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ニュース1月14日(土)に東京オートサロン2023のイベントホールで開催されたJEGT2022シリーズRd.3。
#888 SengokuGamingが劇的な逆転優勝を決めたレースの模様は先にあげたレースレポートやYouTubeのアーカイブをご覧いただくとして、今回は今シーズン唯一のオフライン開催となった本大会の会場の模様をお伝えしよう。
初観戦の方をも虜にした、オフライン開催ならではの迫力と興奮を感じていただきたい。
>>波乱の結果となったJEGT2022シリーズRd.3のレースレポートはこちら
JEGT2022シリーズRd.3は今シーズン唯一のオフライン開催ということもあって、会場には多くのファンが詰めかけた。
eモータースポーツというヴァーチャル世界の競技ながら、リアルスポーツと変わらない一体感を会場全体のファンも共有していたのではないだろうか。
東京オートサロン2023の開門は、定刻よりやや早い9時前。
そのままJEGT2022シリーズRd.3が開催されるイベントホールに向かったのだが、イベントホール前にはすでに行列ができていた。
座席は全席自由席ということもあり、どうせならより見やすい席で観戦したいということもあるだろう。
しかし、小雨も降り寒さもあるなかでこれだけの人が並んでいるのは、昨年以上にファンが増え、関心が高まっていることを感じさせる。
スポーツイベントを会場で観戦する最大のメリットが一体感と臨場感だ。
特に、eモータースポーツはオフライン観戦で盛り上がる要素が多い。
テールトゥノーズやサイドバイサイドでのバトルシーンからオーバーテイクに至ると、自然発生的に会場で拍手が巻き起こるシーンも見られた。
新型コロナ感染予防の観点から大きな声援こそ送れないが、会場内では場面ごとに小さな声で「よし」とか「あぁ」といった声が漏れ聞こえてくる。
前後左右の観客と直接話をするわけではないが、1人で見ていては味わえないリアル観戦だからこその一体感が会場を包んでいた。
eモータースポーツを始め、eスポーツの競技自体は画面上で展開するため、オフラインで観戦するメリットはあまりないイメージもある。
しかし、実際に会場で観戦すると、リアルスポーツにはないeスポーツだからこそ生で見てもらいたいと感じるポイントがいくつもあった。
会場に詰めかけたファンの方の声とあわせて、オフライン観戦の魅力をお伝えしよう。
選手やピットの様子を常に見ることができる点は、リアルレースにはないeモータースポーツならではのポイントだ。
ドライバー交代前の緊張感や交代後のほっとした表情、悔しがる様子といった選手の喜怒哀楽を観客もリアルタイムで感じられる。
たとえば、YouTubeの放送では映し出されなかったが、#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダがタイヤ交換ミスをした際、ピット席が騒然とし、慌てて山中選手がステージに上がるといった緊迫感ある場面が眼前で繰り広げられた。
会場も若干ざわつき、何が起こっているのかという緊張感に包まれる体験は、リアル観戦だからこそ味わえたものだ。
また、音響設備についても、リアル観戦の魅力をお伝えする上で触れておきたいポイントだ。
今回の東京オートサロンでは、本格的なステージ設備が組まれていた。
大型スピーカーから流される地響きがするほどの大音量は、自宅の視聴環境では到底再現できない。
サーキットで甲高いエグゾーストノートを体感するのと同様に、オフライン会場だからこそ迫力のある音でレースを楽しめた。
オフライン開催される会場では、驚くほど選手との距離が近い。
ドライビングシートこそステージ上だが、チームメンバーが待機し、選手に指令を送るピットは観客席のすぐ前に設置されている。
レース前に近づいてみたところ、チーム内での会話も聞こえてきた。
最前列や2列目あたりで観戦した方は、レース中のチームとドライバーとのやり取りも聞こえたのではないだろうか。
また、レース後にはファンの方と交流する場面も見られた。
これだけ観客との距離を縮められるのは、競技そのものの安全性を考慮しなくていいeスポーツならではの光景と言えるだろう。
サーキットでおこなわれる実際のレースでは、事故防止の観点からここまで近い位置に観客席を配置するのは不可能。
競技自体はヴァーチャルの世界という点を補ってあまりある臨場感を味わえる。
会場には従来からのeスポーツファン、モータースポーツファンやグランツーリスモプレイヤーといった方だけではなく、JEGTやeスポーツを見るのは初めてという方も大勢詰めかけた。
親子でモータースポーツファンという、女性2人連れの方は「知人からの情報で初めて観にきたら、すごく面白かったです。画面もリアルで実際のレースと同じで本当に楽しめました。」と娘さんが話すと、お母さんは「せっかく面白いから放送の予定などの情報をもっと知りたかった。」と早くもJEGTファンになった様子。
スペシャルゲストの関優太氏を目当てに来場したという茨城県の女性は、「初めて見たのに、選手の子たちを間近で見てちょっと感動しちゃいました。めちゃくちゃ楽しかったです。関さんを見にきましたが、JEGTも今後注目したいです。」と興奮気味に語ってくれた。
懸命に戦う選手たちの姿は、レースというわかりやすいルールということもあってか、初めて観戦する方にも感動を与えたようだ。
一方、長年グランツーリスモをプレイしているという埼玉県の男性は、「今年からJEGTを知って見ている。エヴァンゲリオンを応援していたので今日の結果は残念。でも、シーズンを通じて本当に面白かった。来シーズンはもっとレース数を増やしてほしい。」と来季への期待を寄せた。
国内最高峰リーグとして、JEGTが高いレベルで争っているからこそ、実際にプレイしている人も惹きつけるのだろう。
今回のオフライン開催は、世界3大カスタムカーショーに数えられる東京オートサロン。
しかもスペシャルゲストにSPYGEA氏、関優太氏という人気ストリーマーを迎えたこともあり、実に多くのファンが来場した。
会場の期待が高まるなか、レースが始まると選手たちの高いドライビングテクニックと熱いバトルに会場は次第に引き込まれていく。
レース中の会場内は、状況が許せば大きな歓声が上がりそうなほど、多くの観客がレースにのめり込んでいた様子が印象的だった。
審議まで含めると、実に3時間近くに及ぶ長丁場。
しかし、最後の表彰式まで会場の熱気は冷めることはなく、イベント終了後も席を立たず退場する選手を見守ったり、レースを振り返ってか談笑したりする観客も見られるなど、それぞれにレースの余韻を楽しんでいる様子だった。
来シーズンは、新たに獲得したファンからの期待もさらに高まる。
日本最高峰eモータースポーツリーグとして、さらにレベルアップしたレースでファンの期待に応えてくれるだろう。
そして、まだオフライン会場で観戦したことがない方は、ぜひ来年こそ中継では味わえない興奮を会場で味わっていただきたい。
Text: 渡邉 篤
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