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ニュースマツダ ロードスターは、“ライトウェイト オープンスポーツ”を特別な人だけのものではなく、一般ユーザーに広く認知させたクルマだ。
“人馬一体”のドライビングが楽しめる軽快なハンドリング、今なお多くのクルマ好きから高い人気を得ている。
今回は、ロードスターの歴史とグランツリースモに登場するモデルを詳しく紹介しよう。
ロードスターはスポーツカーとして異例の大ヒットを記録し、世界中のあらゆるメーカーを動かしたと言われるクルマだ。
発売から30年経った今でも同一車名というだけでなく、コンセプトも変わらず生産され続けている。
そんなロードスターの歴史を紐解いてみよう。
ロードスターの登場と大ヒットは単純にマツダの売上を伸ばしただけでなく、世界のスポーツカー市場の活性化につながった。
当時“ライトウェイトスポーツカー”市場は消滅しつつあったが、ロードスターの登場をきっかけに人気が再燃。
トヨタやホンダといった国内メーカーのみならず、海外メーカーにまで影響を与えることになる。
トヨタ MR-S、ホンダ S2000、メルセデス・ベンツ SLK、BMW Z4、ポルシェ ボクスターなど、各社が小型スポーツカーをこぞって開発するというムーブメントを巻き起こした。
ロードスターは、初代の発売から現行車種まで、既に30年以上販売され続けている。
開発のキーワードであった「人馬一体」というコンセプトは、歴代すべてのモデルに踏襲。
30年もの歴史の中でたった4モデルしかないものの、それぞれに個性的なデザインと性能を持つ。
どのモデルも特徴的で、多くのファンから愛され続けている歴代のロードスターを簡単に紹介しよう。
・初代NA系(1989-1998)
初代ロードスターの登場は、今から30年以上前となる1989年。
当時、マツダが展開していた“ユーノス”というブランドから発売された。
小型軽量のスポーツカーでオープンカーという当時の自動車市場には無いコンセプトは注目を集め、発売翌年には全世界で10万台近くを販売。
需要の限られるスポーツカーとして異例の大ヒットを記録し、世界中のメーカーに衝撃を与えた。
初代NA系に搭載されたエンジンは、120馬力を発生する1.6L直列4気筒B6-ZE型。
1993年のマイナーチェンジで、130馬力を発生する1.8LのBP-ZW型エンジンを搭載するグレードが追加された。
・2代目NB系(1998-2005)
初代発売から9年後の1998年に投入されたのが、2代目となるNB系。
軽量化と安全性の観点から、トレードマークだったリトラクタブルライトを廃止、販売名義もユーノスから“マツダ”に変更された。
車体が軽いことはロードスターのアイデンティティの1つであるため、グラム単位で軽量化を徹底。
NA系と同じく1.6Lと1.8L、排気量の異なる2種類のエンジンが用意されている。
・3代目NC系(2005-2015)
3代目ロードスターの登場は2005年、先代のフォルムや基本設計を引き継ぎつつもボディを大型化。
RX-8とプラットフォームを共有し、初の3ナンバー車となったことで話題を呼んだ。
また、エンジンは2L直列4気筒のLF-VE型エンジンを新たに搭載。
出力、トルクともに先代までのB型エンジンを大きく上回っていて、170ps/ 19.3kg・mを発揮する。
・4代目ND系(2015-)
2015年に登場した現行型となる4代目は、全体にシャープなデザインでまとめられ、低くワイドな台形フォルムが高いポテンシャルを感じさせる。
また、性能面ではエンジンをフロントミッドシップ化し、理想的な前後重量配分50:50を継承した。
全幅1,735mmの3ナンバーサイズにもかかわらず、最軽量モデルは1tを切る990kgという軽さもあり高い運動性能を発揮。
まさに“人馬一体”という言葉がふさわしい、ロードスターらしい1台だ。
エンジンは先代よりダウンサイジングされた、1.5L直噴エンジンの「SKYACTIV-G 1.5」を搭載。
最高出力は132馬力とやや迫力に欠けるものの、最大トルクは15.7kgを発生、軽量な車重を手足のようにドライブするには十分なスペックだ。
日本のスポーツカー史に輝くマツダ ロードスターは、“ユーノス”名義のものも含めグランツーリスモに収録されている。
グランツーリスモ7に登場するロードスターを紹介しよう。
グランツーリスモ7に登場するロードスターは初代となるNA系と現行のND系の2モデルだ。(2022年11月執筆時)
さらに、NA系とND系それぞれ2種類の合計4モデルが収録されている。
NA系は、販売初年度に用意された特別仕様車“ユーノス ロードスター(NA Special Package)’89”と、マツダ名義のコンプリートカーとなる“ロードスター Touring Car”の2車種。
ND系は、一般向けグレードの“ロードスター S(ND)’15”と、モータースポーツベース車両として販売されている“ロードスター NR-A(ND)’22”となっている。
ロードスターは、実車でもスポーツドライビングの入門車としてよく挙げられる。
持て余すほどのパワーはなく扱いやすい上、軽量で動作が素直なため思い通りに動かしやすい。
一方で、ホイールベースが短く、乱暴なアクセルワークをするとすぐにスピンをしてしまう。
また、パワーがないので、速く走らせるためにはできるだけ速度を落とさない的確なブレーキングも重要になる。
丁寧なブレーキングで荷重移動をしてコーナリング、出口に向かって徐々にアクセルを開けてトラクションをかけていく。
ロードスターを上手く走らせるには、基本的なスポーツドライビングの技術を習得しなければならない。
クルマの挙動にクセがなく運動性能も高いので、じっくりとFR車両の挙動を学ぶにはロードスターはもってこいの車種だ。
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ロードカーを使用するグランツーリスモの大会やオンラインレースで、ロードスターはワンメイクレースの指定車両としてよく採用される。
国内最高峰eモータースポーツリーグのJEGTでも2021年度開催の個人戦で、“ロードスター S(ND)’15”を使用したワンメイクレースを個人戦Rd.2の予選でおこなった。
大会での好成績を狙うのなら、ロードスターのドライビングをマスターしておきたい。
どの世代のロードスターも、ピュアFRスポーツとしての高い運動性能をもちながら、誰でも手軽に運転できるふところの広いクルマだ。
実車のロードスターに乗ると、特別なチューニングをしていなくてもスポーツドライビングの楽しさを味わえる。
そして、グランツーリスモの中でも、実車同様の運転する楽しさや基本的なクルマの挙動を存分に感じられるクルマの1つだ。
Gr.3などのレースカーを駆って手に汗握るバトルももちろん楽しいが、たまにはノーマル仕様のロードスターで、気持ちのいいドライビングを楽しんでみるのもいかがだろうか。
Text: 渡邉 篤
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