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ニュースYouTubeでの中継や上級者の会話によく出てくる言葉を正確に理解しておくと、初心者でもグランツーリスモだけではなく実車のレースをより楽しめるようになる。
今回の「グランツーリスモ初心者のためのモータースポーツ講座」は、レース中によく使われる言葉にフォーカスして紹介。
難しい言葉はなく、知らなくてもレースを理解できるものばかりだが、知っておくとレース状況を端的に把握できるようになる。
ピットから出た直後の周回をアウトラップ、ピットに入る直前の周回をインラップという。
ピットインをする際は、制限速度のあるピットレーンを走行するため、どちらも通常の周回よりもタイムが落ちる。
さらに、ピットでタイヤ交換をおこなった場合は、タイヤが十分にあたたまっていないアウトラップでは本来のパフォーマンスを十分発揮できない。
通常の周回と比べてタイムの悪化するアウトラップとインラップの落ち込みを抑えることが、レース結果に大きく影響する。
コース上を走るライバル車にペースを乱されることなく走行した周回を指す。
「クリアラップ」と同義語。
予選などのタイプアタック時に使用するが、ピットアウト後や追い上げをしている際のレース中にも使用される。
もっとも速いタイムを刻める可能性が高いため、クリーンラップをできるだけ多く走れるタイミングでピットアウトすることも重要なレース戦略だ。
ピットストップのあるレースで、ピットストップ間の区切りを示す言葉。
スタートから最初のピットインまでを「第1スティント」、2回目のピットイン後なら「第3スティント」という。
ピット戦略が重要になるレースでは、ライバルチームの動向やタイヤマネジメントの状況でスティントの長さを調整する。
スタートラインを起点にサーキットの1周を区切る区間のこと。
セクターごとにタイムが計測されるので、1周を回るタイムの目安になる。
JEGTのスーパーラップなどのタイムアタックや前走者を追い上げる場面では、「セクター1でベスト」といった情報からラップタイムの更新可能性を推測するのもレースの楽しみ方の一つだ。
多くのサーキットでセクターは原則3区間だが、ニュルブルクリンクなど全長の長いサーキットではもっと多くのセクターが設定されていることもある。
BoPとは「Balance of Performance」の略で、日本語では「性能調整」という。
車両の性能差による不公平を解消し、レースがより接戦で面白いものになるように設けられた制度だ。
実車では、最低車両重量、エアリストリクター径、最低地上高、最大過給圧に車両ごとに規定を設けて、各車の性能をできるだけ均一に調整する。
グランツーリスモでBoPを適用する場合は、個別のパーツ調整は不要。
装着したチューニングパーツが初期状態に戻されるほか、車重とパワーが車種ごとに設定された値に自動調整される。
今回紹介した言葉は、実は知らなくても前後の文脈からある程度は推測できるものばかりだ。
しかし、レース用語を知っていると、刻一刻と変わるレース状況をスムーズに理解できるようになり、楽しみの幅がより広がる。
トップを走る選手を追いあげる後続車が「セクターベスト」を重ねていることを理解できると、結果だけではなく追いつく過程を具体的に掴むことができるだろう。
覚えやすく簡単な言葉をきっかけに少しずつでもレース用語を理解して、今以上にレースを楽しんでもらいたい。
Text: 渡邉 篤
■グランツーリスモ初心者のためのモータースポーツ講座 〜中継でよく使われる言葉編〜