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ニュースチームカラーやロゴ、ときにはコンセプトまで表現するレーシングカーのリバリー。
グランツーリスモではリバリーを自由にデザインでき、JEGTに参加する車両もチームごとに個性あふれるリバリーが施されている。
今回は、JEGTで使用される車両をはじめ、多くのリバリーを出がけるデザイナーをご紹介したい。
実施したアンケートに対して実に細かく回答を貰い、これからリバリーを作ってみたい方やさらにカッコいいデザインに仕上げたい方必見の内容となっている。
今回アンケートに答えてくれたリバリーデザイナーは、今季のJEGTリーグ戦でトップリーグ、企業対抗戦あわせて10チームものリバリーを担当している。
JEGTにはさまざまなチームが参加しているため、リバリーデザインの幅も広い。
実車リバリーがベースのものやアニメモチーフ、完全オリジナルとジャンルが幅広いが、それぞれの個性を存分に表現したリバリーに仕上がっている。
上段左側から
【トップリーグ】#01 EVANGELION e-RACING with 広島マツダ/ #11 KOSHIDO Jr. Racing/ #12 KOSHIDO Racing/ #35 NISSAN×TRUST Racing/ #55 ARTA
【企業対抗戦】 #8 AUTOBACS/ #23 NISSAN × TRUST Racing Jr(トップリーグの#35 NISSAN×TRUST Racingと同デザインのため省略)/ #43Garaiya/ #84 TOMEI POWERED/ #90 WEB OPTION RACING
>>JEGT2022トップリーグに参加するするチームの紹介はこちら
>>JEGT2022企業対抗戦に参加するするチームの紹介はこちら
レーシングカーのリバリー制作は、元となるモチーフやチームカラーなど制約が設けられていることもある。
とくに、別のデザイナーがいる場合や“再現リバリー”と呼ばれるすでに存在するモデルを模倣しての制作となると、リバリー制作者の個性を押し出すことはできない。
しかし、アンケート内容からはリバリー制作に込められた“職人”としてのこだわりを感じることができた。
>>グランツーリスモでのリバリー作成について知りたい方はこちら
平均すると大体3〜5日程度です。
ただ、制作するマシンによって時間は大きく違います。
すぐに完成するものもある一方、これまでの最長だと2ヶ月くらいかかったものもありました。
オリジナルで作成する場合に心掛けていることは、なるべく車両の形を活かして塗ることです。
また、ジャンルによって変わってきますが、車体に貼る情報量を多くし過ぎないことも意識しています。
「再現リバリー」と言われているような物(何らかのモデルが存在し、それを模倣・再現するリバリー)を作るときには、元のデザインや色味をとにかく忠実にトレースすることが重要です。
制作時に打ち合わせができる場合は、元のデザイナーさんの意思を尊重して制作するように心掛けています。
実際に制作をする際のアプローチ方法についても詳しく答えてくれた。
回答内容から見えてきたポイントは、“観察”するということ。
デザインするクルマのボディ形状、ほかのクルマのデザインなどをしっかりと観察してイメージをふくらませていこう。
オリジナルのリバリーを作る際に、どこから手をつければいいのかわからない方は参考にしてほしい。
まずは、素材をざっくり車体に貼り付けてから、どう削っていくかを決めていくイメージです。
頭の中で「これ良さそうだな」と思ったらとりあえずその通りに貼って、気に入らなければその粗を整えていくという工程の繰り返します。
自分で平面図を描いてからリバリー制作をはじめることもたまにありますが、苦手なのであまりやりません。
ボディ形状の特徴を生かしてデザインをすることが重要なポイントです。
基本は「ボディのプレスラインに沿うようなデザインを描いて、見る人の視線を誘導するような流れを作る事」を心掛けています。
RX-VISIONやGR Supraのような丸みを帯びた流線形の車、WRXやランエボのような角張った形の車、まんまるな形をしたビートルなど色々なボディタイプの車がありますが、基本的な考え方は変わりません。
海外のデザイナーが制作したリバリーをよく見ています。
グランツーリスモも含めたレーシングシミュレーター全般から実際のレーシングカーまで、海外のものは異文化交流にもなりますし、非常に参考になるのでおすすめです。
また、SNSで実車の痛車系のタグもよくチェックしています。
色選びや小ネタの仕込み方など、新しい着想につながるものも少なくありません。
今回のアンケートで興味深かったのは、大まかに貼ってから整えていくというリバリー制作のプロセスだ。
最初から緻密なデザインをして細かい調整をするのではなく、頭に浮かんだものをざっくりと貼り付けてイメージを膨らませていくことで、結果的にオリジナリティあふれる作品に仕上げていく。
イメージ通りのデザインに仕上げたいばかりに、細部にこだわりすぎてなかなかリバリーが完成しない初心者も多いのではないだろうか。
大まかにイメージしながら車体にデザインを貼り込んでいく作業なら、プロとのレベルの差はあるもののリバリー初心者でもできる。
まずは、パターンやロゴを思いのままに車体に貼り付けていってみよう。
Text: 渡邉 篤
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