発揮してくると思います。
順当にいけばこの上位3チームによる、白熱したチャンピオン争いになるでしょう。
しかし、昨年の#02 EVANGELION e-RACING × ウエインズトヨタ神奈川(昨シーズンはEVANGELION e-RACING with 広島マツダ)の様に、オフライン環境ならではの緊張感・空気感による予期せぬ波乱が起きる可能性も十分にあり得ます。
正直、どのチームがラウンドファイナルを制するのかは予想できません。
デバイスや会場の雰囲気に対しての、「順応性」が重要になってくると考えています。
選手たちは日頃何十時間、何百時間とプレイをしていますが、自宅とは違うデバイスと空気感のなかでのレースは練習では再現できません。
トップリーグのプレイヤーは百戦錬磨のため、レース前の限られた練習時間でもしっかりと順応してくるとは思いますが、ふとした場面でデバイスのちょっとした感覚のズレや会場の空気による影響が、順位に大きく影響する可能性があります。
#1 Sengoku Gaming、#54 TC CORSE Esports MAZDA、#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRESの、ポイントランキング上位3チームによるチャンピオン争いがやはり見ものです。
最終戦の舞台となるコースはオーバーテイクしやすいため、ポジショニングや立ち回り・駆け引きが非常に重要になってくると思います。
各チームの細かな駆け引きにも注目すると、よりレースを楽しめると思います!
トップリーグ最終戦ということでランキング上位陣によるチャンピオンを賭けたレースはもちろんのこと、今期はトップリーグ残留をかけた下位争いも非常にドラマチックな展開になると予想されます。
トップリーグドライバーたちの、白熱したバトルをお楽しみください。
また、エキシビションマッチは昨年よりチーム数が増えて、よりパワーアップした内容になっています。
前回以上に豪華なゲストが勢ぞろいする予定ですので、さまざまなファンの方にも満喫していただけるレースになるはずです。
是非オートサロンの会場に足を運んでいただき、生の会場の空気感も楽しんでください!
いつも的確な解説をしてくれる西澤氏だが、ラウンドファイナルの予測となると難しそうだったのが印象的だ。
オフラインレースはそれだけ不確定要素が多く、選手にとって大変なレースということだろう。
また、Rd.1、Rd.2の振り返りからも、驚きや予想外といった感想を持っていることがわかる。
つまり、JEGTトップリーグの実力がさらに拮抗してきていて、NiShiKenでさえも予測することが難しくなってきているのだろう。
解説者としては頭を悩ませるところだろうが、ファンとしては予測不能なほうがレースは面白い。
数字上はポイントランキング6位につける#55 AUTOBACSまでシリーズチャンピオン獲得の可能性が残るだけに、ラウンドファイナルは波乱のレースになること必至だ。
ラウンドファイナルは、東京オートサロン2024の最終日、2024年1月14日(日)の14時から行われる。
混戦の2023シリーズの結末にはどんなドラマが待っているのか、ぜひ会場で見守っていただきたい。
なお、JEGT公式YouTubeチャンネルで同時生中継されるので、当日会場に来られない方はぜひそちらを忘れずにチェックしてほしい。
Text: 渡邉 篤
・日時 2024年1月14日(日) 13:30〜
・開催場所 幕張メッセ国際会議上2階 コンベンションホール(国際展示場 展示ホール東7、8ホールの向かい)
・入場/観覧無料(※東京オートサロン2024への入場料は必要)
■国内最大級のグランツーリスモ大会JEGTの2023シリーズチャンピオンの行方は? トップ3チームに意気込みを聞いてみた