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ニュース「バックストレートに設置されたシケインの飛び込みでオーバーテイク!」
この言葉だけでコースの形状やレース状況を的確に想像できるだろうか。
ドライバーの腕を試すように直線とコーナーを複雑に組み合わせて構成されたサーキットでは、コースの形状ごとにそれぞれ名称がついている。
名前と特徴を覚えておくと、レース観戦や自分で走る際に具体的にイメージをすることができるだろう。
グランツーリスモ初心者の方はもちろん、レースを見慣れた方もサーキット用語を改めて確認してほしい。
スタートラインが設けられ、メインスタンドが設置された直線区間を一般的にホームストレートと呼ぶ。
バックストレートの定義は曖昧だが、ホームストレート以外でもっとも長い直線部分をバックストレートとする場合が多く、多くはホームストレートの反対側にレイアウトされている。
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ピットレーン(またはピットロード)は、コースとピットをつなぐ部分を指す。
コース上には白線が引かれていて、ピットに向かう場合は白線の内側を走行しなければ違反(ホワイトラインカット)となってしまう。
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コース周回方向の出現順に、ターン1、ターン2と数えていく。
1コーナー、2コーナーとも表現される。
また、単なる番号ではなく愛称で呼ばれるコーナーも数多くあるので、コーナー名を覚えるのもグランツーリスモやレースの楽しみ方の1つだ。
コーナーにつけられた愛称は、付近に設置されている看板や元の地形の名称などさまざまな由来があるので、興味のある方はぜひインターネットなどで調べてみてほしい。
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S字コーナーとは連続コーナーのことで、左右のコーナーが直線区間を挟むことなく続けて設置されている。
上空から見ると、文字通り「S」の字のようになっていることから名付けられた。
短い区間に作られた左右(もしくは右左)と連続するコーナーをシケインと呼ぶ。
多くのシケインは低速コーナーとなっていて、長いストレートなどの高速域から減速させる目的で作られている。
ヘアピンコーナーは、180度曲がる鋭角なコーナー。
髪の毛などにとめる「ヘアピン」のような形状をしていることが名称の由来だ。
なお、厳密に180度曲がらない場合も、近い形状であればヘアピンコーナーと呼称されることもある。
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低・中・高速コーナーは、それぞれコーナリングスピードによってわけられ、コーナーの角度を表現している。
例えば高速コーナーは、高いスピードを維持したまま抜けられる角度の緩いコーナーを指す。
中速・低速コーナーとなるにつれてコーナーは鋭角になっていき、先述したシケインやヘアピンは低速コーナーに分類される。
また、コーナーの曲がり具合を示す単位として、「◯R」表現も覚えておきたい。
「R」とは半径のことで、半径が大きくなるほどコーナーは緩やかになる。
特に高速コーナーに限った単位ではないが、鈴鹿サーキットの「130R」など高速コーナーで使われることが多い。
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コーナーの名称や特徴がわかっていると、レース状況を的確に把握できるようになる。
さらに、「次のヘアピンコーナーの進入で追いつけるかも」などサーキットの形状から先の展開を予測したり、「狭いS字なのにサイドバイサイドなんて!」とドライバーの凄さをより実感したりでき、レースを楽しめるポイントも増えるだろう。
グランツーリスモやモータースポーツ初心者の方であれば、ただドライビングや観戦をするだけでも確かに楽しめる。
しかし、専門用語を理解すると楽しみの幅が何倍にも広がるので、ぜひ簡単なものから覚えていってもらいたい。
Text: 渡邉 篤
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