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ニュース2023年6月、100周年を迎えたル・マン24時間レースに50年振りにワークスとして復帰したフェラーリ。
50年のブランクを感じさせないさすがのクルマ作りで、見事総合優勝を果たした。
F1を始めとするモータースポーツ界での活躍を背景に、誰もが憧れるスーパーカーを作り続けるフェラーリ。
なかでも、グランツーリスモ7に3つのバリエーションが収録され、歴代モデルとは異なるスタイリングで登場した458 イタリアを紹介しよう。
458 イタリアの車名の由来は、エンジンが4.5LのV8エンジンというシンプルなものだ。
クルマ自体も実にシンプルな思想で開発されていて、徹底的にハイパフォーマンスカーとしての性能が追求されている。
前モデルと大きく変わった458 イタリアの外観、そしてエンジン性能について紹介しよう。
458 イタリアの外観は、前身のF430とは大きく異なる。
歴代フェラーリ伝統のボディサイドに設けられたエアインテークは廃止され、フロントからリアエンドまで流麗な曲線でつながれている。
よく言えばシンプル、悪く表現するとやや物足りない印象のデザインだが、実は空力性能を徹底的に追求した結果たどり着いたデザインだ。
フェラーリは、458 イタリアをハイパフォーマンス・スポーツカーという位置付けで開発していて、純粋に走行性能追求した結果生み出されたデザインということだろう。
458 イタリアは、プラットフォームから新たに設計された。
アルミをメイン素材に使用したフレームは大幅な軽量化を図りながら、ボディ剛性はF430に対して20%も向上させている。
4.5Lの大排気量を誇るV8エンジンは、9,000回転で最大出力570psを発生する超高回転型。
内部フリクションを徹底的に押さえることで実現した高回転エンジンだ。
458 イタリアの内装でまず目を奪われるのが、さまざまなスイッチが配置されたステアリングホイールだ。
エンジンスタートスイッチや走行モードを選択する“マネッティーノ”スイッチが、レーシングカーライクでかっこいい。
さらに、ウィンカーやハイビーム、ワイパーといったものも一般車のようなレバー式ではなくスイッチとしてステアリングに配置されている。
また、コックピット周辺のスイッチ類も全てドライバー側を向けてレイアウトされ、いかなる場面でもドライビングに集中できそうだ。
ブラックレザーでまとめられた内装は、アクセントにシルバーを使用してシンプルながら高級感たっぷりに仕上げられている。
インパネは、中央の大口径アナログタコメーターの左右にTFT液晶を配し、昔ながらのレーシーな雰囲気と最新のテクノロジーが見事に同居したデザインだ。
グランツーリスモ7には、市販モデルの“458 イタリア’09”、“458 イタリアGT3(Gr.3)”、“458 イタリア Gr.4”の合計3車種が収録されている。
販売されたモデルと、レーシングカーをぜひ乗り比べてみてほしい。
レーシングカーが速いのは当然だが、市販モデルの性能がいかに高い次元にまとめられているかがよくわかるはずだ。
>>フェラーリ同様多くのバリエーションが収録されているAMG GTの車種紹介はこちら
458 イタリアは、レースカー仕様でもベース車両とほとんど外観の印象が変わらない。
市販車ベースのレース車両は、空力や足回りセッティングの違いから一般に売られているクルマとは大きくデザインが異なる場合が多い。
しかし、458 イタリア GT3’13は、リア周りのブリスターフェンダー化やGTウィングが装着されている点以外はほとんどオリジナルと同じ形状を踏襲している。
それだけ、市販車モデルの空力性能が優れているということだ。
グランツーリスモ7に収録されている458 イタリアは、見た目や挙動だけではなくフェラーリ独特のエンジンサウンドも見事に再現されている。
アクセル全開で響くフェラーリサウンドを、ぜひ大音量で楽しんでほしい。(音量を上げる際はヘッドホンを使用するなど周囲には十分配慮しよう)
ただし、Gr.3仕様の458 イタリアGT3’13をレースで使用する際は、一定以上のドライビングスキルが必要だ。
MR特有の回頭性の良さから、繊細なアクセルワークを身につけていないとコーナーで簡単にスピンを喫してしまう。
グランツーリスモ7でフェラーリ 458 イタリアを運転する際は、車内視点で存分にフェラーリに乗っている感覚を味わってみてはいかがだろうか。
当時458 イタリアの販売価格は3,000万円に迫るため、実際に運転する機会はほとんどない。
しかし、グランツーリスモならいつでも自由に運転できる。
さらに、無駄を削ぎ落としたレースカーよりも、市販モデルをおすすめしたい。
高級スポーツカーの豪華な内装を見ながら運転するのは、たとえサーキットでタイムが出なくても楽しいものだ。
Text: 渡邉 篤
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