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ニュース世界チャンピオン経験者や国体優勝者などをはじめとするトップクラスの選手が多数出場するグランツーリスモの大会として、国内最高峰の競技レベルと規模を誇るJEGT。
9月に開幕したJEGT2022シリーズも12月3日にRd.2を終え、残すところあと1戦となった。
2023年1月14日(土)に、東京オートサロン内で開催されるRd.3を前に、今シーズンの戦いを振り返りつつ最終戦への展望をお伝えしたい。
オフラインという要素の加わる最終戦に向けて、ぜひ自分の注目するチームを見つけてほしい。
JEGT2022シリーズは、昨年まで開催されていた個人戦を取りやめる一方で、新たに企業対抗戦を導入。
トップリーグと企業対抗戦という2つのチーム戦が繰り広げられた。
チーム戦1本に参加を絞ったトップドライバーによるトップリーグは、各チームの実力が拮抗。
ここまで2戦が開催された今シーズンのJEGTトップリーグを振り返ってみよう。
2022年9月11日に開催されたJEGT2022シリーズ開幕戦は、磐石の走りを見せた#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダが優勝を飾った。
昨年の優勝チームであり、今季はさらにチーム力を強化。
宮園選手、山中選手という2名の世界チャンピオン経験者に加え、期待の大型ルーキー鈴木選手を獲得したことでシリーズ開幕前から優勝候補の呼び声が高く、前評判通りの結果となった。
また、2位には#888 Sengoku Gaming、3位は#54 TC CORSE Esports MAZDAが入り表彰台獲得。
優勝の#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダ、3位の#54 TC CORSE Esports MAZDAはいずれも昨年の上位チームが入るという結果から、今シーズンも昨年と同様の展開になるかに思われた。
>>JEGT2022シリーズ開幕戦の詳しいレポートはこちら
昨年と同じ勢力図でシーズンが進むと予想されるなか、2022年12月3日に開催されたRd.2は、Rd.1と大きく異なる結果となった。
まずは、決勝ヒート2でのピット戦略が成功した#55 ARTAが悲願の初優勝。
JEGT公式シリーズ初年度から参加を続け、ついに表彰台の頂点をつかんだ。
さらに、2位には#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing、3位には#777 D’station Racingが入り、Rd.1とまったく異なる表彰台の顔ぶれだ。
一方、絶対王者に思われた#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダはペナルティも重なり4位。
1戦目と優勝チームが変わっただけではなく、上位3チームがすべて入れ替わる結果となり、各チームの今後の可能性も感じたレースとなった。
>>JEGT2022シリーズRd.2の詳しいレポートはこちら
JEGT2022シーズンを締めくくる最終戦Rd.3は、東京オートサロンのイベントホールで行われる。
これまでと同様のオンライン中継だけでなく、観客を入れてのオフラインで開催されるため、真剣勝負だからこそ生み出される緊張感と迫力を生で味わうことが可能だ。
また、シリーズチャンピオン争いが混沌とするなか、1年ぶりの大舞台で各チームがどういったレース展開をみせてくれるのかが注目される。
Rd.2終了時点での上位チームが年間王者にもっとも近い位置にいることは間違いない。
しかし、特別な舞台で、しかもオフラインのレースとなると予想通りの結果とならない可能性も大いにある。
あらゆる要素から、混沌とするチャンピオンシップの行方を探ってみよう。
JEGT2022年シーズンの最終戦となるRd.3は、シリーズチャンピオンとシリーズ獲得賞金を決める重要なレースとなる。
1位の#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダが有利ではあるものの、ここまで2戦の結果を踏まえると優勝の行方は不透明だ。
また、現在7位につけている#127 eM福岡 エンタテ!区 LEGENDSまで優勝の可能性が残されているうえ、賞金獲得圏内となるシリーズ5位は全チームが狙えるだけに激しい順位争いが予想される。
逆転でのシリーズチャンピオンに期待がかかるのが、#888 Sengoku Gamingだ。
トップ#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダと20ポイント差の5番手と苦しい位置にいるものの、奥本選手と今村選手は10月に開催された「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」でそれぞれ優勝と準優勝、川上選手も本戦は残念ながら欠場となったものの、県代表に選ばれるほどの実力者だ。
十分にRd.3優勝を狙える力を備えているだけに、上位チームの結果によってはシリーズチャンピオンの可能性も大いにある。
東京オートサロンでJEGTの大会が開催されるのは、昨年度に続き2度目。
また、JEGTのシリーズ戦がオフラインで開催されるのも1年ぶりだ。
オフライン独特の緊張感と重圧のなかで、普段通りに実力を発揮できたチームが結果を手繰り寄せることが予想される。
一方で、東京オートサロンという特別な舞台での1勝は、その意味も大きい。
シリーズチャンピオンを期待できないチームでも、Rd.3の表彰台を目指して普段以上のパフォーマンスをみせてくれる可能性もある。
#105 TC CORSE SPK e-SPORT Racing、#127 eM福岡 エンタテ!区 LEGENDSといった下位チームが大きな番狂わせを見せてくれるかも知れない。
オフライン開催、しかもチーム戦となると多くの不確定要素がレース結果を左右する。
昨年もオフラインで開催された最終戦で勝敗を左右したのは、コース上のバトルではなくピット作業時のドライバー交代。
2番手を走行中のチームが、ドライバー交代でトップにほんのわずかな遅れを取り、結果的にスリップストリームを逃してしまったことで逆転のチャンスを失った。
多くの観客が見守るなか、平常心でドライビングすることはただでさえ難しい。
しかも、使用する機材は、自宅やチーム施設などの日頃使い慣れた環境ではなく、全員共通のJEGT公式コックピット。
ちょっとした感覚の違いで上位陣の順位は簡単に入れ替わる可能性もある。
#54 TC CORSE Esports MAZDAや#55 ARTA、#777 D’station Racingは、ワンチャンスをものにしたいところだ。
使用コースも混迷するチャンピオン争いに大きく影響を与える可能性がある。
Rd.3で使用される“富士スピードウェイは、世界でもトップクラスの長い直線を誇る屈指の高速サーキットだ。
これまでの2戦で使用された“鈴鹿サーキット”と“オートポリス”は、どちらかというテクニカルサーキットという性格の強いコースだっただけに、思うよな結果が残せなかったチームにチャンスが生まれる可能性もある。
特に注目したいのが、#11 KOSHIDO Jr.RACING、#12 KOSHIDO RACING、#35 NISSAN × TRUST RACING。
スープラとGT-Rというハイパワーマシンをチョイスしここまで苦戦を強いられたが、自慢のハイパワーを活かしたレースが見せられるか注目だ。
残念ながら3チームともシリーズチャンピオンの可能性はないものの、最高の舞台で上位陣をかき回してほしい。
JEGT2022シリーズは、2023年1月14日(土)にいよいよ最終戦となるRd.3を迎える。
オフライン開催されるRd.3の舞台は、昨年に引き続き国内最大級のカスタムカーイベント“東京オートサロン2023”。
eスポーツファンのみならず、多くのクルマ好きやリアルモータースポーツファンの前でプレイする意味は選手にとっても大きい。
普段はeモータースポーツを見ない方も含めて、会場が作る空気や観客から受ける力によってより一層高いパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
激しいチャンピオンシップ争いはもちろん、YouTube中継では味わえない臨場感と興奮を、ぜひ東京オートサロンで直に感じてほしい。
Text: 渡邉 篤
■【大会情報公開】JEGT 2022シリーズ ROUND.3(東京オートサロン大会)