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ニュースグランツーリスモ7を使用するeモータースポーツの大会として、JEGTは今シーズンで5年目を迎える。
リーグとしての実力の維持と向上、シリーズの魅力を高めるチーム間の戦力均衡を目的に、毎年ドラフト会議を開催しチーム間の移籍や新選手の獲得を促進してきた。
今年度もJEGT2023シリーズの開催発表を受けて、2023年7月28日18時よりドラフト会議を開催。
また、ドラフト会議に先立って、今年は実戦形式のトライアウトも初開催され、トライアウトの結果がドラフトにどう影響を与えるかにも注目したいところだ。
それでは、ドラフト会議の結果をトライアウトの模様と合わせて詳しくご紹介しよう。
ドラフト会議を目前に控えた2023年7月19日、JEGTでは初となるトライアウトレースが開催された。
実力をアピールする数少ないチャンスとあって、すべての選手が気合に満ち溢れている。
使用するソフトは、2022シリーズ最終戦と同様にグランツーリスモ7。
シリーズと同様の環境で、選手それぞれが実力をアピールした。
一方チームにとっても、選手の実際の走りを見たうえで指名選手を絞り込んでいくためにトライアウトは貴重な機会。
単純な速さだけではなくレース運びや戦略面など、選手のあらゆる側面にチーム関係者が熱い視線を注いだ。
多くのJEGT認定ドライバーが参加したトライアウトの模様をお伝えしよう。
>>トライアウトで使用されたスパ・フランコルシャンの攻略方法はこちら
コースは、的確なマシンコントロールと速さが求められるスパ・フランコルシャン。
2種のタイヤ使用義務とピットイン義務が課せられ、コース上の速さだけではなくピット戦略も含めたレース運びも重視している点はトライアウトならではだ。
使用ソフト | グランツーリスモ7 |
使用コース | スパ・フランコルシャン |
周回数 | (決勝)7周 (予選)6分間 |
使用マシン | Gr.3から自由選択 |
BoP | あり ※マシンセッティング及びカスタムパーツ変更禁止 |
使用タイヤ | レーシングソフト・レーシングミディアム ※決勝はそれぞれ1スティント以上の使用義務あり |
義務ピットイン回数 | (決勝)1回以上 |
タイヤ消耗 | 9倍 |
燃料消費 | 3倍 |
トライアウトへの参加は強制ではなく希望選手による任意だったが、17名もの選手が参加して白熱のレースを展開した。
今年初めて認定ドライバーとなったルーキーに加え、JEGTトップリーグへの出場など実績十分の選手も自身の実力を存分にアピール。
トライアウトでは順位を含めて結果はあまり重要視されないとはいえ、各選手の激しいバトルも見られるなど本番レースさながらの内容だった。
なお、レースは17名を2つのグループにわけ、それぞれ予選タイムアタックと決勝という形式でおこなわれた。
予選タイムアタックでポールポジションを獲得した吉田 稜汰朗選手に対して、オープニングラップから石井 大雅選手がオープニングラップから果敢に勝負を挑む。
テールトゥノーズの展開が終盤まで続いたが、結局吉田選手が逃げ切ってトップチェッカーとなり石井選手は惜しくも2番手。
一方、実績十分の草野 貴哉選手が終始冷静なレース運びを見せ、3番手に入った。
グループBは、ポールポジションの岡村 康平選手がオープニングラップから2番手以降に大きなギャップを築く展開。
岡村選手の独走かと思われたが、混戦の2番手グループが徐々に差を詰め、最終的には7番手の橋間 隼選手でも約0,7秒差という大混戦のレースになった。
トライアウトに臨むにあたって、選手それぞれにしっかりと作戦を立てていたようだ。
結果的にドラフトで指名された選手の声を抜粋して紹介しよう。
eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS 3巡目指名
予選5番手という結果を受けて、序盤は前についていきつつガソリンを消化、マシンが軽くなってからソフトタイヤで終盤仕掛ける作戦を取りました。
途中想定外のこともあって作戦通りにはいきませんでしたが、ピットアウト直後の選手のスリップストリームをうまく使うなど、2ポジションアップという結果には満足しています。
KOSHIDO Jr.RACING 1巡目指名
タイヤ持ち、コースとの相性から1番使い慣れているRX-VISIONを選択。
GRスープラ、GT-Rなどと比べてストレートは若干遅いので、予選で前に出て集団に飲み込まれることなくそのまま逃げ切る展開を狙っていました。
