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ニュースJEGT2023シリーズトップリーグでは、各チームがさまざまなマシンで参戦している。
特に今シーズンは同一車種を使用するのは最大3チームしかなく、例年以上にバラエティ豊かなラインナップといった印象だ。
そこで、各チームの使用車種とリバリーを写真を交えながら改めて紹介しよう。
JEGT2023シリーズも、残すところ東京オートサロン2024でのファイナルラウンドのみ。
過去2戦の模様をJEGT公式YouTubeチャンネルで確認しつつ、ファイナルラウンドではぜひ各チームが使用するクルマにも注目してご覧いただきたい。
なお、各車のスペックについては、グランツーリスモ7に収録されているものを掲載している。
マツダが2015年の東京モーターショーで発表したコンセプトカー、「MAZDA RX-VISON」をベースに開発されたグランツーリスモ専用車。
実写としては存在しない架空の車ではあるものの、量産車両と同様のデザイン工程で開発するなどマツダの本気度が伝わってくるマシンだ。
もちろんエンジンはロータリーエンジンを搭載し、4ローターで570馬力を発揮するモンスターマシンに仕上げられている。
今シーズンは、2チームが採用。
駆動方式 | FR |
吸気形式 | NA |
最高出力 | 570PS/ 8,900rpm |
最大トルク | 55.0kgf・m/ 6,500rpm |
車両重量 | 1,250kg |
#54 TC CORSE Esports MAZDAは、RX-VISIONでJEGTに参戦し続けている。
今シーズンは2020シリーズRd.3以来、優勝を飾るなど好調を維持し、現在のところポイントランキングトップ。
使用リバリーはグランツーリスモ内で用意されているマツダ標準のデザインのため、見覚えのある方も多いだろう。
今シーズンからトーヨータイヤとタッグを組んだ#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing with TOYO TIRES。
白地に赤と青をうまく組み合わせたリバリーは、洗練された都会的な印象を与える。
ポイントランキング3位と好位置につけているだけに、ラウンドファイナルでのレースに注目したい。
日産が世界に誇るスポーツカー、R35型GT-RのGT3モデル。
R35型GT-Rは、名車スカイラインの1グレードから独立する形で2007年に登場した。
単一のモデルとしてすでに15年以上も販売されているが、常に改良が施されて現在もパワーアップし続けている。
収録されているのは、日産が頂点と位置づけるニスモモデルのGT3版だ。
駆動方式 | FR |
吸気形式 | ターボ |
最高出力 | 585PS/ 6,500rpm |
最大トルク | 67.5kgf・m/ 3,500rpm |
車両重量 | 1,285kg |
#1 Sengoku Gamingは、ロゴを刷新したこともあって昨年とは大きく印象の異なるリバリー。
赤と白をバランスよく使用し、さらに先端から後端にかけて流れるようなデザインになっていることから大柄なR35なのにスマートな印象を受ける。
ディフェンディングチャンピオンらしく、混戦のなかでも現在ポイントランキングは2位。
昨年同様、逆転でのシリーズチャンピオン獲得に期待がかかる。
JEGT参戦当初から、GT-Rで参戦し続けている#35 NISSAN×TRUST RACING。
リバリーデザインも、基本的には変わっていない。
しかし、多くのチームがスポンサー企業やマシンの変更によってリバリーデザインが変わるなか、毎年同じデザインであることに不思議な安心感があるとともに、かえって新鮮に感じる。
一方で、チームとしてはまだ発展途上なので、今後の巻き返しに期待したい。
韓国自動車メーカー、ヒョンデ(現代)の高級ブランドジェネシスが発表したコンセプトモデル「Genesis X Convertible」をベースに開発された架空のクルマ。
コンセプトモデルはEV仕様だったが、グランツーリスモ7への収録時にガソリンエンジンに換装されている。
ヘッドライトなどは近未来的なデザインになっている一方で、逆三角形の「クレストグリル」などは実際のジェネシス車を彷彿とさせる意匠も採用。
今シーズンは、1チームが初めてジェネシス車で参戦している。
駆動方式 | FR |
吸気形式 | ターボ |
最高出力 | 555PS/ 6,500rpm |
最大トルク | 71.0kgf・m/ 3,000rpm |
車両重量 | 1,280kg |
赤と白のシンプルなデザインで、オリジナルリバリーとはまったく違う印象に仕上げられている。
