NEWS
ニュースモータースポーツ発祥の地といわれるフランスのサルト・サーキット。
毎年6月に開催される耐久レースの代名詞、ル・マン24時間レースの舞台だ。
その特徴は、全長13.6kmにも及ぶ世界屈指のロングコースであることと、現在はシケインによって3つに分割されたが長いストレート。
テレビ中継などで長いコースをすべて把握することは難しいが、有名なコーナーも数多くあるので、コーナー名を覚えてしまえばある程度全体像が掴める。
長いサルト・サーキットなので、前後半に分けて代表的なコーナー名を紹介しよう。
大半が公道を使用したコースということで、多くのコーナー名に地名が使われている。
先日紹介した、スパ・フランコルシャン同様、モータースポーツが根付いたヨーロッパらしく、地域へのリスペクトが感じられるネーミングだ。
>>コーナー名に地名が取り入れられたスパ・フランコルシャンの解説はこちら
タイヤを模した巨大な橋がかかり、しかも実際にコースを横切る観戦者のための歩道橋として使われているのも興味深い。
コースの大半が公道を使用するなか、常設の「ブガッディ・サーキット」内に設けられている。
テアトル・ルージュとは、「赤い丘」を意味するフランス語で、1950年代に整備した際、地面が赤かったため名付けられた。
その脱出速度は続くストレートのトップスピードに直結するため、重要なコーナーとなる。
レース中継などでは単に「ユノディエール」とも称されるサルト・サーキット名物の高速区間で、中間地点にある村の名前が由来。
かつては全長6kmにも及ぶ直線で、トップカテゴリの最高速度は400km/hにも達していたのだから驚きだ。
しかし、安全性の観点から1990年に途中に2つのシケインが設けられている。
コーナーの設置位置が入り口になっている村の名前が由来。
その後続くコーナーまでは再び高速区間となるので、早く脱出姿勢を作ってスムーズに加速することが重要だ。
コース全体の全開率が高いサルト・サーキットだが、後半はブレーキングとアクセルワークが鍵を握るテクニカルセクションとなる。
風景が似ているのでテレビ中継などでは混同してしまいがちだが、コーナー名と由来を1つずつ見ていこう。
アメリカのインディ500マイルで有名な、インディアナポリス・モーター・スピードウェイが名前の由来。
コーナー名としては珍しく、別のサーキット名が冠されたコーナーだ。
ブリック(レンガ)ヤードと呼ばれるインディアナポリスと同様、舗装される前はレンガ敷きだったうえ、バンクしていることから名付けられた。
コーナー名の由来は近隣にある村の名前。
手前のコーナーからわずかな直線を挟んで続く直角コーナーで、コース上もっとも低速で抜けるコーナーだ。
低速コーナーからの立ち上がりに失敗すると、続く直線でのオーバーテイクされやすくなってしまうこともあり、アルナルージュでは多くの名勝負が繰り広げられてきた。
高速サーキットと知られるサルト・サーキットは、安全対策のためにいくつかのコーナーが追加されている。
ポルシェ・コーナーもその1つで、コース改修時の資金提供によってポルシェがネーミングライツを獲得した。
ポルシェ・コーナー同様に、安全対策のためあとから追加されたコーナー。
フォードがネーミングライツを獲得した。
ホームストレートにつながるシケインのため、脱出後にはスムーズに加速したい。
日本語では「サルト・サーキット」、フランス語でも「シルキュイ・ドゥ・ラ・サルト(Circuit de la Sarthe)」と表記されるが、実は正式名称は異なる。
「Le circuit des 24 heures du Mans」、日本語では「ル・マン24時間サーキット」が正式名称だ。
ル・マン24時間レースは、「F1 モナコグランプリ」「インディアナポリス500マイルレース」と並んで世界三大レースといわれる特別なもの。
レース期間だけオープンする特別な公道コースだけに、グランツーリスモが手元にある人はぜひドライブしてみてほしい。
また、コーナー名を覚えておくとレース観戦でも大いに役立つ。
とくに夜間帯の暗い中では、実況から聞こえるコース名だけがどこを走っているかを掴む手掛かりになる。
本ページをスマホなどで開きながら、レースを楽しんでみてほしい。
Text: 渡邉 篤
■グランツーリスモ初心者のための世界の名門サーキットコーナー名紹介 〜スパ・フランコルシャン編〜