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ニュースJEGTの認定ドライバーを選出する“JDS(JEGT Driver Selection)”で、昨年の課題コースだったインテルラゴス・サーキット。
JEGT以外のグランツーリスモの大会でも数多く採用されていて、実車の世界ではF1も開催される世界屈指の名門サーキットだ。
その歴史は古く、これまで多くのレースが開催されているインテルラゴス・サーキットだが、実は有名なコーナー名はあまり多くない。
一方でモータースポーツファン以外の方でも知っている、あの伝説のドライバー名を冠したコーナーもある。
インテルラゴス・サーキットのコーナー名をセクター別に紹介。
ただし、今回はほとんどのコーナー名の由来が不明なため、原語ポルトガル語を直訳する形でコーナー名の意味を探っていこう。
セクター1の見せ場は、ホームストレート後の1コーナーから2コーナーにかけてのくだりながらのタイトコーナーだ。
コーナー名としても、インテルラゴス・サーキットのなかでもっとも知られている。
セクター1のコーナーを順にご紹介しよう。
直訳すると“セナのS字”。
史上もっとも有名なF1ドライバーといっても過言ではない、故アイルトン・セナ氏の名前を冠したコーナーだ。
地元ブラジルの英雄で、サーキットの再改修に携わったことから名付けられた。
“反対側のライン”と名付けられたのは、バックストレート。
手前の3コーナー中盤から全開で走り抜ける区間で、次のコーナーへの飛び込みではブレーキング勝負となる。
セクター2に使用されるコーナー名には、コーナーのロケーションや形状を示した名称が使われている。
コース図と見比べながら、名前の意味を考えてみてほしい。
バックストレートを抜けた先のターン4からターン5にかけての区間。
“湖からのくだり”という、そのままの名称が付けられている。
ホームストレート後インフィールドセクションに向けてくだっていく区間だが、左手に湖があるため名付けられたのだろう。
大きく減速して進入する左へのヘアピンコーナー、ターン9に名付けられた“Pinheirinho”という名称は、正確なところはよくわからなかった。
調べたところ、ブラジル全土に分布する和名で“ヒゲノカズラ”という植物らしいが、先端が尖った形をしているので、ヘアピンコーナーの形状を示した言葉だろうか。
“飛び込み”という意味のある言葉を名付けられたのは、ターン12。
左への中速コーナーだが、くだりながらのため姿勢を乱しやすい。
一方で、早く加速体制を作らないと、大きくタイムロスにつながってしまうポイントだ。
セクター3は、ホームストレートにつながる最後の区間。
とくに、実質最終コーナーとなるターン13は、脱出速度がホームストレートでの最高速度に直結するため重要なコーナーだ。
事実上の最終コーナー、ターン13には“ジャンクション”を意味する言葉がつけられている。
再びホームストレートにつながるポイントだからだろうか。
“観覧者”という意味の言葉で、“s”を外すと、英語の“Grand Stand”という意味になる。
ホームストレートにつながる最後の高速コーナーのため名付けられれたのだろう。
インテルラゴスの正式名称は、「アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ」だ。
これは1970年代に活躍した地元ブラジル・サンパウロ出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェ氏に由来するが、“インテルラゴス”という名前にも意味がある。
インテル(Intel)は“間”という意味で、ラゴス(Lagos)は“湖”の複数形。
つまり、“湖の間”にあるサーキットという意味で、地名自体が立地条件から名付けられている。
中継などで使用されるコーナー名は、固有名詞として意味がわからないまま覚えているものも多い。
しかし、コーナー名を翻訳して、言葉の本来もつ意味を調べてみるのも大変興味深い。
世界には数多く有名なサーキットがあるので、ぜひコーナー名を調べてその国の文化にも触れてみてはいかがだろうか。
Text: 渡邉 篤
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