リバリーによってクルマの印象はまったく変わることに、改めて気付かされた。
これまでの戦いではポテンシャルをみせているだけに、ファイナルラウンドでは最終順位にもこだわりたい。
ロングノーズ&ショートデッキという、伝統的なスポーツカーのフォルムに現代の技術を持ち込んだ傑作。
2018年のジュネーブ国際モーターショーで公開されたコンセプトモデルを、グランツーリスモ内で“実車”化した。
ほぼ同様のデザインで、GR スープラとしても販売されている。
駆動方式 | FR |
吸気形式 | ターボ |
最高出力 | 600PS/ 6,800rpm |
最大トルク | 71.1kgf・m/ 6,000rpm |
車両重量 | 1,243kg |
ドリフトのプロリーグ「D1GP」にも参戦するEVANGELION RACINGは、実車と同様のリバリーでJEGTに参戦している。
アニメ「エヴァンゲリオン」に登場する弐号機を彷彿とさせるデザインで、同じ「メカ」というジャンルだけにレーシングカーとも親和性が高い。
優勝候補の一角に挙げられながらも今シーズンはここまでやや苦戦しているが、ラウンドファイナルでは面目躍如したいところだ。
#11 KOSHIDO Jr. RACINGは、昨シーズンに続いてGRスープラ レーシングコンセプト ’18を選択。
シルバーメタリックの塗装に、オレンジのラインが目を引くリバリーに仕上がっている。
取り扱いに慣れたマシンで、今シーズンの飛躍を目指す。
白地に赤のラインが映える、シンプルながらデザイン性の高いリバリー。
さらに、後端には黒も使用されていいて、都会的でスタイリッシュな印象だ。
ここまでやや苦戦しているものの、ポテンシャルは高いチームだけに次戦で巻き返してくる可能性は大いにある。
世代が変わっても、ポルシェ 911の伝統的なスタイリングは変わらない。
一方で、ベースとなった991は、リアエンジンではなくミッドシップレイアウトを採用。
スポーツカーとして最適な重量配分で、戦闘力がさらに高められている。
駆動方式 | MR |
吸気形式 | NA |
最高出力 | 517PS/ 8,100rpm |
最大トルク | 49.8kgf・m/ 6,000rpm |
車両重量 | 1,243kg |
チーム名通り、カー用品チェーンAUTOBACSを想起させる鮮やかなオレンジ色に黒のリバリーが印象的。
昨年のJEGTチャンピオンカー、ポルシェ 911 RSR (991) ’17に変更して今シーズンの巻き返しを図る。
F1でも輝かしい実績を持つイギリスの自動車メーカー、マクラーレンのGT3カー。
車名の通り650Sをベースに開発された、実在するレーシングモデルだ。
マクラーレンらしい、先鋭的なスタイリングが特徴。
MRという運動性能に優れたパッケージングに3.8リッターV8ツインターボエンジンを収め、あらゆるコースで速さを発揮する。
駆動方式 | MR |
吸気形式 | ターボ |
最高出力 | 550PS/ 7,500rpm |
最大トルク | 57.0kgf・m/ 4,500rpm |
車両重量 | 1,240kg |
毎年個性的なマシン選びが話題の、#127 eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS。
昨年のビートルに続き、今シーズンは同じく欧州メーカーのマクラーレンをチョイスしてきた。
ボディサイドに入れられた「エンタテ!区」のロゴによって、チームの存在感をより引き立たせている。
同じGr.3カテゴリーのクルマでも、車種によって特性は全く異なる。
特にドライバーの実力が拮抗しているJEGTトップリーグでは、マシン特性とコースの相性が雌雄を決することもあるだけにマシン選びは重要なポイントだ。
一方、観戦する側の視点だと、マシンの違いがよく分かる。
ハイパワーエンジンによる直線の伸びを武器にねじ伏せるのか、コーナリング性能の高さを活かした巧みなライン取りでオーバーテイクを決めるのかは、ドライバーの腕が一定ならマシン特性に依存する部分が大きい。
各車が勝負を仕掛けてくるポイントは、マシンの強みを最大限活かせる場所になってくるはずだ。
Rd.2までで下位に沈んでいるチームも、ラウンドファイナルの舞台によってはマシンとの相性で大逆転する可能性を秘めている。
JEGT2024シリーズトップリーグのRd.FINALは、2024年1月14日に東京オートサロン2024内で開催される。
マシンの違いにも注目しながら、ぜひ会場でオフラインレースの興奮を味わっていただきたい。
Text: 渡邉 篤
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