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ニュースサスペンションは日本語で懸架装置と呼ばれ、車体と車軸・車輪をつなぐと同時に、衝撃の吸収や車体の姿勢維持といったクルマの挙動に直結する重要なパーツ。
総称として足回りとも言うサスペンションを調整することは、より速いタイムを求めるレースシーンで欠かせない項目だ。
ただレースをするだけではなく、練習や遊び方の1つとして、グランツーリスモで設定できるサスペンションの項目とセッティング方法を紹介する。
サスペンションは、クルマの挙動すべてにかかわる重要なパーツだ。
どれだけパワーのあるエンジンを搭載していても、サスペンションが適切にセッティングされていなければポテンシャルを活かせず速く走ることはできない。
路面の細かな起伏やコーナリング時の遠心力による車体の傾きなど、クルマの姿勢は刻々と変化する。
走行時の挙動変化を制御できなければ、小石に乗っただけでも車体が大きく飛び跳ねてしまい真っ直ぐ走らせることすら難しい。
コーナリング時の車体の傾きやタイヤと路面の設置角度、ステアリング操作に対する前後輪の反応など、サスペンションセッティングによって思い通りにクルマをコントロールできるようになる。
【車高調整】
クルマの姿勢制御に重要な車体の高さを調整する項目。
サスペンションの長さを変えることで車高を調整し、プラス方向に調整すると車高が高くなり、マイナス方向だと低くなる。
前後それぞれで調整可能。
【アンチロールバー】
コーナリングに影響を与える車体左右の傾き(ロール)をどの程度抑制するか調整する項目。
左右のサスペンションをつなぐ棒状のパーツの固さを変更することで調整し、数値を大きくするほど固くなりロールしにくくなる。
なお、スタビライザーと呼ばれることもある。
【減衰比(縮み側)】
車体の挙動変化具合に影響するショックアブソーバーの縮む際の動作速度を調整する項目。
数値を大きくすると路面の起伏などの入力に対してゆっくり動作し、固い乗り心地になる。
【減衰比(伸び側)】
沈み込んだサスペンションが伸びる際の減衰比を調整。
【固有振動数】
サスペンションに取り付けられているバネ(スプリング)の硬さを調整する項目。
数値を大きくするほど硬いバネになる。
【ネガティブキャンバー角】
コーナリング時のグリップ力に関係し、車輪の上下方向の角度(傾き)を調整する項目。
数値を大きく(ネガティブに)するほど接地面側が外側に開く(ハの字)になる。
【トー角】
直進安定性に影響する車輪の前後方向の角度を調整する項目。
数値を大きくするほど車輪が内側に向く。
グランツーリスモ7で設定できるサスペンションの項目は7つ。
しかも、各項目のバランスによってクルマの挙動は変わるため、設定内容はまさに無限だ。
しかし、じっくりと1項目ずつ取り組んでいけば、特別な知識が無い初心者でもある程度のセッティングはできる。
一見難しそうに見えるサスペンションセッティングについて、その基本的な手順をみていこう。
サスペンションの設定項目をあまり理解できていないうちは、1項目に絞って極端な設定値でどう挙動が変化するか確認してみることがおすすめだ。
サスペンションは、設定できる項目が多く、一発で最適な設定値を見つけるのは不可能。
1項目ずつ設定を変更し練習走行を試していくことで、各項目でどう挙動が変わるのかを把握できる。
クルマの挙動を適切に制御するためには、複数の項目が密接にかかわってくる。
たとえば、固有振動数だけ上げてバネを固くしても、クルマが跳ねすぎてしまい不安定になってしまう。
加速、減速、コーナリングを繰り返し練習しながら、自分の好みに合う最適な設定値を見つけて欲しい。
JEGTをはじめ、一部のデイリーレースや大会などではサスペンションをはじめとする個別のセッティングが禁止されていることもある。
しかし、サスペンション設定を把握しておくことは、より速いドライビングを目指すにあたって無駄にならない。
足回りの設定を変更することで、クルマの挙動の原理をより深く理解できれば、どうクルマを動かせば理想的な挙動変化に近づけられるかが理解できるようになるためだ。
サスペンションの設定を変更すると、クルマの挙動だけではなく車両の見た目にも反映される。
憧れのクルマを好みのスタイリングに仕上げるのも、カーライフシミュレーターを謳うグランツーリスモらしい楽しみ方だろう。
また、リプレイ動画を確認するとショックアブソーバーの減衰やバネレートの変更により、車体に起こる挙動変化も再現されている。
リプレイを見返しながら練習する際、クルマがコースや自分のドライビングに合った動きをしているのか確認しながら設定を詰めていこう。