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ニュースリアルドライビングシミュレーターを謳うグランツーリスモを徹底的に楽しむのなら、運転免許を持っているかどうかにかかわらずリアルな車の世界を知っておきたい。
ということで、今回はグランツーリスモ初心者でも比較的扱いやすく、しかも速さもある2017年モデルのスイフトスポーツを紹介しよう。
“スイスポ”の愛称で親しまれるスズキ スイフトスポーツは、軽量コンパクトなボディに軽快に吹け上がるエンジンと応答性の良い足回りをもつスポーツハッチバックだ。
多くのスポーツモデルが高騰を魅せるなか税抜100万円台という新車価格を実現し、貴重な入門スポーツモデルとしてドライバーのレベルを問わず人気となっている。
世界中の車好きから高い評価を受けているスイフトスポーツの特徴や魅力を知って、グランツーリスモの世界を存分に楽しもう。
初のターボ化に3ナンバー化と初物づくしの4代目スイフトスポーツ。
初代から続くエンジンを始めとする各部を妥協なく専用設計するという伝統を踏襲し、スイフト史上最大の進化を遂げた。
初代スイフトスポーツの登場を振り返りつつ、現行型の高い走行性能を詳しく紹介しよう。
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初代スイフトスポーツの登場は2003年、ベース車両のマイナーチェンジと共にリリース。
初代から2代目までは、スイフトのスポーティグレードという位置付けで開発された。
しかし、当初からただのグレード違いという枠を超えて、エアロパーツはもちろん、エンジンやサスペンション、ボディ剛性強化など多くの専用設計パーツが奢られた。
3代目から、ベース車両スイフトのラインナップから独立したスポーツモデルに移行。
より自由度の高い開発が可能になったことで、進化を加速させていった。
4代目スイフトスポーツ最大のトピックスは、初のターボ化と3ナンバー化だ。
先代のM16型1.6Lエンジンから1.4Lにサイズダウンしたものの、K14C型直列4気筒直噴ターボエンジンは最大出力140ps(5,500rpm)、最大トルク23.4kg・m(2,500-3,500rpm)を発生。
スポーツカーとしては200psオーバーが当たり前の現代で、140psというのは少々物足りなく感じるかもしれないが、わずか970kgに抑えられた車重を考えると十分なパワーだ。
しかも、全長と全幅ともに拡大し3ナンバーサイズになったにもかかわらず、先代から80kgもの軽量化を実現したのはスズキ開発陣のスイフトスポーツにかけるこだわりがあらわれている部分だろう。
高出力、高トルク化されたエンジンに合わせてクロスレシオ化されたトランスミッションと合わせて、クラス最高の気持ちの良い加速感を味わえる。
スイフトスポーツがこだわっているのはエンジンだけではない。
走行性能に影響するほとんどのパーツに専用のチューニングを施し、爽快感溢れる走りを実現している。
サスペンションには専用設計されたモンロー®️製のストラット&ショックアブソーバーを装備。
アーム類やスタビライザー、ブッシュ、ハブベアリングに至るまで徹底的に見直してスイスポならではの軽快なハンドリングを実現している。
また、ボディは軽量化と同時に剛性の向上を高次元で両立。
引き締められた足回りを最大限にいかした、キビキビとしたコーナリングを体感できる。
スイフトスポーツは、内外装もいたるところに専用設計されたパーツが使用されている。
エクステリアでは、フロントからリアまでフルエアロを装備。
フロントバンパーはベース車両よりも広い開口部をもつ鋭い形状で、3ナンバーサイズに拡大した全幅をさらに広く見せつつ、ハッチバックながらワイド&ローを強調したスポーツモデルらしいデザインだ。
また、サイドアンダースポイラーやリアスポイラーも、純正らしく華美ではないもののクルマ全体のイメージを引き締めるのに欠かせない。
さらに、フロントバンパー下部のスポイラーやリアディフューザーまで装備し、単なる飾りではなくエアローパーツ全体で空力性能を考えた設計となっている。
インテリアに目を移すと、まずはインパネのデザインに目を奪われる。
戦闘力の高さを期待させる丸型大口径の赤色のタコメーターと銀色のスピードメーター。
さらに、刻々と変化する車両情報が表示されるマルチインフォメーションディスプレイを丸型メーターの真ん中に配置し、近未来的な印象を与えると共に的確なドライビングをサポートしてくれる。
また、ホールド性が高いバケット形状のシートには、赤いステッチが施され特別感を演出。
100万円台の車格のスポーツモデルとは思えないほど、細部に至るまでこだわりが見られる。
グランツーリスモ7に収録されるスイフトスポーツは、現行型となる2017年モデルだ。
実車同様に軽快なハンドリングと抜群の加速性能を誇り、同クラスで出場できるレースイベントのクリアをするための強い味方になってくれる。
グランツーリスモに登場するスイフトスポーツにも軽く触れておく。
>>グランツーリスモに登場する車両の駆動方式の違いについてはこちら
スイフトスポーツ’17は、グランツーリスモ7のゲーム序盤、カフェNo.5のイベントをクリアすると賞品としてもらえる。
使用できるクレジットが少ない時期だけに、ゲームの進行を助けてくれる貴重な一台だ。
しかも、同時期に出場できるゲーム内のレースでは無類の速さを発揮してくれる。
必要に応じてGTショップでチューニングをして存分に活用しよう。
スイフトスポーツの駆動方式はスポーツカーとしては不利とされるFF(前輪駆動)だ。
しかし、FFのほうが一般的に扱いやすいので、操作に慣れていないグランツーリスモ初心者にとってはFRよりも有利になることもある。
FFはコーナーで外に膨らんでいくアンダーステアの傾向が強い反面、コーナリング時に乱暴にアクセルを開けても挙動を乱してスピンを喫する恐れがほとんどない。
しかも、加速性能とハンドリング性能の高いスイフトスポーツなら、無理な速度で進入ができない分を脱出時の加速で取り返すことができる。
ただし、コーナー進入時に十分速度を落としておかないと、まったく曲がることができずにコースアウトしてしまうので注意しよう。
スイフトスポーツは、ベース車両の単なるスポーツモデルではなく、別車両とも言えるほど多くの専用装備や見直しが図られている。
トヨタ ヤリスに対するGRヤリスやホンダ シビックに対してのシビック TYPE-R、ランサーやインプレッサのWRCモデル並みのこだわりようだ。
一方で、スポーツモデルとして名車といわれるほとんどの車種は、高い走行性能の実現と引き換えにベースモデルとは比較にならないほど価格が引き上げられていることが多い。
その点、スイフトスポーツの価格上昇は限定的で、ベース車両と同じ税抜100万円台で購入できる。
軽自動車を中心に、性能とコストのせめぎあいを長年繰り返してきたスズキだからこそ、スイフトスポーツは生まれたのかも知れない。
限られたコストのなかで性能を最大限高めるという、スズキの開発思想の集大成ともいえるスイフトスポーツ。
力強い走りと軽快なハンドリング、精悍なスタイリングを備えたスイスポの魅力を、まずはグランツーリスモで味わってもらいたい。
Text: 渡邉 篤
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