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ニュース国内最高峰のeモータースポーツリーグとして高いレベルを維持するため、JEGTでは認定ドライバー制度を採用している。
その認定ドライバーを選出するのが、毎年開催されるタイムアタック試験「JEGT Driver’s Selection(以下JDS)」だ。
JEGT主催のレースは、一部を除いて認定ドライバーのみによって争われるため、、JDSはJEGTの出場を目指すドライバーにとっての登竜門ともいえる。
厳しい選出基準のなか、今年はどんな新人ドライバーが発掘されるのかに期待が集まる。
2022年のJDSは、5月30日から6月27日にかけて合計10日間の日程で開催。
昨年同様オンライン開催となり、全国各地のeモータースポーツドライバーが参加した。
JEGT認定ドライバーになるためには、ハイレベルなドライビングテクニックとそれを維持する卓越した安定感が求められる。
アタックラップ5周のうち、上位3周の平均が高水準の規定タイムを突破できているかどうかが認定条件となっており、「1発の速さ」だけでは認定をつかみ取ることはできない。
高い集中力を3周以上発揮することが重要なのだ。
JDSは公式シリーズと同様にグランツーリスモSPORTで行われており、コースはインテルラゴスサーキットとなっている。
コース全域にわたるアップダウンとテクニカルなインフィールド区間の組み合わせが特徴的なサーキットで、ドライバーにはあらゆるテクニックが求められる。
使用車種はGr.3カテゴリーの中から好きな車種を自由に選択でき、乗り慣れたクルマを選ぶのか、コースにあった車種を選定するのか受験者によって戦略の分かれるポイントだ。
アタックラップ5周のうち上位3周を有効ラップとして平均ラップを算出。
平均ラップによって認定ランク及び合否が決定され、1’29.599以下でSランク、1’29.999以下でAランクというコンマ1秒単位で厳しい基準が設けられている。
>>2022年度 JDS開催のお知らせ
タイトル | グランツーリスモSPORT |
実施形式 | オンライン形式(運営と受験者の自宅等をオンラインで接続して実施) |
受験資格 | 受験時に満18歳以上であること |
使用車種 | Gr.3カテゴリーから自由選択 |
使用コース | インテルラゴスサーキット |
使用タイヤ | レーシングミディアム |
BoP | ON |
セッティング | 禁止 |
周回数 | アウトラップ1周/アタックラップ5周 |
認定基準 | アタックラップ5周の内、上位3周のタイムを有効記録として平均ラップを算出し、平均ラップによってランク及び合否を決定 |
Sランク | 1’29.599以下/Aランク:1’29.999以下 |
※Aランクの平均ラップに到達しなかった場合も、記録に応じてB+~Dランクまでを付与(2022年度より)
2022年のJDSには、全国各地から総勢46名が参加し、そのうち新たに認定ドライバーとなったのは17名。
JEGTはもちろん、日本国内におけるeモータースポーツにおいて今後の活躍が期待される精鋭ぞろいだ。
2022年のSランク合格者はわずか2名で、全参加者の4%という狭き門であることが分かる。
一方Aランクの合格者は参加者全体の3分の1となる15名と、日本のeモータースポーツの底上げを実感する結果となった。
また、昨年Aランクだったドライバー3名がSランクに昇格し、JEGTのリーグとしてのレベルが年々上がっていることも証明された。
2022年JDSの結果を受けて、JEGT認定ドライバーは総勢89名となった。
もちろん、認定ドライバー全員がJEGTのレースに参加するわけではないが、日本最高峰のeモータースポーツリーグとしてふさわしい選手層の厚さだ。
なお、内訳はAランク67名、Sランク22名となっている。
2022年全国都道府県対抗eスポーツ選手権(いちご一会とちぎ国体) グランツーリスモ7部門 都道府県予選において、1分18秒150という驚異的なタイムをたたき出し、福島県1位(全国3位)という輝かしい実績残したのが、福島県在住の鈴木 聖弥選手(18歳)だ。
2022年JDSでは、文句なしの成績(JDSの記録:1’29.490)で、今年新たにSランク認定ドライバーとしてJEGTに加入した鈴木選手にインタビューを行った。
Q.Sクラスを獲得した感想をお聞かせください。
A.以前からこのJEGTの試験に挑戦したいと考えていました。
自分のレベルをステップアップさせる目的もあったので、とにかく無事に合格できて良かったです。
Q.JDSに挑戦するうえで意識したことはなにかありますか?
A.これまでは1周で出すタイムにこだわっていましたが、JDSに参加するにあたりラップタイムを安定させる走りを心がけるようになりました。
結果的に平均タイムの向上につながって、合格することができました。
Q.今後の目標や夢はありますか?
A.これまで私は大きな舞台で「優勝」という称号を取ったことが無いので、今回メンバーに入れさせていただいた方々と共にチャンピオンを成し遂げたいと思っています。
またJEGTでの経験を私自身の成長にもつなげていきたいです。
開催を重ねるごとに盛り上がりを見せるJDSは、2022年も今後のJEGTを支える新たな認定ドライバーが生まれた。
そしてJEGTでは、トップドライバーの争いだけに限らず、日本のeモータースポーツ全体の底上げや裾野の拡大に貢献するため、今年から新たに「JEGTドライバーズランク制度」と「JDS Light」を創設した。
JEGTドライバーズランク制度は、これまで認定ドライバーのみに与えられていたSとAランクに加え、新たにB+~Dランクを設定。
このランク制度により、自身のレベルが今どの程度なのかがより客観的に示され、さらなる高みを目指すための指標となることが期待される。
JDS Lightは、商業施設やイベント会場などでのオフラインイベントとして行われ、従来のJDSを基に初心者~中級者でも気軽に受験できるレギュレーションで、記録タイムに応じてB+~Dのランクが与えられる。(※今後の開催は未定だが、開催が決定次第JEGTのウェブサイトやSNS等で発信予定)
今年新たに認定ドライバーとなったメンバーの白熱した戦いに注目しつつ、ぜひ来年はご自身での参加も検討してもらいたい。