NEWS
ニュース特徴的なスタイリングと鋭い走り、ポルシェ911RSRはポルシェファンならず、レースファンにとっても魅力的なクルマだ。
しかも、911RSRはあえて伝統のRRではなくMRを採用すると共に先代からプラットフォームも一新し、GTカーとしての完成度をより高めたモデルとなった。
グランツーリスモに登場する2017年モデルを中心にポルシェ 911RSRについて詳しく振り返ってみよう。
2013年に登場したポルシェ911RSRは、デビューイヤーからレースシーンで存在感を示すことになる。
より軽量化が図られた991型をベースに開発されたポルシェ911RSRは、2013年のル・マン24時間レースで1–2でフィニッシュを飾ったのを皮切りに、数々のGTカーレースで輝かしい成績を残した。
さらに、2017年にはレイアウトを従来のRRからMRに変更し、積極的に改良が加えられているポルシェ911RSRについて詳しくご紹介しよう。
また、意外とあいまいな理解になっていることも多い、ポルシェのモデルにつけられた数字の意味も解説しておくので参考にしてほしい。
ポルシェファンの間では何の疑問もない部分だが、ポルシェの車種を表す際に使用される「911」や「991」「997」といった数字の意味合いを事前に整理しておきたい。
まず、「911」とは、1963年の初登場以来、ポルシェを代表する車名だ。
数字が使用されているだけで、トヨタ「クラウン」、ホンダ「シビック」などと同じ車名が「911」ということになる。
一方で、「991」「997」といったナンバリングは、ポルシェが名付けたコードネームだ。
正確には型式名ではないため若干異なるが、同じ日産「スカイライン」でも開発モデルによって「R32型」や「R34型」が存在するのと同意と捉えて間違いない。
ポルシェで使用されるそのほかの車名としては、「718」「Taycan」などがある。
ポルシェ911RSRは、991型をベースとした新型レーシングカーとして2013年にデビュー。
前身の997 GT3 RSRの後継モデルとなるが、これまで名称に盛り込まれていた「GT3」は外れ、単に「911RSR」という名称になった。
グランツーリスモ7に収録されている911RSRは、991ベースとしては2代目のモデルで、ポルシェ伝統のリアエンジンではなくミッドシップレイアウトが採用されている。
4.0L水平対向6気筒エンジンは、前モデルから50馬力増となる510馬力を発生。
新開発の空力パッケージと新しいパワートレインレイアウトも含めて、「レギュレーション内で可能な全ての措置を施したことで、史上最速の 911 が生まれた」とポルシェのGT ワークス・スポーツの責任者、マルコ・ウイヤジが語るほど完成度の高いマシンだ。
991型ポルシェ911は、7代目のモデルとして2011年に発表された。
最大の特徴は軽量金属の導入による大幅な軽量化で、前作997型よりも剛性を高めつつ、約50kgもの軽量化に成功している。
デビュー当初のエンジンは3.4L、3.8Lの2モデルで、“フラット6”と呼ばれるポルシェ伝統の水平対向6気筒エンジンを搭載し、水冷3.8Lモデルでは400馬力ものハイパワーを発生。
高いエンジン性能を的確に引き出すため、世界初となる7速MTも装備されたことも話題となった。
プラットフォームが刷新されたものの、丸型ヘッドライトやふくよかな曲線といったポルシェ911伝統のスタイリングを継承。
質感の向上した内装には伝統の5連メーターを採用し、新技術をふんだんに盛り込みつつも、ポルシェ911らしいモデルに仕上がっている。
グランツーリスモSPORT、グランツーリスモ7に登場する911RSRは2017年モデルで、2013年に初代がリリースされたあと、MR化と大幅なパワーアップを施されて登場した2代目となる。
ポルシェ911RSR はMRということで、FRレイアウトのクルマに比べると荷重移動による姿勢変化がナーバスになりやすい。
丁寧なアクセルワークでリアをスライドさせないようにコントロールすることが重要だ。
MR車両を運転する上で気をつけておきたいのは、急なアクセル操作をしないこと。
コーナーの脱出時は、「クルマの姿勢がしっかりと変わっていること」「路面にタイヤがグリップしていること」を感じながら徐々にアクセルを開けていこう。
ポルシェ911RSRは加速力に優れたクルマなので、慌ててアクセルを踏み込まなくても十分に加速していける。
ミッドシップレイアウトによる優れたトラクションと高い旋回性能、軽量ボディによる圧倒的な加速力がポルシェ911RSR最大の魅力。
MRの挙動に慣れてしっかりとコントロールできるようになれば、高速サーキットからテクニカルコースまで、コースの特性にかかわらず安定したタイムを出せる。
タイムが安定しているからこそ、ポルシェ911RSRでのタイムを基準に、コースに合ったマシンを選択することも可能だ。
また、コース特性が掴めずマシンの選択に迷った際は、ポルシェ911RSRでそのまま走っても十分にライバルと戦える。
#888 Sengoku Gamingのポルシェ 911RSR’17
ポルシェ911RSRはGTカーにもかかわらず、ひと目でポルシェとわかるフォルムなのも特徴のひとつ。
市販車をGTカーとして作り直す際、ワイド化や空力パーツの追加などによって、ベースとされた市販車の面影がやや失われてしまうケースも多い。
しかし、ポルシェ911RSRは、ロードカーとして市販されているベースモデルのアイデンティティをGTカーでもしっかりと受け継いでいる。
好きなクルマが同じスタイリングのままレースシーンで活躍する様子は、ファンにとってはより愛着の持てる要素となるのではないだろうか。
なお、2022年JEGTトップリーグでは、#888 Sengoku Gamingが911RSRをドライブしている。
ポルシェの美しいボディラインとシャープな走りにぜひ注目してみてほしい。
Text:渡邉 篤
■【車種解説】先進技術の塊!世界に誇る国産スーパーカーのパイオニア2代目ホンダ NSX