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ニュース発売から約1ヶ月となるPlayStation®️5専用機器のPlayStation®️VR2(以下PSVR2)。
VRならではの立体感と4K(片目2K)出力によるリアルな描画が話題のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)だ。
PSVR2に対応するゲームはさまざまあるが、ハンコンというリアルに近いデバイスを使えるグランツーリスモ7はVRによって体験の幅がさらに広がったと話題になっている。
今回は前回の速報レビューに続いて、グランツーリスモ7でPSVR2を利用するメリットをより詳しく紹介しよう。
PSVR2の購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてほしい。
ただし、あくまでもゲーム歴の浅い筆者個人の主観に基づいた記事のため、専門家の客観的な評価とは異なることもある点はご了承いただきたい。
グランツーリスモ7でPSVR2の良さを最大限に感じたのはレースだ。
さまざまなコースの起伏やコーナリングを体感するだけでも実に楽しいのだが、相手のいるレースでこそPSVR2の特性をさらにいかせる。
グランツーリスモ7はほとんどのメニューがVR対応となっているため、アーケードレースはもちろん、「スポーツ」内で開催する各種レースや「ロビー」にも参加可能だ。
特にハンコンを使用している場合は、PSVR2を使ってよりリアルなレースをこれまで以上に楽しんでほしい。
もちろん、純正のDualSenseコントローラーを使用している方でも、PSVR2の良さは十分に体感できる。
単独走行とは違う、レースでPSVR2を使用した際のメリットをご紹介しよう。
PSVR2では視覚的にはほぼ実車と同じサイズに見えるため、前走車との距離感を掴みやすい。
相手が減速したタイミングやブレーキの強さもわかりやすく、俗にいうミサイルになることなく相手に合わせたブレーキングが可能になる。
また、コーナー進入時にレイトブレーキングでオーバーテイクなんてことも格段に仕掛けやすい。
ドライビングテクニックそのものが向上するわけではないので、腕を過信して突っ込んでしまうのは禁物だが、まずは他車に接触せずにレースをすることで徐々に感覚を掴んでいけるだろう。
PSVR2を使用すると、頭を少し動かせば実車と同様にミラーや左右を確認できるため、他車の位置を簡単に掴める。
車両後方からの視点以外では確認しにくかった、左右と斜め後方に接近するクルマを把握しやすくなった。
JEGTを始め、オフライン開催されるグランツーリスモの大会をみると、多くのプレイヤーがノーズ視点を選択している。
画面上にレーダー表示はあるものの、左右を確認するためにはボタン操作が必要なため、激しいバトルの最中には難しい。
PSVR2なら、実車のレース同様に視界の端に捉えるだけで他車を把握できるため、どのラインをケアすればいいのかを瞬時に判断できる。
また、スタート直後の密集状態でステアリングを切ったら、真横にいるクルマと接触してレースにならなくなるといったケースも回避しやすくなるだろう。
PSVR2による実車同様のスケール感は、レースで自分の走行ラインを見つける際にも大いに役立つ。
前を走る2台のあいだや、コーナリング中のイン側にあるスペース幅と自分のクルマの幅を照らし合わせて、抜けられるかどうかを感覚的に見極められる。
さらに、ハンコンを使用していれば、視覚情報と体の動きを一致させやすいので正確なコントロールでわずかな隙間にクルマをねじ込むことも可能だ。
JEGTなどで走るトップドライバーであれば、ノーズ視点でも車幅を的確に把握しているが、一般のプレイヤーが実際には見えない車幅を把握することは難しい。
ましてや、コーナリング中に自分のクルマが入れるだけの隙間があるかを判断するのは至難の技だ。
正確に把握できていないことで、無理に進入してぶつけてしまってはレースにならないし、実際には抜けられるスペースがあるのに自重してしまっては好成績を残せない。
PSVR2であれば、自分の入れるスペースやライン取りをこれまでよりも正確に把握できるので、よりアグレッシブにコーナーを攻めることができる。
実車に近いドライビング体験ができてメリットも大きいPSVR2だが、慣れるまで時間がかかることもあるので焦らずにじっくり取り組んでほしい。
PSVR2そのものへの慣れという意味では、酔いや視点の合わせ方の問題もあるが、ここではグランツーリスモ7をプレイする際にこれまでと変わる点に絞ってお伝えしよう。
>>VR酔いなどPSVR2そのもののレビューについて詳しくはこちら
PSVR2で実車同様の視点になることで、ブレーキングポイントの目印の見え方が変わったり、そもそも見えなくなったりすることもあるので注意したい。
これまでノーズ視点でプレイしていた人はもちろん、車内視点ともPSVR2の見え方は異なる。
一方で、視点がリアルになることで、感覚的にはブレーキングポイントを判断しやすいと感じた。
コーナーとの距離感や曲がり具合が正確に掴めるので、何度かプレイしながらPSVR2での新しい目印を見つければ問題ないだろう。
グランツーリスモ7でPSVR2を使用した際に描かれる画面は、限りになく実車に近い。
レースでのポジションやタイム、現在のシフトなどは別途表示することができるが、速度やエンジン回転数などは実車同様に車両のメーターで確認する必要がある。
また、通常のゲーム画面で画面下部に表示されているほど多くの情報が同時に表示できるわけではないので、慣れるまで少しとまどうだろう。
さらに、実車同様の描写とはいえあくまでもCGでの描写のため、表示の細かいメーターの視認性はあまり高いとはいえない。
ただし、実際のレーシングカーではドライバーはほとんど速度計を見ることなく、クルマへのGやタイヤのグリップを感覚で感じ取ってコーナリング速度を調整する。
PSVR2を使用する際は、実車同様にクルマと対話しながら走らせることが求められるということだろう。
また、現実にはない中空に浮いた文字表示が、酔いの原因になるという情報も散見される。
PSVR2に慣れていなくて酔うと感じる方は、一度表示を切ってしまうのも酔い対策に有効かもしれない。
筆者の腕の問題も大きいとは思うが、実はPSVR2にしたからといってタイムが速くなったわけではない。
慣れの問題もあり当初に比べれば速くなったが、通常モニターでのプレイと同等のタイムといったところだ。
しかし、レースを走ってみるとPSVR2の恩恵を最大限に感じることができた。
前走車のクルマのサイズ感、視界の端で捉える真横を走るライバルの気配、コース上に実際にいるかのような体験をできる。
他車との接近やコーナーでのオーバーテイクでは、場面によっては恐怖心すら感じるほどだ。
また、クルマの挙動を掴みやすくなった点も付け加えておきたい。
実際にGを感じることはないが、クルマに乗り込んでいるのと変わらない視点のため、リアタイヤが滑り始める瞬間を感覚的に捉えられるのだ。
PSVR2は、金額的なハードルもある機器なので万人におすすめできるアイテムではないが、リアルなドライビング体験をしたい方はぜひ導入を検討してみてはいかがだろうか。
Text: 渡邉 篤
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