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ニュース東京オートサロン2023で開催されたRd.3をもって、JEGT2022シリーズの全日程を消化したことを受け、年間の個人総合成績を決定し上位入賞者が発表された。
グランツーリスモの国内最高峰の大会として毎年開催されるJEGTのシリーズ戦だが、2022シリーズはチーム戦のみを開催。
レース順位はチームの総合力で決まるものの、チーム成績を左右する選手個人の活躍を表彰する今回の試みは、今後選手の大きなモチベーションになるだろう。
上位入賞者には高額賞金も贈られる個人賞について、受賞者の紹介と共に詳しく紹介しよう。
上位入賞者の紹介の前に、まずはJEGTの個人総合成績の順位がどうやって決められたのかを紹介しよう。
また、今回の表彰には総額60万円という賞金も用意されている。
個人総合成績の選出は、単なる印象による評価ではなく明確な基準が定められている。
出走回数やポジションアップ、ペナルティといったチームの成績に左右されない評価ポイントも多く盛り込まれており、できるだけ公平な選出となるよう配慮されていることが特徴だ。
ただし、チーム戦である以上、個人のチーム成績への貢献度も無視できない。
結果的にランキングの高いチームの選手がやや有利にはなるが、チーム戦という観点では当然のことでもある。
個人総合成績を決めた基準を紹介しよう。
【個人総合成績の算定基準】
・2022シリーズにおける合計出走回数の多さ(Rd.3については、スーパーラップとレースはそれぞれ1回にカウントする)
・各ラウンドにおけるスーパーラップ出走時の順位
・レース出走時のポジションアップ/キープ(Rd.3についてはタイヤコンパウンドの差異を考慮せず、純粋にポジションを上げられた(守れた)かどうかを評価)
・ペナルティを受けた回数
・印象点(年間総合順位に関わる、より重要な場面で好成績を残せたかどうか)
今回から採用した個人賞では、総額60万円にのぼる高額賞金も授与される。
国内最高峰リーグであるJEGTで表彰されることは大きな栄誉であると同時に、選手たちのモチベーションにもなるポイントだ。
授与される賞金は以下のとおり。
最優秀選手賞:30万円
優秀選手賞:10万円
個人総合成績の上位選手のうち、2名は#888 SengokuGamingからの選出となった。
チャンピオンチーム所属という点が選考に有利に働いた面も否めないが、一方で個人として表彰されるレベルの選手を2名も抱えていたからこそ優勝できたともいえるだろう。
また、シリーズ4位の#ARTAの選手も選ばれており、選考の公平性は保たれていたことをうかがわせる。
個人総合成績で、見事賞金を獲得した4選手を選定理由と共に紹介しよう。
個人総合成績で見事、最優秀選手に輝き、賞金30万円を手にしたのは、#888 SengokuGaming所属の奥本選手。
最終戦でチームを逆転優勝に導いたスーパーラップでのポールポジションの獲得が光った。
なお、奥本選手は、2022年から23年にかけて大きな栄誉を3つも手にしたことになる。
10月に開催された「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2022 TOCHIGI」での優勝、JEGT2022シリーズトップリーグ優勝(#888 SengokuGaming)、そして今回の個人総合成績での優勝だ。
>>奥本選手がポールポジションを獲得したRd.3スーパーラップの模様はこちら
【選定理由】
・出走回数:4回
・Rd.1ヒート1でのポジションアップ(4位→3位)
・Rd.3のスーパーラップでポールポジションを獲得(唯一の1分37秒台を記録)
・Rd.3でのポジションキープ
※特にRd.3スーパーラップでの成績が総合優勝に大きく貢献したと評価
杉守選手(#55 ARTA)は、シーズンを通して安定した成績を残した。
チームとして初優勝を飾ったRd.2での2ポジションアップ、シリーズチャンピオンのかかるRd.3スーパーラップでのフロントロー獲得など、2022シーズンで#55 ARTAが躍進した原動力となったことは間違いない。
また、癖があるもののハマったときにはトップレベルの速さを魅せるNSXの使い手として、国内のみならず海外からも注目される。
そして、チームとしてシリーズ4位でありながら選出されたことは、来シーズン以降ほかの選手にも夢を与える結果ともいえるだろう。
>>杉守選手の活躍で#55 ARTAが初優勝を飾ったRd.2の模様はこちら
【選定理由】
・出走回数:4回
・Rd.1でのポジションアップ(3位→1位)
・Rd.2でのポジションアップ(8位→6位)
・Rd.3のスーパーラップでフロントローを獲得
・Rd.3でのポジションアップ(4位→3位)
宮園選手は、Rd.1での安定した走りに加え、Rd.2スーパーラップでは、実力の拮抗するトップリーグとしては異例の2位に0.2秒近く差をつけるタイムを記録。
また、Rd.3ではスーパーラップでのミスを取り返す走りも光った。
>>宮園選手が安定のドライビングを見せたRd.1鈴鹿サーキットの模様はこちら
【選定理由】
・出走回数:4回
Rd.1ヒート1でのポジションキープ(1位→1位)
Rd.2のスーパーラップでポールポジションを獲得
Rd.3でのポジションアップ(5位→4位)
わずか2回の出走ながら、今村選手(#888 SengokuGaming)が選出。
#888 SengokuGamingは、Rd.2で下位に沈んだだけにRd.1でのポジションアップは、結果的にチームのシリーズチャンピオン獲得につながった。
また、出走回数が少なくても結果を残せば選出される点は、JEGTがすべての参加選手を公平に判断した結果だろう。
【選定理由】
・出走回数:2回
・Rd.1ヒート1でのポジションアップ(3位→2位)
・Rd.3でのポジションキープ(2番手との差を大きく引き離す)
野球やサッカーといった歴史のあるプロスポーツ同様に、チーム戦でありながら個人にもスポットライトがあたる個人賞の表彰は、JEGTがリーグとしてさらに成熟してきたことを示す。
チーム間で単純に順位を競うだけではなく、プロドライバーとして個人賞を目指すことはリーグ全体のレベルをさらに押し上げるだろう。
また、観戦するファンとしても、個人賞が選出されることは楽しみの幅をより広げてくれる。
応援するチームの成績だけではなく、ドライバー個人の走りにも一喜一憂することになるため、レース中は片時も目が離せない。
しかも、今季の3戦すべてで優勝チームが異なったように、JEGTトップリーグに参戦する各チームの戦力が拮抗していることも、個人賞に今後さらに注目が集まる要素となる。
チームが下位に沈んでいても、1回の優勝でチームのランキングは大きく変わるため、個人賞の行方という意味では、選手個人にとっては全セッションが重要な意味をもつ。
今シーズン、チーム戦としては初めて採用された個人賞を受賞した4選手に拍手を送ると共に、来シーズンの個人賞の行方が今から楽しみだ。
Text: 渡邉 篤
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