4周目までソフトタイヤで15秒台をキープできた点は良かったと思います。
2023シリーズのドラフト会議では、トップリーグ、企業対抗戦合わせて24名の選手が指名された。
特にトップリーグでは、全10チーム中5チームが2名以上の複数選手を指名。
2023シリーズを前に、大きな変革を予感させるドラフト会議だった。
2023シリーズのJEGTドラフトでは、トップリーグと企業対抗戦合わせて指名選手24名のうち、実に16名の選手が初指名。
さらに、12名の選手は先日開催された2023年度のJDSで新たに認定ドライバーとなった選手で、全体に的にフレッシュな顔ぶれがそろった。
なかでも、Sengoku Gamingが指名権を獲得した小林 利徠斗選手とD’station Racingが指名権を獲得した橋間 隼選手は、今年JDSを通過し初指名にもかかわらず、2チームが競合。
2023シリーズの台風の目になってくれそうだ。
昨年のドラフトでは、トップリーグ全チームが1名の指名にとどまった。
しかし、2023年ドラフトではD’station Racing とeM福岡 エンタテ!区 LEGENDSの2チームが3名を指名。
いずれのチームも、2022シリーズで6位、7位と結果がふるわなかったことから、チーム体制の大きな変更が予測される。
D’station Racingは2022シリーズのRd.2でトップチェッカーを受ける(結果はペナルティにより3位)など、上位に食い込む可能性を見せていただけに、今回のドラフト指名でチーム体制がどう変わるか気になるところ。
太字:初指名選手、★:2023年JDSの認定ドライバー合格者
エントラント名 | 1巡目 | 2巡目 | 3巡目 |
EVANGELION e-RACING × ウエインズトヨタ神奈川 |
森本 健太 (もりもと けんた) |
大野 爽太★ (おおの そうた) |
− |
KOSHIDO Jr.RACING | 岡村 康平 (おかむら こうへい) |
− | − |
KOSHIDO RACING | 今里 駿斗 (いまざと はやと) |
− | − |
NISSAN × TRUST RACING |
上野 柊斗 (うえの しゅうと) |
五木 隆太郎 (いつき りゅうたろ う) |
− |
TC CORSE Esports MAZDA | 佐藤 真太朗★ (さとう しんたろう) |
− | − |
AUTOBACS(仮) | 須賀 崇 (すが たかし) |
− | − |
TC CORSE SPK e-SPORT Raicing | 久万田 崚 (くまた りょう) |
草野 貴哉 (くさの たかや) |
|
eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS | 佐久間 輝 (さくま ひかる) |
吉田 航太朗★ (よしだ こうたろう) |
田代 寛朋★ (たしろ ひろとも) |
D’station Racing | 橋間 隼★ (はしま じゅん) |
石水 優夢★ (いしみず ひろむ) |
松山 雄大★ (まつやま ゆうた) |
Sengoku Gaming | 小林 利徠斗★ (こばやし りくと) |
− | − |
エントラント名 | 1巡目 | 2巡目 |
TOMEI POWERED | 嶋田 吉輝 (しまだ よしき) |
− |
WEB OPTION RACING | 浪井 楓 (なみい かえで) |
− |
WEINS_GR × AIRBUSTER RACING |
鵜飼 幸希★ (うかい こうき) |
− |
Team G-7AUTOSERVICE | 秋本 匠啓★ (あきもと なるひろ) |
− |
Yamaha esports Boosters | 平井 睦輝★ (ひらい むつき) |
− |
WEINS CLUB TEAM | 新木 悠真★ (あらき ゆうま) |
岡田 衛 (おかだ まもる) |
多くの初指名の選手に加え、実力のある選手へ他チームからの指名もあり、各チームの体制は2022シリーズとは大きく変わりそうだ。
2022シリーズのドラフトでは全チームが1名の指名にとどまったことを考えると、ほとんどのチームが大幅なリフレッシュを図ったといえる。
ただし、ドラフト会議では各チームが指名権を獲得するだけで、メンバーが確定するわけではない。
契約期限までに選手とチーム間で交渉をおこない、条件面が折り合った場合にチーム入りが確定する。
最終的に各チームがどのような陣容で2023シリーズに臨むかが判明するには、まだ少し時間がかかりそうだ。
Text: 渡邉 篤
■【プレスリリース】JEGT2023シリーズ 開催決定のお知らせ