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ニュース初心者のころグランツーリスモをプレイしていて、サーキットを上手く走れない理由のほとんどがブレーキングだ。
オーバースピードでコーナーを曲がりきれずコースアウト、進入時に挙動を乱してスピンという経験をしている方も少なくないのではないだろうか。
そこで今回は、グランツーリスモの上達に欠かせないブレーキングの基本的な考え方とその方法について紹介したい。
一朝一夕に習得できるものではないが、ぜひ粘り強く練習してほしい。
実際にクルマを運転する方ほど、グランツーリスモにおけるブレーキングの違いにとまどうことも多い。
普段の運転で限界まで加速することはなく、特別意識していなくても軽くブレーキを踏むだけでほとんどの場合対応できる。
しかし、グランツーリスモでレーシングカーを使用してサーキット走行をすると、300km/h近いスピードから60km/h以下にまで一気に速度を落とす場面もあり、いつもの感覚でブレーキングをしても間に合わないのだ。
まずは、グランツーリスモでのブレーキングどれだけ重要なのかについて紹介しよう。
グランツーリスモで速いドライバーは、必ずといっていいほどブレーキングが上手い。
ドライバーの実力差がもっとも出るコーナリングで、ステアリング捌き以上に重要な技術がブレーキングとなる。
ブレーキングによって適切な速度にクルマをコントロールできれば、多少ステアリング操作が乱れてもコーナーを安全にクリアできる。
安定したラップタイムを刻みながらコーナーでバトルをできるのは、確実なブレーキ技術が備わっているためだ。
理想的なブレーキングとは、掛ける時間と強さを最小にすることだ。
サーキット走行でいいタイムを残すには、走行中の平均速度をいかに落とさないかという点が重要となる。
できるだけ高い速度でコーナーを回り、アクセルを踏んでいる時間を長くすればタイムアップすることが可能だ。
しかし、しっかりと適切な速度に落とさなければコーナーをクリアすることができないばかりか、脱出時にスムーズな加速もできない。
可能な限り短い時間で目標とするコーナーの適切な速度まで落とし、安定してコーナーをクリアすることがタイムアップするために欠かせない最大のポイントだ。
ブレーキングの技術を向上させるためには、同じ車種とコースで繰り返し練習しよう。
ブレーキの特性は車種によって大きく異なり、ブレーキタイミングや量はコースによっても変わってくる。
慣れないうちに、さまざまな車種やコースで練習をすると正解を見つけるのが難しい。
どのポイントでブレーキを踏んでいつ離すのかという点を、感覚でつかめるようになるまで何度も同じ状況で練習することが大切だ。
ブレーキングには大きく分けて、「止める」「残す」「向きを変える」という3種類がある。
この3種類のブレーキングを理解し、適切に使い分けることができるようになることが、グランツーリスモを上達するための近道と言ってもいい。
それぞれの違いに加え、どういったシチュエーションで使うのかについて詳しく解説しよう。
>>グランツーリスモ初心者に向けたそのほかの練習ポイントはこちら
ブレーキングの基本は、クルマを止めることだ。
最短距離で狙った速度に落とせるように練習しよう。
初心者のうちはクルマの姿勢が安定している直線でフルブレーキングをして、進入前にコーナーを抜けられる速度まで落とすことが重要だ。
最適なボトムスピードはコーナーによって異なるが、十分に速度を落として進入すればコーナリング中に姿勢を乱しにくい。
コーナー手前で確実に速度を落とすことでコーナリング時の姿勢が安定し、脱出するときにも速くアクセルが踏めるようになる。
「止めるブレーキ」をマスターするだけでも、タイムは一気に向上するはずだ。
トレイルブレーキングとは、ブレーキを一定程度踏みながらコーナリングをするテクニックで「ブレーキを残す」と表現されることもある。
進入前にもっとも強くブレーキを踏むという点は「止めるブレーキ」と同じだが、その後ブレーキを3〜7割程度踏んだままステアリングを切ってコーナーに進入していく。
フルブレーキングで適切なボトムスピードまで一気に落とさなければならないコーナーは、ヘアピンやシケインなどに限られていてあまり多くない。
進入から一気にボトムスピードまで速度を落とすより、入り口からクリップポイントに向けて徐々に速度を落としていけば、さらにコーナリング速度が上げられる。
ただし、トレイルブレーキングでも適切な速度まで落とすことが重要だ。
ブレーキが残していると前荷重のままになっているため、後輪に十分な荷重が掛かっていない。
その状態で極端なステアリング操作をすることはスピンの原因となるめ、慎重な操作を心がけよう。
速度を落とすだけではなく、ブレーキによってクルマの向きを変えることもできる。
ほんの少しブレーキを踏んでリアの荷重を抜いてフロントタイヤに荷重を乗せると、ステアリングを切っている方向に簡単にクルマが向く。
シケインの2つ目のコーナーや高速コーナーで思いのほか膨らみすぎた場合など、荷重移動のブレーキを使う場面は多いので覚えておこう。
ただし、ブレーキを踏むことで速度が落ちることには変わりないため、あまり多用するとタイム悪化の原因になるので注意しよう。
ブレーキの方法自体にセオリーはあるものの、「どの程度の強さでブレーキを踏むのか」「どの程度残すのか」「いつブレーキを離すのか」といったポイントはコーナーによってまったく異なる。
ブレーキの技術を向上させるためには、より多くのコーナーを攻略することが重要だ。
ブレーキングの引き出しが増えていけば、新しいコースを攻略する際もある程度まとまった走りができるようになる。
ブレーキングを学ぶ上で大切なのは、速度を徐々に上げていくことだ。
最初からコントロールできない速度で練習しても、クルマの姿勢を保つことに意識を奪われて最適なブレーキングポイントは習得できない。
ブレーキ操作によるクルマの姿勢変化を確認しながら、納得のいくまでしっかりと練習しよう。
Text: 渡邉 篤