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ニュース2023年2月の発売か3ヶ月が経過したPlay Station®️VR2(以下PSVR2)。
グランツーリスモ7では、よりリアルなドライビング体験ができるとしてさまざまなメディアでも紹介されている。
入手直後はVR酔いに悩まされたが、現在では慣れてきてある程度まとまった時間プレイできるようになってきた。
そこで、発売直後のレポート記事でご紹介したが、改めてグランツーリスモ7でPSVR2を使用する魅力を整理してお伝えしよう。
ただし、あくまでも筆者がプレイをしてきて受けた印象による主観的な評価であることをご了承いただきたい。
ゲームでVRを体験するという点で、PSVR2はコアなゲーマーのアイテムだと思われがちだ。
しかし、むしろゲームに慣れていない方にこそおすすめしたい。
PSVR2の魅力と、初心者におすすめする理由について詳しく紹介しよう。
グランツーリスモ7で、よりリアルなドライビング体験を求めると、4K大画面モニター、ハンコン(ハンドルコントローラー)、コックピット、サウンドシステムの構築が必要だ。
しかし、PSVR2なら少なくとも大画面モニターとサウンドシステムがなくても、没入感あるドライビング体験ができる。
また、映し出される画面は実車のコックピットに限りなく近いので、コックピットはもちろん、ハンコンがない環境でもクルマに乗っている感覚を十分味わえるはずだ。
PSVR2を通してみるグランツーリスモの世界は、実車のシートに座って眺める風景に限りなく近い。
自動車の運転経験のある方なら、ゲームをあまりしたことがなくても違和感なく運転できるだろう。
初めてグランツーリスモをプレイする際にとまどうのが、実車との感覚のズレ。
画像や挙動がどれだけリアルでも、プレイする椅子やソファからモニターまでの距離、画面サイズによる縮尺の違いからどうしても画面上のクルマを動かすという感覚が払拭できない。
慣れてしまえば修正はできるのだが、実車との感覚の違いからプレイそのものをやめてしまう人も少なくないだろう。
トッププレイヤーの多くも使用しているノーズ視点、初心者向けといわれる車両背後からの視点はいずれも実車ではあり得ない視点だ。
また、コックピット視点がもっとも実車に近いものの、平面モニターだと視界が狭くかえって運転しにくいと感じるプレイヤーもいるだろう。
頭の向きに応じて視野が移動するPSVR2なら、もっとも実車に近い感覚でプレイできる。
PSVR2はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に画面を映し出すため、平面モニターでのプレイにはなかった注意点もある。
慣れで解決できる部分もあるが、可能ならアップデートでよりよいプレイ環境が実装されることを期待したい。
PSVR2を使用する際は、クルマの向きやドライビングポジションを画面上とできるだけ正確に一致させるほどリアリティが増す。
しかし、思い通りの位置合わせをするには少々コツが必要だ。
PSVR2を使用してレースをスタートすると、最初は平面モニター時と同じ画面が表示される。
カウントダウン中にVR特有の視点に切り替わるのだが、きちんとドライビングポジションで正面を向いておかないと、切り替わった瞬間に向いていた方向で正面がリセットされてしまう。
とくにハンコンを使用している場合は、画面上と実際に握るステアリングの位置に違和感のないポジションを事前に把握しておくことが重要だ。
PSVR2でもラップタイムをはじめとしたある程度の車両情報は表示されるが、平面モニターで表示される走行中のライバルの位置や右上のコースマップ、左側のポジション、ファステストラップといった情報は表示されない。
レース中、目の前に見えているクルマ以外のライバル車の動きがまったくわからないため、ピットタイミングなどの戦略を立てるうえで不便だ。
確かに実車ではそもそも他車の位置やタイムを車内で確認する術はないのでリアルではあるのだが、実際のレースではピットから情報が細かく入る。
PSVR2でも、レース中の情報を取得できる機能が実装されることを強く望みたい。
PSVR2のHMDを頭に装着してプレイする画面上の視野は、実車から見えるものと同様だが、物理的には目から数cmしか離れていない距離に画面がある。
もちろん人体に影響のないように設計はされているものの、長時間のプレイによる目の疲労には注意が必要だ。
また、プレイ中は気にならないが、頭を締め付けるというのは思いのほか暑いし疲れる。
十分な休息を取りながらプレイしてほしい。
グランツーリスモ7をプレイするうえで、PSVR2は必須アイテムというわけではない。
一方で、よりリアルなドライビング体験を求める人にとっては、劇的な違いを実感できる可能性の高いデバイスの1つだ。
また、ハンコンやコックピットは、部屋の間取りによっては導入が難しいこともある。
その点、PSVR2であれば普段のプレイ環境に影響されにくいのもメリットだろう。
ソファに座って純正コントローラーでプレイする方でも、比較的導入ハードルは低い。
グランツーリスモ7をプレイする環境は、PSVR2の登場によってさまざまな選択肢が増えた。
ゲームとしてシンプルに純正コントローラーで楽しむ、ハンコンを導入して実車同様の操作感を体験する、コックピットまで揃えてリアルなドライビングを味わう、そしてPSVR2によってコーナーの起伏やスピード感まで再現する。
それぞれの楽しみかたでグランツーリスモの世界を体験してほしい。
Text: 渡邉 篤
■グランツーリスモ7でPSVR2とハンコンを使うとレース体験が格段にリアルで快適になった